スタープレイヤー (角川文庫)

著者 : 恒川光太郎
  • KADOKAWA (2017年8月25日発売)
3.96
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  • 本棚登録 :93
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058640

作品紹介

路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。そこで10の願いが叶えられる
「スタープレイヤー」に選ばれ、使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。
折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていく。
光と闇、生と死、善と悪、美と醜――無敵の力を手に、比類なき冒険が幕を開ける!
鬼才・恒川光太郎がRPG的興奮と神話世界を融合させ、異世界ファンタジーの地図を塗り替える、未曾有の創世記!

スタープレイヤー (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なかなか面白かった。具体的であれば願い事を叶えられる10個のスターが突然手に入って、自分ならどれだけのことができるだろうとか、色々と考えるのが楽しい。
    ファンタジーが主要でない作家だというのが驚きとともに、他の作品をあまり読めないのが残念。
    180204

  • 恒川さんの作品は「夜市」を読んだだけだったが、その強烈なインパクト故、2冊目のこの本の読み方を間違えた。主人公の夕月の悲惨な過去も原因の一つ。
    ある日の日常から、籤引きで引き当てた1等により異次元の世界で10の願い事をかなえられるという幸運に巡り会え、SFかと思わせておいて何故か王国ファンタジー路線。多少、ん?と思いながらも(ホラー作家の)恒川作品ということで、調子に乗っているととんでもないしっぺ返しにあうぞ、と警戒しすぎて、あんまり楽しめなかった…・
    この作品は、恒川さんのイメージを取っ払って楽しく読むほうが良かったのか。次巻はそうしようっと。

  • ファンタジーは何でもあり。SFのようにその現象の論理的な説明はいらず、壮大な夢物語をみせてくれる。そういった意味では最高のファンタジーだった。
    10の願いが叶うなら、自分ならなにを願うかなと夢想しながら読了。

  • 異世界に連れて行かれて『どんな願いも10個叶えてくれる』と言われる主人公の斉藤夕月!!

    行きたいような行きたくないような世界!?




    恒川さんの長編作品を初めて読みました。

    過去の作品に出て来たような嫌な奴とかプロットが似てたりと何故か勝手に微笑ましく思えました。


    前半は人間の行動原理というか哲学を感じさせられるような雰囲気で進み『普通そうするよな!』という願いを叶えてもらってました。後半はファンタジーで未知なる世界が少しずつ顔を出してくるあたりに、だいぶワクワクさせられました!


    続編も直ぐに読みたい!!!

  • 「 一等!スタァープレイヤァアア!!!」
    怪しげな路上のクジで一等を当てたユヅキは次の瞬間
    まったく見覚えのない草原にいた

    与えられた、殆ど万能の力「スター」
    10の星を用いて繰り広げられる
    新天地での冒険がいま、始まる



    *****



    また読んだことないタイプの、
    ファンタジー?SF?
    とにかく10の願いが叶えられるプレイヤーとなって
    大地を切り拓いていく、そんな話
    陣取りゲームみたいなものなのかなぁ
    1つの願いにたくさんのオプションをつけることで、もはや1どころではない作り替えが可能なところがすごいなと笑

    しかしもちろん、画面を見てるだけのゲームではなく
    自分自身が生きる環境を相手にしているので
    危険がないなんてことはまったくなく、
    ただのほほんと楽しんでいればいいのとは違う緊張感があってよかった

    千差万別ある星の使い方に
    ワクワクする

  • 恒川さんこんなのも書くのかとびっくりしました。
    最初は恒川さんらしい作風で、人の欲望や世の中の理不尽さを描いていて、いつもの不気味な感じにドキドキしましたが、読み進むうちにそれらがなくなり気付いたらすっかりファンタジーの世界になっていました。
    最後まで何か嫌なことが起こるのでは?という疑念があったけど、すっきりした終わりに読後感も良かったです。
    いつもの印象で期待すると、あまりにファンタジー過ぎてがっかりする方もいるかもしれません。
    とはいっても一癖も二癖もあるので、そこはさすが恒川さんと思いました。

  • 願いが叶えられる!
    ドラゴンボールもないのに(笑)
    しかも10個も!
    何もない緑の大地にポツンとひとり
    さあどうする?
    そりゃあそうするよねぇ とか
    うん、自分でもそうするわ とか
    ズンズン引き込まれていった。
    やがて他にも同じような人間が居ることがわかり
    自分が神にも悪魔にもなれることを自覚することになる。

    読み始めたら止まらなくなった!
    続編も読む!

