恋虫 (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2017年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041059333

作品紹介・あらすじ

『恋』を知っていますか? 正式名称は「感情性免疫不全症」。ウイルス性の病で、感染すると、驚くほど人が変わってしまい、自我がなくなってしまう事から、『恋虫』と呼ばれ、恐れられている。この病に感染すると、身体のどこかに特徴的なピンク色の痣が現れ、他者の感染を防ぐため、駆除される運命にある――。
四ノ宮美季は、念願の『恋虫駆除隊』に入隊した。治療薬の存在しない『恋虫』に感染した人を駆除する部隊だ。上官になったのは冬野花火というこの世界の救世主。入隊して初の出動で、四ノ宮は対象者を目の前にして駆除できなかった。今まで恐れていた『恋』という病が、本当に悪いものなのか疑問を抱いてしまったからだ。叱咤されるのを覚悟で連れられて来られた冬野の部屋で、四ノ宮は彼の秘密を知ることになり……。
『恋』に堕ちる切なさと、脆い感情を彩り豊かに描いた、泣けるラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 恋が病気とみなされてしまう世の中。恋した者はピンクの痣ができ、周囲にバレれば駆除されてしまう。そんな世界で恋をしてしまった人たちの物語。

    主人公の花火くんと周囲の人間の視点で描かれる儚い恋の物語が身に染みた。ハッピーエンドでない物語は好みではないけれど、この本は後味がよかった。

  • 恋が病として扱われる世界の話。恋愛や、恋愛結婚がなく、『恋』をした人間は感染を防ぐため駆除される。
    禁じられた『恋』に、それでもなすすべなく翻弄される男女の姿が、連作短篇の形で描かれています。

    個人的に一番好きだった話は、結婚のマッチング相手を愛してしまった青年の話。結婚相手で、愛おしむべき相手のはずなのに、愛してはいけない。いけないとわかっていてもどうしようもないのが恋であり愛。悲しくも美しい話でした。

  • さだまさしさんの恋愛症候群をモチーフにされたのかなと思うほど、似ていました。
    恋がない世界。
    それでも、やっぱり恋してしまうんでしょうか。

  • "恋"は感染症……。
    感染者は処理される。
    人間に与えられた感情を殺して生きるなんて……。
    ならば意中の人を思いながら穏やかに最期を迎えるのもありよね。

  • 感染、駆除と言う殺人、感染しないための強力な火葬、家族とは接触出来ないって、まさに今の新型コロナと…と思いました

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著者プロフィール

しらと・なつみ/1991年生まれ。水戸市出身、東京都在住。会社員。第1回角川文庫キャラクター小説大賞の隠し玉として、本作でデビュー。趣味は手紙を書くこと、映像を観ること。

「2017年 『恋虫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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