XY (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058541

作品紹介・あらすじ

専門商社に勤める宗谷聡子は、弁理士の堂島と出会い惹かれるが、彼の隠された秘密を知ってしまう。やがて堂島の海外勤務を告げられ、絶望に沈んだ聡子は許されざる禁断の行為に出ることを決意する――。

感想・レビュー・書評

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  • こちらの作品は“愛”に“執着”する“人間”が描かれておりました。
    「そこまでする!?」と何度ツッコミを入れたくなったことやら(笑)
    『リカ』シリーズ的な感じかと思っておりましたが、全く違う“執着心”が本当印象的でした。
    ラスト数十頁は「はぁん!?」と何度も思いました。
    しかし、終着点は曖昧。
    一体聡子はあの状況で、どのようにくぐり抜け、生活をしていったのか……省略部分が多いのが残念でした。

  • 主人公は宗谷聡子という女性で、感情をあまり表に出さないクールな女性で、人生を惰性で暮らしている。
    ある時同僚で同性愛者である男性、日生に健康診断を勧められ受けることになる聡子。
    卵巣に腫瘍が見つかり、健常な人との差を感じつつ人生に絶望を抱く。そんな時に出会った堂島という同じような雰囲気を醸し出す男性に恋をする。彼との出会いにより聡子の生活は一変し、日々生をつないでいたと言っても過言ではない絵描きもしなくなるほど、堂島に魅了される。そんな堂島はかつての亡き妻の面影を聡子に移して接していたということを聡子は知る。嫉妬と焦りが湧き上がる中堂島は人生をやり直すため誰も知らない土地アメリカへ渡る。聡子は堂島と離れることは考えられず彼の精子を盗み取り、かつての恋人で産婦人科の医師陽一郎に、体外出産を頼むという話。普段クールだった聡子が出会いによって狂ったかのように奔走する姿は不気味でもあり、狂った愛は止められないのかと恐怖を抱いた。そして、陽一郎も狂った愛を聡子に持っていてふと読み返してしまうほど、どんでん返しが味わえた。
    染色体を表すX Y。読む前から予想ができていたが、男女の人生の意味も含まれているとは思わなかった。

  • この作者の文章が合わないのかなぁ。
    なんかストーリーがスッと入ってこなくて、場面が唐突に変わるような違和感を時々感じた。

    主人公とその恋人との関係も現実感がないというか。
    気持ちが伝わってこなかった。

    でもラストの怒涛の展開は面白かった。
    医療、怖いね。

  • 生きることは呼吸をすること。自分にとっては水泳がそれにあたるかな。
    結末として、実は彼の子供ではなかったの方が印象に残った気がする。それか子供がアメリカに行って父親を探すところまで描くか。玉城さんは何のためにピックアップされた人物なのか、白河さんはその後どうなったのか、京都での生活はどうなったのか、謎がふんだんにある、誰の行く末もわからない不思議なエンディング。それぞれの人生を回収してほしかった。

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著者プロフィール

1982年愛知県生まれ。2011年に『をとめ模様、スパイ日和』で第12回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。著作に『ボナペティ!臆病なシェフと運命のボルシチ』(文藝春秋)、『XY』(角川文庫)、『カーネーション』(KADOKAWA)、『片桐酒店の副業』(角川文庫)、『その名もエスペランサ』(新潮社)など。

「2021年 『帝都上野のトリックスタア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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