モリアーティ (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058749

作品紹介・あらすじ

ホームズとモリアーティが滝壺に姿を消した。現場を訪れたアメリカの探偵とスコットランドヤードの刑事は、モリアーティに接触しようとしていたアメリカ裏社会の首領を共に追うことに――。衝撃的ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんが本棚登録されているのを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    本作は、コナン・ドイル財団が初めて公認したホームズ譚の続編『シャーロック・ホームズ 絹の家』に続く第二弾で作者は同じくアンソニー・ホロヴィッツですが、前作の続きではありません。

    『モリアーティ』というタイトルは、シャーロック・ホームズの宿敵の名前で有名だそうですが、私は今回初めて知りました。
    「最後の事件」でホームズとモリアーティが滝壺に転落した(と思われる)直後、アメリカのピーンカートン探偵社のフレデリック・チェイスと、ロンドンから同じくやってきた、アセルニー・ジョーンズ警部が顔を合わせ、ジョーンズがホームズ役を、チェイスがワトスン役として物語は進んでいきます。
    ジョーンズ警部は熱心なホームズの信者です。
    そして、二人が追っていた少年の出入りしていた家から、家人全員の惨殺死体が発見されます。
    一体、誰が、何のために。
    その後も爆発事件や、ジョーンズ警部の娘の誘拐事件が起こりますが真相は最後の最後まで全くわかりません。

    犯人の残忍さと狡猾さはまれにみるものだと思いました。見事に騙されました。
    再読必至の意味も、最後にすべてわかります。

    番外編で、ジョーンズ警部が登場する『三つのヴィクトリア女王象』の短編付きです。

  • 絹の家からの第2弾の作品というこです。

    そもそも、なんで題名が「モリアーティ」なのか。モリアーティもホームズも冒頭で死んでるし登場しないではないか。なんて思いながら読んでましたが。。。
    (最後にホームズの短編的なものがありました)
    推理小説は最後の方に種明かしがありますが。なるほどそういうことか。
    でもジョーンズ警部は可哀そうだよ。

  • アンソニー・ホロヴィッツが手掛けるホームズ譚、第2弾。
    …といっても、本作の主役はホームズではありません。
    ホームズがライヘンバッハの滝で、宿敵・モリアーティ教授と対決し、2人とも消息がわからなくなった5日後、本書の探偵役となるバディが出会います。
    1人はピンカートン探偵社の調査員・チェイス。
    もう1人はスコットランド・ヤードの警部・ジョーンズ。
    彼らは共にアメリカの裏社会を牛耳る男を追うことになりますが…

    終盤の展開、まんまとやられすぎて、悔しいを通り越して気持ちいいくらいでした。
    詰めが甘いのでは…とか、それは危ないのでは…とか、思ってしまう場面が時々あってひやひやしていたのですが、「そういうことだったか!」と腑に落ちました。

    本書に登場するジョーンズ警部は、本家の『四つの署名』でホームズと事件の捜査をしていた警察官と同一人物、というファンには嬉しい演出もあり。
    彼だけでなく、スコットランド・ヤードでの会議シーンでは、コナン・ドイルのホームズ作品に登場した警察の面々が顔を揃えていて、「この人、本家ではどんな風に描かれていたかな?」と再読欲が搔き立てられました。

  • まんまとやられましたわ。

    ホームズとモリアーティによるライヘンバッハの滝での死闘。滝壺へ落ち、両者死亡という形でホームズとモリアーティの物語はそれで終わったかのように見えていたが...

    実はモリアーティ、ライヘンバッハでの死闘が繰り広げられる前にアメリカの犯罪王、クラレンス・デヴァルーと密かに連絡を取り、協力して勢力を拡げようと目論んでいたらしい。デヴァルーはモリアーティ亡き後これ幸いとばかりにイギリスでも自分の勢力を好き放題拡げ始める。そしてデヴァルー本人は全く表舞台に現れない...。このまま野放しにはできないとデヴァルーを追ってピンカートン探偵社の調査員、フレデリック・チェイスはイギリスへ赴き、スコットランド・ヤードの警部、アセルニー・ジョーンズと協力関係になる。

    ジョーンズはホームズに心酔しており、ホームズが出版した論文、記事などを片っ端から熟読しており、第二のホームズにならんとしている。チェイスにもホームズ式の推理を展開させチェイスを驚愕させる。

    少ない手がかりを頼りに徐々にデヴァルーに肉薄していく二人、しかし相手の反撃も厳しく調査している周りの人間、スコットランド・ヤードの警察官にも死傷者が出てしまう。自らの命を危険にさらしながら二人はデヴァルーを捕まえることができるのか?

    ホームズほどスマートではないが第二のホームズにならんとするジョーンズの活躍や、表舞台に出てこない不気味な犯罪王などの描写がよかった。デヴァルー唯一の弱点だと噂されるとある病気...。この設定も面白かった。著者がライヘンバッハでの考察を展開しうまいこと話が繋がるようにしたなぁ。とただただ感心。

  • アニメ『憂国のモリアーティ』を見て、『シャーロックホームズの冒険』を読んで、『モリアーティ』を読んだ。

    話が頭に入ってきにくい場面がいくつかあった。
    反対に面白い場面もいくつかあった。

    この本では最初にシャーロック・ホームズとモリアーティが死んだところから話が始まる。2人は出てこないからタイトルと何も関係なくて読むのをやめようかと何回か思った。けど最後の最後で。。『え、』と言ってしまうほどに

    読むのやめなくてよかった。

  • なんてこったー。あのページをポテチ食べながら読むんじゃなかったわ。指をくわえてしまった。やっぱ のり塩よねー。

  • おもしろい。
    そして、してやられた感。

    あくまでコナン・ドイル調と思って読んでいたら、きちんとアンソニー・ホロヴィッツだった。

  • 『シャーロック・ホームズ 絹の家』に次ぐ
    ホロヴィッツ氏のホームズ作品です。

    語り手はフレデリック・チェイスという
    アメリカから来た調査員なので、
    ホームズが活躍する前作とは少し違う
    角度からのホームズ作品となっています。

    かの有名なライヘンバッハ事件から
    物語はスタートします。

    『モリアーティ』というタイトルから、
    ライヘンバッハでのホームズと
    モリアーティが描かれているのかと
    想像していましたが、違いました。

    ですが、なるほど。
    大胆なタイトルでした。

    読み直し必至な本です。
    全て理解した上で読み直したい。


    付属の短編「三つのヴィクトリア女王像」は
    ワトスンが書いたホームズの物語です。
    短編ですが本格ミステリー。

    本編でモリアーティに無慈悲に殺されてしまった
    ジョーンズ警部が出てくるので、
    少し悲しい気持ちにもなりました。

    さすがホロヴィッツ氏。
    どちらとも面白かった。

  • 終盤で意外な展開に驚いた。
    そういうことだったのかと思ってしまい、騙されてしまった。
    面白かったし、「絹の家」の前にモリアーティの方を先に読んだので、シャーロック・ホームズの小説も読んでみようと思う。

  • ホロヴィッツは、初めて。スピード、バランス、密度、流れのスムーズさ、大きな構造と細部の相互関係、どれも揃っているという感想を持った。ホームズを読み返さなくてはなるまい。

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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