  • 異世界にとばされ、何でも10個の願いを叶えられる力を手に入れた主人公が、現地の争いに巻き込まれる話・・・と一言で紹介してしまえば、
    なんだか小説家志望の素人が好んで描きそうな物語に聞こえるが、
    実際はそんなことなく、しっかりと主人公の成長を描いた物語になっている。

    特筆すべきは、10個の願いの叶え方。
    一般的にこうした題材では、叶う願いの条件を厳しくし、限定的な条件を上手く組み合わせて、敵を倒してハッピーエンド、というコン・ゲーム的な描かれ方が多い。
    なぜなら、条件を緩くし、なんでもありになってしまうと読者が冷めてしまいやすいからだ。

    対してこの『スタープレイヤー』では、願いの条件がほとんどない。
    複数の願いも無理やり一つの願いとして叶えることもできるというところで、なんでもありの興ざめ小説スレスレのところを攻めている。
    一応は(おそらく)現地で一生過ごすという前提の中に10個という制限をつけることで、なんでもあり感を抑えているのだが、ボードさえあれば不可能はほぼないというのは大変危険な条件だ。

    しかし、そうした主人公の望んだことが何でも叶う条件下であるからこそ、1つ1つの願いの中に主人公の思いが嫌というほど、あふれ出している。
    最初の願いと最後の願いを比べるだけでも、主人公の心情の変化は簡単に分かるはずだ。
    そうした主人公の変化を楽しみつつ、異世界のファンタジーを楽しむにはもってこいの作品だろう。

  • ある日突然道端でクジを引かされ1等景品“スタープレイヤー”として見知らぬ星(?)へ連れ去られてしまった34歳女性の夕月。フルムメアという神だか創造主だかわからないものが支配するその世界で、スタープレイヤーである彼女は、願いをなんでも10個叶えて貰えるという。

    頁の上方に★が10個あって、作中で夕月が願いを叶えるたびに一つづつ減っていくのがわかりやすく、RPG感覚ではあるけれど、もし自分が彼女の立場になったらどんな願い事をするか?というのを考えるのはやっぱりベタに楽しい。スタープレイヤーには案内役(ホログラムの人工知能だけど)がつくので、つまらない願い事でスターを無駄にすることもほぼなく、上手く願えばひとつの願いに複数の願望を含められるというのはなかなか良いシステムですね。この手のシチュエーションものは細かいルール付がキモだと思うので、その点はほぼ完ぺきだったんじゃないでしょうか。

    やがて別のスタープレイヤーマキオと出会うことで、この世界に対立する二つの国が存在すること、さらに複数のスタープレイヤーおよび彼らの願いで連れてこられた外来民が大勢いることを知った夕月は、外の世界へ出ていくと同時に必然的に争いの中に巻き込まれていく。

    正直、対立する二つの国の戦争云々、逃亡する幼い王子、そこに異世界からきた特殊能力者であるところの主人公が介入し解決するという展開自体は、ベタにありがちなヒロイックファンタジー的で、さほど面白いと思わなかった。願い事で死んだ人間を生き返らせるというのも、ドラゴンボール的だけれどほんとはやっちゃいけないような。ドラゴンボールの8つの玉の元ネタである八犬伝でも、終盤で犬士のひとり親兵衛が霊薬とやらで戦闘で死んだ人間をみんな生き返らせてしまい大変つまらなくなったし。

    それよりも、さまざまなタイプのスタープレイヤーが願い事の星(スター)をどう使うか、という点がとても興味深かった。すでに20年この世界にいるマキオはかなり上手いやり方で願い事を使っており、夕月にも的確なアドバイスをくれる賢者のようなプレイヤーだけど、彼が出会った別のプレイヤーは、豪邸に美少女アイドルを集めてハーレムを作ろうとした人物もいたり、あるいは数人が集まり国家を作ったり、逆に対立したりすることもあるらしい。

    そして外来民でありながら自力でのし上がったラナログが語る、彼を呼び寄せたシンシアという女性プレイヤー。彼女は大変身勝手たけど、美少女ハーレムの男といい、あくまで個人の欲望のために願い事を使い切ってしまうのは愚かだけど潔くもある。欲望の種類は千差万別。最後の最後で姿を現す幽(ユウ)というプレイヤーの願い事は、そんな方法もあったのか!と目からウロコの発想で、使い方次第でこうも利口に生きられるのかと感心。

    続編もすでに出ているし、とりあえず斉藤夕月の場合はこういう使い方をしました、というひとつのパターンが1作目のこの作品なのだと思う。スタープレイヤーという設定さえあれば、これいくらでも続編書けそう。今回はホラー文庫でもないし、私の好きだと思う恒川光太郎らしさは薄かったけど(ホラー文庫自体は読者の間口を狭めるからやめてほしかったけど作風は変えてほしくなかった)、これはこれで実験的な面白さがあるので、とりあえず続きも楽しみ。

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