虚像のアラベスク

  • KADOKAWA (2018年3月2日発売)
3.08
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784041058732

作品紹介・あらすじ

創立十五周年記念公演を目前とした名門バレエ団に
公演中止を要求する脅迫状が届いた。
海外の要人が鑑賞を予定していることが判明し、
海埜警部補が専従班として警護に当たることに。
芸術知識と推理力で数々の事件を解決してきた
甥の“芸術探偵”神泉寺瞬一郎と通し稽古に向かうと、
演目の『ドン・キホーテ』は、ダンサーが舞台に刺さったナイフの間をすり抜けたり、
空中高く放り投げられたり、狂言自殺でナイフを胸に突き刺したりと危険なシーンばかり。
万全の警備態勢を整えるが、海埜はある絶対的な不安の原因に気づいてしまった――。
緊張の中、幕があがる!

舞台で渦巻く疑念があなたを幻惑する、書き下ろしミステリ中篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 「言葉を一切使わずに、全ての可動部分を使って必死に何かを表現しようとする姿には、それ自体感動を覚えませんか?」
    僕がバレエを観ることが好きな理由が、この作中のセリフに表現されている。

    深水さんがバレエ好きなのかは定かでないが、一編目「ドンキホーテ・アラベスク」はバレエへの愛に満ち溢れていて素晴らしい。

    しかし、二編目は…

    微かな違和感が、徐々に大きくなっていき、種明かしで脱力感だけが残る。

    なんだかとんでもない中編集です。
    読む人を選ぶかもしれないけど、僕は好き。

  • 2編目のオチは…これは反則でしょう(笑)
    エピローグも含めて。
    読了後すべてを知った上で読み返してしまった。

  • まんまと騙された!1話目はバレエの話でかなりカタカタが多くてバレエ蘊蓄が満載。苦手なカタカタも用語もバレエ好きなので面白く読めた。そして2話目はまさに「虚像」。1話目の話全部が伏線だったのにはビックリ。確かに怪しい言葉遣い、名前などにおかしいとは思ったけどそうくるのか。そして最後のオチにはまたまたビックリしたし思わず笑ってしまった。知らなかったけど、そうなの?1話目だけでも充分面白かったけど、最後まで読んでみるとこの本の見え方がずいぶんと変わってくる。ここまでやってくれると逆にスッキリだし面白かった。

  • 深水さん待望の新作は書き下ろしで、中編2話におまけのエピローグが付いた海埜警部補シリーズ。
    第1話のバレエ団の事件には芸術探偵・瞬一郎が出てきて、海埜との間でバレエの蘊蓄や用語の説明が延々と語られる。謎解きミステリではあるが、探偵役としての瞬一郎の活躍は少なく、何とも物足りなかった。
    それで、今回は凡作なのじゃないかと思ったら、第2話で見事にヤラレた。くそ~。その為の第1話だったのか~!
    ホントにこの著者は油断がならない。怒り出す人がいるかもしれないけど私は好きです。

  • 中編2編。

    第一話「ドンキホーテ・アラベスク」
    創立十五周年記念公演を目前とした名門バレエ団に公演中止を要求する脅迫状が届いた。
    バレエ用語の解説とウンチクが満載で、肝心の真相は肩透かし。と思いきや・・・。

    第二話「グラン・パ・ド・ドゥ」
    すっかり騙された。
    バカミスすぎて清々しい。面白かった。
    第一話がこんな風に第二話に活かされるのか。
    タイトルもぴったり。
    (図書館)

  • ブクログの献本に当選して、いただきました!初めてでうれしいです。
    芸術家探偵のシリーズはもとより、この方の作品は初めて読みました。
    もっといかにもミステリーなのかと思っていたら、推理はほとんどなくて、特に1話目のドン・キホーテではずっとバレエの用語や解説が続くので正直飽きてきてました。
    でも、2話はやられました。1話より多少推理めいたものはありましたが、それよりも…。笑えるやらなんやら。世界が余りにかけ離れているものが、言葉一つで…わからないものです。だまされました。

  • 芸術探偵シリーズ第七作。 バレエをテーマに据えた中編二作品が展開されているはずだったのだが、どうやら踊っていたのはこっちだったみたい!

    ジャック・シラク 元フランス大統領 愛犬の名前に「スモウ」と付ける程の大相撲ファン。 wikipedeaより(本編130Pに出てくる実在人物)

    読めば読むほど、あらゆる記述が大相撲に寄ってることに気付かされる。 読者、そして海埜にバレエの知識を入れるためにあるといって良い第一章、とてつもない労力をもって張られた大掛かりな仕掛けは最後に大爆発。 一切のシリアスを排除してギャグテイクで終わるのも深水作品の好きなところ。  メン・イン・ブラックたちの厳正なる協議の結果、深水黎一郎氏の完全勝利で今場所を終えます。

  • もう疲れた

  • 「ドンキホーテアラベスク」は、かなりのバレエ知識が得られる。心温まるミステリ。
    そしてその流れからの「グラン・パ・ド・ドゥ」は反則でしょ(笑)ここまでのバカミスはかなりツボだけど。

