1999年の王

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 18
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041059449

作品紹介・あらすじ

東京で殺人未遂事件が発生。実行犯の供述から、飲食店経営・北條和美と内縁の夫・安西俊貴が逮捕される。捜査が進むにつれ、安西が主犯として保険金目当ての連続殺人を過去に仕掛けていたことが明らかになる。共犯者、崇拝者、事件記者……それぞれの視点から「安西」という稀代の犯罪者の過去が語られていく――。
人の命を金に換える最低最悪の<錬金術師>、安西俊貴。幾人もの人生を狂わせた男の凄絶な人生とは――。震撼のクライムサスペンス!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙に目を引かれて。

    孤独なオヤジを釣り上げる保険金殺人。首謀者の男から逃れられずに手を貸すことになった女。目立たない男がこうなった理由をさまざまな証言から起こすわけですが、「王」とまでいうのはどうだか。現実にもはや珍しくもない事件なので、『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』のようなノンフィクションを読んだ後では弱い。けれど、弱い分、嫌悪感に駆られることもなく、さらさらと読めます。

    中学生にとっては1年後も10年後もどうでもいい、重要なのは現在という一文は印象に残る。「おれを裏切るな」という言葉は「好きだ」とはちがうのに、男に縋りたい女にはそう聞こえてしまうもの。

  • 結局、誰も幸せにはなれない。こんな世界なのに、何で、生きてるの?
    誰もが自分よりも強い人間を怖れる。そして自分より弱い人間を傷付ける。誰かを支配し、思い通りに動かし、そして自分の存在を高める。いや、高まっていると確認するために誰かをそばに置こうとするのか。
    弱い者がさらに弱い者を叩く、という歌がある。そうなのか。この世界はそれでしか回らないのか。この救いのない世界で、私たちは何で生きているのか。強い者に踏みつけられ、存在を否定され、下を向いて生きていく、そんな世界で生きる意味はあるのか。カトゲンの問が頭を揺らし続ける。お前は何で生きているのか。生きる意味はあるのか。読み終わった後もずっと考えている。

  • 最後に主役が交代!みたいな、、。

  • いいね、一気に読めた。被害者の章に全てが書かれていた様な気がする。いい話だった。勝利者はただただ浅はかで傲慢。

  • 平等であるはずの生命の重さに差は生じる。最後まで救われなかった安西俊貴は、社会や家庭環境が生んだ怪物でもあり、自己の弱さを映す鏡であった。なんだか哲学っぽかったよ。俊貴…。

  • ん〜。
    だいたい読めていましたが…
    最後が…う〜ん。

  • 誰も彼も、まともじゃない

  • 出会ってしまったことが不幸の始まりだったのかもしれない。普通のJKの人生を変え支配され続ける間も支配されている自分に気付かない、いや酔っていたのかも。
    事件の被害者・加害者が知らぬ間にあの男に取り込まれていた。スルリと人の懐ろに入り笑顔で命を奪う、その男に。
    だが男も取り込まれていたのだ。深い深い闇に。

    カトゲンの仕掛けたひとの愚かさを知らされる闇と罠、いつでもそれらは隣に横たわっているのかもしれない。

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著者プロフィール

加藤 元(かとう げん)
1973年神奈川県生まれの女性作家。日本大学芸術学部文芸学科中退。日本推理作家協会会員。2009年、『山姫抄』で第4回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。
『泣きながら、呼んだ人』が盛岡さわや書店が主催する「さわベス」1位を獲得。その他代表作に『蛇の道行』『嫁の遺言』『四月一日亭ものがたり』『ひかげ旅館へいらっしゃい』など。

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