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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041058466
作品紹介・あらすじ
時代小説作家の広沢の妻には愛人がおり、その彼がダイイングメッセージを残して殺された。また柴田勝家が秀吉に勝っていたら、という広沢の小説は事件にどう絡むのか。十津川が辿り着いた真相は。
感想・レビュー・書評
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2020/10/04 75読了
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◎お市の方がどうなっていたか?から始まる復讐ストーリー
時代小説家・広沢弘太郎は、新たな小説として「もし柴田勝家が戦国時代に秀吉に勝手いたら、妻・お市の方はどうなっていたか」というものを考案し、琵琶湖北側(湖北)へ懇ろであった秘書の木村と取材旅行へ行くこととなった。そんな中、広沢の妻であり画家・富永の若い恋人・山内が殺されたことがわかり、そこに残されたダイイングメッセージが「オイチ」で・・・
冒頭、雑誌「小説時代(エイジ)」の編集者井上の目線で進められるこの小説は、戦国時代に詳しくないものでも比較的わかりやすく物語のきっかけとなるエピソードを解説してくれる。西村氏の面白いところは、史実と言われている部分をどう変えたら現実味を帯び、それを現代の事件とどうリンクさせるか、考えた末このような物語になっていることである。モデルは自分なのか、と思わせるほどだ。
十津川が調べを進める中で壁に突き当たるのは、広沢も富岡もアリバイを持っている中で、いったい誰が殺人を犯したのかということだ。広沢に動機があることが突き止められるか、それは十津川の推理がさえる瞬間でもあった。
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