西郷どん! 上製版 後編

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041059364

作品紹介・あらすじ

吉之助にようやく下った赦免。しかし時代は急変、不在の間に、ふるさと薩摩はえげれす艦隊の砲撃を受け、国内には尊皇攘夷の風が沸き起こり、不穏な空気が立ち込めていた。荒ぶる長州は一気に挙兵し、幕府軍と蛤御門ではげしい戦闘を繰り広げる。吉之助はこの初陣で幕府側に立ち、生まれついての大将としての才能を開花させる。戦いに勝利、長州征伐を企図し勝海舟と面会した吉之助だったが、勝の提案が彼を変えようとしていた。五代友厚、坂本龍馬、高杉晋作、木戸孝允、岩倉具視。維新に名を残す男らと議論をかさねた吉之助は、無血開城を断行する。一方、盟友・大久保一蔵は、新しい国家の設計図を作りだしていた。幼い頃から常に共にいた吉之助と一蔵。二人に別の道を歩む時が訪れたのか――。新しき時代、維新編!

感想・レビュー・書評

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  • 事の展開が早くて、
    少し理解できないところもありましたが、
    西郷隆盛の生涯を知ることができました。
    とにかく真っ直ぐな人だったんだな・・・
    「西南戦争」に発展してしまったのが残念。
    そのまま鹿児島で隠居させてあげたかったな。

    この作品を通じて、今でも鹿児島で、
    西郷さんが慕われているのが、
    わかったような気がしました。

  • 西郷隆盛の生涯を2冊の本で表すには短いと思ったが、来年の大河ドラマが楽しみな作品だった。

  • やっと読了。
    欲も野望もなかった西郷が親友の大久保利光と敵対することになるとは…。
    最期の言葉”もうここらでよか”の言葉が悲しい。
    来年の大河が楽しみになった。

  • 上下巻とあって中身が濃いかと思ったら、読み易い代わりあっさりしていた。
    大河ドラマも見ていないし、よく知らなかった西郷隆盛の事や幕末の事がわかって勉強にはなったかな。

  • 2023.10.25読了

  • 最近読んだ本の中で面白い本のひとつでした。
    鹿児島弁で会話が流れていくが、それがわからない人でも意味はわかるし、
    京都や高知他の方言などもあって、リアリティが増して良かったと思います。
    私がこの本で得た学びは下記の点でした。
    (1)広い視野を持つこと
    幕末から明治維新にかけての外国文明への開発は当時の日本人にとっては
    現在の日本人が宇宙開発に向けるごとく視野を広げるのと同じくらいの
    意味合いを持っているようです。だから、世界で戦争している場合ではなく
    全世界一丸となって、宇宙開発、あるいは地球防衛に取り組まなくてはいけない
    と思った。
    だから、高齢者だからといって、旧守思想だけでなく、新しいものを好奇心を持って
    進めるべきと思っている。

    (2)武士道の精神についての理解が進んだ
    やはり、いさぎ良くものごとを進めるべきと思っている。ひきような真似はしない、
    万事きゅうすの場合は一身をかけて腹を切るように負けを認める。
    また、2回も島流しにあっても決してくじけない不屈の精神は素晴らしい。
    更には、上役に恥をかかせない、貧困にあえぐ人民を助ける、まさに現在の政治家に
    見習って欲しい西郷隆盛流の生き方である。

    (3)幕末から明治維新までの断片的な知識が流れで理解できた
    幕末から明治にかけての各種事件の背景をベースに読み進んで、つながりが
    理解できつつある。これは、西南戦争に至るまでの大久保利通との交渉が
    青年時代の島津斉彬公に心酔した西郷と、薩摩国父である久光公に師事
    した大久保との違いが根本にあったのかとわかった。

    とにかく、西郷隆盛の周りを形作った、母の満佐、最初の妻須賀、お由羅騒動のお由羅、
    奄美での愛加那、本妻のイト、天璋院篤姫などの女性陣への対応がよく描写
    されている。特に愛加那の気迫と彼に対する愛は素晴しい。
    これだけ、人間味あふれる西郷隆盛が今でも鹿児島県人のみならず、西郷南洲公の
    遺訓を著した、庄内酒田の人々、更には全日本人から敬愛されていることも理解できた。
    ただ、日本のお札になっていないのが、残念である。
    明治150年も過ぎたので、もうそろそろ、良いのではないかと思う。

    とにかく、このような長編で史実が勉強できる小説を上梓していただいた、林真理子先生
    に感謝です。

  • 読みやすいけど登場人物多い‥

  • 二冊で生涯をまとめているので、戦いに関する部分の省略等はある意味潔い。西郷隆盛の人間性やあまり知らなかった奄美大島での愛加那の存在等、大変興味深く読めた。慶喜の見方も面白かったので。林真理子さんの書かれた正妻(慶喜の)も読んでみようと思います。

  • 読了。

    西郷隆盛のことを今まで特に考えたことはなかったけれど、なんとなく頑固でひとりよがりな人という印象があった。
    しかしこの本を読み進めれば進めるほど、こんなにも日本のことを考えた人がいただろうかと感じる。

    いや、フィクションの部分も多大にあるんだろうけど、西郷だけでなくあの時代の人間は日本の行く末を真剣に考えていたのだなぁと思った。

    学生の時にこういう本をたくさん読んでいれば、もっと日本史に興味が持ってたんだけどな。
    (190120)


  • 上巻に出てきた「本当に知っている人は孤独なのです」が、ずっと響いている。
    信頼できる人は、孤独でもそれを成し遂げる人。言葉にその人自身がある人。
    わかっていても、見えていても、できないことはたくさんある。憎まれるのは怖い。私憤、という言葉も出てくる。
    西郷を突き動かさずにいられなかったものは、本当のところ、何なんだろうな。まるで無私の人のように描かれるけど。
    最後の最後まで秘め続けるしかなかった何かを持った人なんじゃないのかなって気がしてならない。それが何かは、これを読んでも、やっぱりわからない。写真が残ってない西郷。色んな絵にはなってる西郷。名前が間違ってても気にしない西郷。根っこがみえないな。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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