  • 2019.2.12

  • ミステリ。中編が2作。芸術探偵シリーズ。
    深水黎一郎さんは、変なミステリを書く人、というイメージで読み始める。
    1作目「ドンキホーテ・アラベスク」がとても良い話で感動してからの…。
    2作目「グラン・パ・ド・ドゥ」は問題作だった。
    この構成は上手いと思う。
    変なミステリを書く人、というイメージは合ってたようです…。

  • 中編が2つだが,表紙にドガの「踊りの花形」があったので,バレエの話かな予想したが,その通り冒頭からバレエ用語の連発でやや戸惑ったが,最初の「ドンキホーテ・アラベスク」はバレエ団の脅迫事件で内容は穏やかなものだった.が,「グラン・パ・ド・ドゥ」では突然に相撲の話に展開する.確かにバレエと相撲は似ていることろもあり,捜査にあたる館林刑事が用語の対応を述べるp215-216の部分は面白かった.

  • 好みが分かれるでしょうが、私はあまりおもしろいとは思えませんでした。2編から成ってますが、後編の方がメインなのでしょう。バカミスです。

  • バレエの専門用語が多すぎます。わかりづらい所がありすぎ~~

  • 【収録作品】ドンキホーテ・アラベスク/グラン・パ・ド・ドゥ/史上最低のホワイダニット

  • 2018.5.31読了。
    2作目はよくできてると思います!

  • 2作の中編。1編目はバレエの勉強にはなるが平凡。2編目はケッ作。

  • 中編2作。芸術探偵シリーズだけあって、今回はバレエ用語の羅列。最初の事件そのものは大したことなくて煙に巻かれたまま次の事件へ。あまりにキャラが変わってなんだこりゃと飛ばし読みしてたら、急ブレーキがかかる発言が飛び出て慌てて最初から読み直した。最初の事件は前フリか…。こんなバカミスだったとは表紙から想像できなかった。やれやれ。

  • 芸術探偵登場!
    2話からなるのだが、、、最初から、バレエの蘊蓄が凄い!
    どうして、こんなに詳しいのだろうと、思えるほど、カタカナが、随時に出て来る。
    名門バレエ団の公演亜中止の脅迫状は、、、、姉想いの妹。
    そして、2話も、バレエのみならず、相撲の蘊蓄が、一杯。
    最後のオチの所では、笑ってしまった。
    回しは、洗わない物とは、、、、、
    少し、蘊蓄だらけ、知らない事柄一杯で、読み終えるのに時間が掛かってしまった。(笑)
    エドガー・ドガの「エトワール」の表紙で、余計に、蘊蓄の深さを実感。

  •  深水黎一郎さんの新刊は、海埜刑事と甥の瞬一郎のコンビが活躍する、芸術探偵シリーズ最新作である。当然見逃せない。今回のテーマはバレエ。『トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ』ではオペラをテーマにしていたが、馴染みがない点はまったく同じ。だからこそ、期待も高まる。

     まずは正統的な「ドンキホーテ・アラベスク」。創立15周年記念公演を目前にした名門バレエ団に、公演を中止せよとの脅迫状が届く。しかも、初日には欧州委員会委員長の来場が予定されていた。捜査と警護に駆り出された海埜と、ちゃっかり付いてくる瞬一郎。

     フランス語が飛び交う稽古場の様子は、軽いジャブ。瞬一郎の解説で、何とかポーズは想像できる。原作も読んだことがない『ドンキホーテ』の舞台演出は、素人なりに興味深い。このシリーズらしい、精通した作者ならではの設定は、相変わらずで嬉しくなる。どこか見落としはないのか? 公演当日は着々と迫る。不安が拭えないまま迎えた、公演初日。

     その初日の途中で、一大事発生! 一大事すぎてもちろん書けない。予想を大幅に裏切る展開と結末に、やられた。舞台以上にドラマチックではないか。実際にこんなことがあったら、警察幹部の首が飛びまくるだろうが、そこは大目に見よう。バレエはわからなくても、バレエの世界に生き、切磋琢磨する人間たちの、情熱とエネルギーは、十分に伝わるだろう。

     続いて「グラン・パ・ド・ドゥ」。別のバレエ団の話のようである。ところが…予想外の連続だった「ドンキホーテ・アラベスク」だが、こちらの方がより予想外、いや、はるかに予想外なのだった。種明かしの瞬間、ポカンとさせられました。先の話が、ドラマチックであっただけに…。

     邪道というわけではない。いわゆるあの手法であり、前例はいくらでもある。でもね…専門知識を駆使して、ここまでやるか? ある意味、この手法の極致かもしれない。深水さんはあちらにも精通されているようだが、あっちとこっちを結びつける発想の源は何だろう。それにしても、この2編を1冊にまとめて刊行したのは、深水さんも出版社も懐が深い。

     「史上最低のホワイダニット」と題されたエピローグ。そのことは自分も知っていたが、そもそもなぜこの世界に入ったのだ? やはり、メフィスト賞出身だけに、一筋縄ではいかない作家である。

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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