イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 63
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041059289

作品紹介・あらすじ

集中しなくてはいけない局面で、身体が震えたり、固まったり。
イップスの原因は科学的に解明されていない。
アスリートだけでなく、明日のあなたにも起こりうる病である。
イップスを克服した5人のアスリートと、それを支えた指導者、医師らに取材。
知られざる魔病の実態に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • イップス、初めて聞いた言葉かもしれない。1930年前後にアメリカで活躍したプロゴルファーが自らの症状をこう名付けたのが始まりだそうだ。パットが急に入らなくなる、野球でとんでもない暴投になる、器械体操のスタートも切れなくなる、など。心理的な原因で発症すると言われているがはっきりしたことはわかっておらず、治療法も不明。本書では野球とゴルフのスター選手たちが罹患し、周囲の協力もあって克服できた事例を取材している。

    発症する人はだいたい真面目で優しいという共通点があるようだが、それが原因の全てでもない。克服できないまま引退を余儀なくされた選手もいる。ふとしたきっかけ(精神的なプレッシャーが絡む)で急に発症したり、プロでなくても子供の頃からかかる場合もあり、またスポーツ以外でもこれに類する症状はありそうだ。

    治し方も千差万別。しかし精神的な重圧からどう抜け出せられるか、周囲の理解や協力が必要なのは確かなようだ。

  • 興味深い話でした。
    ただ、これをアスリートが読んだら、
    逆にイップスになりそう。
    すでになっている人は、参考になるでしょうね。
    私は関係なかったけど笑
    あと、
    西暦と和暦が混在しているのは読みにくい。
    それは気になった。

  • 素人目からも何でもないような動きが突然できなくなる、イップス。言葉はゴルフから始まったようだが、野球・テニスなどのスポーツだけでなく、音楽家や作家にまで症状があるという。
    もっぱら精神的なものかと思っていたが、動きに無理があったり、長年にわたり繊細な動作を繰り返し過ぎたことに要因があったりと、要因は複層的だという。人の心技体とは、なんと複雑なことか。
    それにしても、日ハムの森本選手のように比類ない身体能力のある選手が送球に苦しみ、それを克服してはないかもしれないが、並走しながら乗り越えていったとは。この病の恐ろしさ、立ち向かう選手たちに改めて感銘した。

  • 大変面白かった。イップスという言葉や症状は知っていたがこのように具体的な例示と考察がなされていると本当に勉強になった。

  • 新潮20180308掲載

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著者プロフィール

澤宮優(さわみや・ゆう) ノンフィクション作家。1964年、熊本県生まれ。青山学院大学文学部卒業、早稲田大学第二文学部卒業。2003年に『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。主な著書に、『バッティングピッチャー』、『炭鉱町に咲いた原貢野球』、『昭和十八年 幻の箱根駅伝』(以上、集英社文庫)、『世紀の落球』(中公新書ラクレ)、『イップス』(KADOKAWA)、『戦国廃城紀行』(河出文庫)、『暴れ川と生きる』(忘羊社)、『集団就職』(弦書房)など多数。

「2023年 『「二十四の瞳」からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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