銀翼のアルチザン 中島飛行機技師長・小山悌物語

  • KADOKAWA (2017年7月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041059272

作品紹介・あらすじ

小山悌(こやま やすし)
1902年生まれ。東北帝国大学機械科卒。東北帝国大理学部助手、帝国陸軍電信部隊を経て、1926年に中島飛行機入社。エース技師となり、九七式戦闘機(キ27)、一式戦闘機「隼」(キ43)、二式戦闘機「鍾馗」(キ44)、四式戦闘機「疾風」(キ84)などの名機の設計を手掛けた。戦後、中島飛行機の図面を押収したアメリカ軍は、ほとんどの図面に「Yasushi Koyama」のサインがあることに驚き、彼の名は米国航空界でレジェンドとなった。しかし小山はメディアに登場することを嫌い、回顧録も残さなかったため、その素顔は謎に包まれている。

プロローグ 空を切り裂く悪魔の機体
第一章 東北からやって来た男 
第二章 空飛ぶジャンヌ・ダルク、松本キク 
第三章 変人、糸川英夫の入社 
第四章 中島知久平の野望
第五章 隼の翼を手に入れろ 
第六章 日米開戦 
第七賞 アメリカ本土を直撃せよ 
第八章 残された戦い 
第九章 地上を選んだイカロスたち
エピローグ 富嶽、飛ぶ 

感想・レビュー・書評

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  • もうすぐ読了いたします・・・
    すごく面白いお話ですよ!
    読んで良かったな的な。

  • 日本の技術史の一場面、航空機産業において日本が最も輝いていた時期に、その先頭を走っていた中島飛行機の物語。本書の主人公は、隼を設計した技師、小山氏。技術に没頭する姿は現代のベンチャーを思わせる。搭乗者の安全を重視した設計に、氏の気概を感じる。中島飛行機はSUBARUの母体となった会社。先日の安全性を軽視したことによるリコールを見たら、小山技師はどう思うだろうか。
    個人的には、この中島飛行機を創業した中島知久平氏の、経営者としての器の大きさに心打たれる。航空機の必要性を悟り海軍を辞め単身で中島飛行機を創業、その後に空軍の必要性を感じて国会議員となり活動。スケール大きすぎ。。。

  • 小山氏の飛行機に携わるキッカケから戦後までの歩んだ道を記載した一冊。 
    個人的には飛行機を設計する上での安全という哲学はあらゆるモノづくりに通じるものがあるのではないかも感じる。また、もし彼が戦後の航空機に携わっていたらどうなっていたのか?また、当時の日本の航空機開発の現状を通して見えてくる戦争や技術の立ち位置が印象的。
    さらに、同じ敗戦国のドイツと日本ではなぜここまで航空機開発に差がでてしまったくるのか正直、悔しい気持ちにもなった。

  • 第二次大戦中の戦闘機と言えば、三菱の零戦が圧倒的な存在感で、隼やそれを生産した中島飛行機の影は薄い。
    しかし中島飛行機がかくも巨大で、大戦中に製造した戦闘機が三菱よりも多く、三菱と川重を足したものに匹敵するとは、驚いた。
    本書の奥書に、綿密な取材を基にしたノンフィクション・ノベルとある。ノンフィクションでも物語的な要素は避けがたいが、本書は物語の要素を強く感じ、どこまでが事実でどこがフィクションなのか、中途半端な印象が残った。

  • 中島飛行機で機体の設計をしていた技師 小山悌(やすし)の話。三菱の堀越二郎は零戦で有名だが、小山悌は取り沙汰されるのを拒んでいたそうで、同等以上の功績ながらあまり知られていない。

    後輩に後にロケット工学で有名になる糸川英夫が入社し、偏屈だが哲学を持っていて右腕となる。

    設計した機体としては「九七式戦闘機」で名を成し、「隼」が代表的で、最後はエンジン6基搭載の太平洋横断大型爆撃機の「富嶽」(およびその後の旅客利用も視野に入れていた)を設計したが実現まではいけなかった。

    かなり面白かった。特に糸川秀夫が登場した以降位から熱くなる。将来の設計には将来のパイロットの飛行学校生に聞くといった現場主義で何が必要とされるかを考えていく。

    「中島飛行機」にピンとくる方にはお薦め。

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著者プロフィール

1980年、群馬県太田市生まれ。群馬県在住。第11回「講談社Birth」小説部門受賞。『進駐軍がいた少年時代』(講談社)でデビュー。

「2017年 『銀翼のアルチザン 中島飛行機技師長・小山悌物語 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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