怪談専門誌 幽 VOL.27 (カドカワムック 700)

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本棚登録 : 25
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058725

作品紹介・あらすじ

いっけん「怪談」よりも「伝奇小説」「時代小説」「ミステリー」のイメージが強烈な山田風太郎。だがその名も『怪談部屋』『二十世紀怪談』をはじめとする初期の奇想小説のみならず、その根幹には常に「怪異なるもの」に対する偏愛が、如実に窺われる。〈忍法帖〉シリーズの忍者たちが繰りだす超絶忍法の数々に脈打つ怪奇幻妖趣味しかり。有名な三遊亭圓朝の怪談復権アジテーション(『真景累ヶ淵』冒頭)から物語が語りだされるゴースト伝奇ストーリー『幻燈辻馬車』しかり。あるいは、死神さながら膨大な「死」の瞬間を凝視した特異なノンフィクション『人間臨終図巻』またしかり。その奔放多彩な文業はまさしく「二十世紀の怪談」を志向していたとも云えるのではないだろうか。今回の特集では、怪談専門誌としての独自のスタンスから、今も多くの作家たちの畏敬をあつめる現代エンターテインメントの巨人「山風(ヤマフウ)」の一面に、斬新なアプローチを試みる。巻頭では水木しげる氏が漫画化し、さらに京極夏彦氏が彩色を施した「大いなる幻術」をカラー12Pで掲載!貴重なインタビュー再録や、筒井康隆氏、貴志祐介氏が語る風太郎作品の魅力、菊地秀行氏、仁木英之氏、花房観音氏による短編競作など計約60P。

感想・レビュー・書評

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  • 日本初怪談専門誌であるが、このVol.27は怪談好きでなくても、読んで欲しい文章がある。

    京極夏彦による、「終談」がそれである。
    これは「幽」文学賞と怪談実話コンテスト最後の授賞式で、京極氏が行ったスピーチの全文だ。

    「本が売れない」状況における、出版社、編集者、書き手それぞれの問題を厳しく、的確に指摘している。これは、怪談以外の分野でも、そっくり当てはまると思う。
    このままでは文芸それ自体が無くなってしまうという、危機感をにじませる。

    私は本好きとして、購入することが一番の支持だと思っている。本はあってほしい。
    私の支持が、紙だろうが電書だろうが、好きな作品にきちんと届いているのか。本が維持できるのか。そのシステムを見続けるのは、私にとって必要なことだと思うのだ。

  • 「里山奇談」の対談と、cocoさんの「身近な生き物と祖母の話」が読みたくて。それとは関係なく予想外に良かったのは京極夏彦のスピーチ。ブックレビューでは杉江松恋さんが良かった。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビューする。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。著書に『幽談』『冥談』『眩談』『鬼談』『ルー=ガルー』『南極(人)』『厭な小説』『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』 『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『遠野物語拾遺retold』 ほか。

「2020年 『文庫版 厭な小説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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