季節はうつる、メリーゴーランドのように (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 330
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058367

作品紹介・あらすじ

夏樹と冬子は、高校時代、男女だけれど「親友」だった。
お互い、日常の謎を解くことを趣味として、一緒に居て誰よりも心地良い存在だったあの頃。

やがて社会人となった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。
町を散策しながら、昔と同じく、冬子と日常の謎ときを楽しむ夏樹だが、
夏樹には心に秘めた想いがあった。
冬子への恋心。もう、ごまかせない。
けれど冬子はなかなか、夏樹の想いを伝えるチャンスをくれなくて……。
もどかしくも、季節はうつる。夏樹の焦り、冬子の戸惑いをのせて。
そして……。

それは、最高で最低の片想い……。
優しく穏やかなな日常の謎ときから一転、驚愕のエンディングに、誰もがきっと目を瞠る。
青春ミステリの名手、岡崎琢磨が送る、究極の青春恋愛ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • あらすじに書かれてる「切なさ最大級の青春片恋ミステリ」というがまさに的を得てる。物語はどちらかというとミステリ要素が強い。各章,思わせぶりな主人公の呟きに最後まで一気読み必至。そしてラストは誰しも経験するあの不条理な想いを思い出すだろう。そしてそれこそが恋愛なのだと古傷が痛むかもしれない。
    あらすじ(背表紙より)
    男女だけど「親友」の夏樹と冬子。高校時代、日常の謎解きという共通の趣味で、2人は誰よりもわかり合えていた。ただ、夏樹が密かに、冬子に片想いしていたことを除いて…。そして今、社会人になった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。今度こそ、想いを伝えると決めて。けれど冬子は、なぜかかたくなにチャンスをくれなくて…。ウィットに富んだ日常の謎から、誰もが目を瞠る驚きのラストへ。切なさ最大級の青春片恋ミステリ。

  • 何回も読み直しちゃう。
    個人的に冬になると読みたくなる

  • 超特急のユースケくんがカバーのものを購入。
    読了。

  • いまいち面白みがない上に後味が良くない。提示される謎もさほど魅力的ではないし、あれだけじれったい話につきあわせておいてこのオチかって感じだし。正直残念な作品だなぁ。

  • かなり好きな本。
    美しくも現実的で残酷なお話。
    夏樹の心情も、冬子の心情も推して知るべし。
    後書きの「日常がいかに不安定で、言葉にして記憶に定着させなければどんどん風化していってしまうということをこの作品は読者に語り掛けてくる。決して止めることのできない時の流れの残酷さと共に。」という最後の文章にもすごく考えさせられた。大切な思い出を思い起こすと共に、きちんと文字で残しておきたいと思えた。

  • 2018/10/9 Amazonよりニコニコカドカワフェアにて321円でDL購入。
    (開いてみたら椎名誠さんの「長さ1キロのアナコンダがシッポを噛まれたら」であった。まあ、椎名さんも好きなので、いいけど。)
    2023/11/21 楽天ブックスに紙版注文。2023/11/22 届く。
    2023/11/30〜12/4

    岡崎さんの実質デビュー作。高校一年で出会った夏樹と冬子。2人の合言葉は、奇妙な現象に納得できる説明をつける「キセツ」。季節の移り変わりとともに、2人の身の回りで起こる不思議な現象を夏樹がキセツするも、夏樹はずっと冬子が好きであることが言い出せなかった。最後に明かされる真実は悲しい。色々細かいところに凝っている感じはデビュー作ならではか。

  • 『タレーラン』の名前は知ってるけど読んだことがなくて、同じ作家さんの作品でシリーズになってないこちらを。なんか、腹立つ話だった。器がちっさいのかな。。

  • 好きになろうとしてもなれない、その言葉を言われたら辛すぎるなと思った。
    誰のメリーゴーランドに乗っているのか、はたまた乗っていないのか。
    わたしはどうなんだろう、、
    叙述が面白かった。

  • 久々本を読んだ。またゆっくり本を読む時間をつくりたいと思いつつ、さて感想。

    氏の作品は他のシリーズもいくつか読んでいるが、登場する男性の像が比較的に似通ってる気がする。タレーランシリーズの語り手などは典型的に。

    いいとか悪いとかではなく好みという前提に過ぎないが、この男性像に共感できる人はどれくらいいるんだろうか。ミステリーに登場する人物なんてクセしかないだろうけど、悪い意味ではなく、むしろ僕にはこうした男性像を重ねてしまう10代から20代前半があったように思う。若干中二病的な?キセツなんてしてないけど(笑)

    そしてその彼が最後の最後でも中二病から卒業しきれない感じがあるという、ロマンチックなんだからファンタジーが過ぎるのかわからない状況で、それでもなおその主人公に妙な親近感があるのは、おそらく、きっと自分がまだなんとも大人になりきれていないからなんだろうと思う。

    痛々しいといえばその通りで自分の弱いところを自覚させられ、枕を涙で濡らしそう(笑)

    ミステリー的には氏らしい叙述でミスリードしてたと思うんだけど、最後のキセツの解決はちょっと無理があったように思えなくはない。壮大な伏線ですごいと感じる一方、それまでであればおそらく解けなかったであろう冬子の冴え渡る推理は少しチートが効き過ぎかなと。

    ただ、夏樹のある意味でダダ漏れな思いやそれに伴う行動を何かしらのブースターにしていたという意図もあったのかもしれない。

    そこらへんのじれったくすれ違う感じは高校生とも大人とも違うアオハル具合がうまくでているんだろうな。


  • 「奇妙な出来事には、説明をつけてやらないとな」

    岡崎さんの作品の中の日常に転がる謎を解き明かしていく設定が好き。この作品は更に、それが伏線になっていてある事実が分かった時どの台詞も取り零せないなとなり、読み返したくなった。
    .
    "キセツ"するっていう2人だけの共通言語もあり、色んな謎を解いてきて関係性も育まれていく中でのある結末に唸ってしまった。
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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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