西郷隆盛 新装版 (角川文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058411

作品紹介・あらすじ

「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)――作家・常盤新平氏
近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。

感想・レビュー・書評

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  • kindle unlimited で読了。
    池波正太郎氏の本書は西郷隆盛を中心に幕末の様子が分かりやすく記述してある。
    歴史に疎い自分でも、良く分かった。
    歴史の動乱期には、それまで名も知られない傑出した人物が現れ、時代を動かしていく。
    筆者は、「世は人を生むというが、つくづく[歴史]のふしぎさ、おもしろさをおもわぬわけにはゆかない」
    と言っている。
    なかなかおもしろい。
    西郷隆盛の最後は西南戦争だが、明治政府への不満から不平士族を一手に引き受けて、諸共死んで行った。
    これを最後に内乱を片付けた明治政府は本格的な国家へと成っていく。
    西郷隆盛という傑出した人の、物の考え方が良く分かった。面白かった。

  • 維新の三傑西郷隆盛の伝記小説でボリュームも短いため大変読みやすい。歴史上の人物としては最後の大物感はある。理由としては自身は貧しくても良いし命すらも捨てる事に躊躇ないところ(月照と心中もしている)や囚人であっても慕われるところだろう。個人的には感情を排した非情極まる事もしているし陽明学の考え方かは分からないけど自身の考え方及び信念を最優先していたようにも思われる。
    結果的に仲違いの様になっているが大久保利通、木戸孝允も三傑に相応しい人物だった事は分かる。

  • 2018.1.17 読了
     西郷を中心にした幕末史がコンパクトにまとめられている。今更ながら島津斉彬、阿部正弘が相次いで急死していなければ維新の様相はガラリと変わったものになったに違いないと思う。

  • 鹿児島出身の私であるが、何故かこれまで避けてきた西郷隆盛の本。政治家というより人格のできた『人を愛した人』という存在と感じた。
    最も心に刺さったのは、征韓論の件で西郷隆盛が追放される際、放った言葉。
    『周りの人間は何故白と黒しかないと決めつけるのか?赤や黄や青があるのに。』
    互いの損得感情で議論をして白か黒をハッキリさせる思想でなく、議論を派生させて互いにメリットを見出そうとするような、いわばシナジーを起こそうという気概ある人柄。今の社会でも必要な思想家であると思う。西郷隆盛に今触れて良かった。

  • とてもコンパクトにまとめられた伝奇小説

  • 時間があれば

  • 西郷どんは実際に魅力的な人物だったのだろうと感じさせる筆致。明治維新を西郷の視点で見る小説だ。あまりにスムースに政権交代が行われたかに外国には見えた維新だが、内実は維新の原動力となった薩長土肥の有力者同士の反目、各藩・士族の不満に政府は傾注せざるを得なかった状況がよく判る。政治経済について旧幕府に代わって近代化を推し進めたい明治政府の役人、今でいう国会議員、国家公務員の命懸けの働きが伝わってくる。それにしても西南戦争で西郷を失った重大さが惜しまれる。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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