千葉ジェッツの奇跡 Bリーグ集客ナンバー1クラブの秘密

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060216

作品紹介・あらすじ

今、バスケットボールのBリーグが熱い。中でも、初めて年間観客動員数13万5000人を突破し、1試合7327人という最多動員数を誇るのが千葉ジェッツだ。5年半前、経営不振のクラブ立て直しのため社長に就任したのが、コンサルタントの立場でかかわっていた島田慎二。つぶすか、つぶさないかという瀬戸際を、これまでの会社経営のノウハウを活かし切り抜ける。そして、社長に就任するとすぐに経営強化のための再建計画を策定し、稼げる体制づくりに取り組む。スポンサー探しに奔走し、経営基盤を確かなものにしたあと、ブースター(ファン)をさらに獲得するため、地域密着型のクラブづくりに着手。イベントやお祭りなどに選手やスタッフが参加し、年間150~200回もの地域貢献活動で固定ファンを増やしていった。そして、実力も人気も高い富樫勇樹選手や外国人選手を戦略的に補強し、2017年1月の天皇杯で初優勝を飾る。卓越した手腕で経営を刷新し、人気・実力ともにBリーグトップチームに押し上げた島田流マネジメント術と、千葉ジェッツの変革の軌跡がギュッと詰まった1冊。

プロローグ:“箱もの産業”の宿命と挑戦
第1章:ジェッツの再建
第2章:bjリーグからの脱退
第3章:戦うための組織改革
第4章:観客動員数ナンバー1になるまで
第5章:ジェッツを支える「理念」
第6章:川淵キャプテンとの出会い
第7章:Bリーグの未来
エピローグ:100年続くクラブへ

感想・レビュー・書評

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  • 現在Bリーグとジェッツの二足のわらじを履く著者だが、ジェッツの運営を軌道にのせたノウハウを他クラブと共有しているところなど、共存共栄を成そうとする姿勢に共感を覚えた。そのジェッツの躍進を支えているのは、(資金面を別とすれば)プレースタイルの確立や地域貢献を謳うクラブの理念。骨格がしっかりしているからこそ、監督や選手選びにもブレが生じ難く、永続的な前進が可能になる。発足以来20年を経たJリーグでもいまだこの辺が疎かになってるクラブがほとんどで、それを思うと、ジェッツのポジティブ面が他に伝播したとすれば、Bリーグの近未来はより開けたものになるかもしれない。また、タイトルからはクラブの成功譚がテーマのように見えるが、それを含みつつも、様々な経験を積んできた著者自身の成長物語でもあるように感じた。

  • ジェッツを題材にした経営の成功体験の本。読んだら経営をしてみたくなる興味と勇気をくれる本。
    何度も同じ話が出てくるのは、著者は物書きではなく経営者だからのご愛敬か。よみやすくていいです。

  • 千葉ジェッツの社長であり、Bリーグのバイスチェアマンである島田さんの、チーム経営の復活についての本。
    著者は特にバスケが好きな訳ではなかったが、ひょんな事からジェッツのコンサルを頼まれた。会社、チーム、そして日本のプロバスケ界をどうにかしなければ、という私利私欲のない使命感を持って、実現していった。ビッグマウスで周りをわくわくさせながら有言実行した話。

    以下、引用メモ。
    地域密着ではなく地域愛着。
    経営者の仕事は、お金を集めること。夢を語るのはずっと後でいい。
    社長は事業が軌道に乗ったら遊び始める。それこそ私利私欲。ダメになる。
    ミーティングは決定の場。

  • 千葉には「千葉ジェッツ」というプロバスケットボールチームがあります。
    千葉県内(特に船橋市川かな?!千葉全域なのかな?)では数年前から「千葉ジェッツを応援しています」というポスターとか、「千葉JETS」と装飾された駅の階段や自販機を頻繁に目にするようになりました。

    今までは「へー、そういうバスケットのチームがあるんだー」くらいでまったく興味なかったんですが、息子がミニバスを始めたことで、自然と千葉ジェッツにも興味が出てきまして、ジェッツの試合を見に行ったワケです。

    そしたら、超楽しいの!!

    体育館スポーツだから2階席でも選手が近いし、
    試合前の選手紹介もド派手でかっこいいし、
    試合中も応援コールとか音楽とかガンガンでルールをあんまりしらない初心者も盛り上がれるし、
    プロのすごいプレーも見れるし。
    子供ら退屈するかな?と心配してましたが、親子でめちゃくちゃ楽しんで観戦できました。

    ジェッツ情報を入手していくと、どうやらBリーグ(プロバスケリーグ)で一番集客が多いチームということがわかりました。
    すっかりジェッツファンになった私はその人気の秘密を知りたくなりまして、ジェッツ人気の立役者である島田さんの本をポチっと購入するに至ったワケです。

    著者の島田さんは、元々は旅行会社の経営をしていた人で、バスケには縁もゆかりもない人です。
    経営難のチームをなんとかしたかった千葉ジェッツのオーナーが、知り合いの島田さんに「ちょっとだけコンサルしてくれない?」と頼んだことがはじまり。
    で、経営についてダメ出しやアドバイスしていくうちに、どんどん抜けられない&なんとかしたくなって、結局、社長になって本格的に経営再建することになる、という流れです。

    バスケ界はずっと色々問題をかかえていました。
    私もこれを読んでやっとちゃんと理解したんですが、ざっくりまとめます。

    1)bjリーグの発足とクラブ設立ルール問題
    「日本のバスケ界にもプロバスケチームを作って盛り上げよう!」という熱いバスケ好きが割と容易にクラブオーナーになれたので、経営手腕のない人がクラブチームを設立した。
    (入会金2000万円でオーナーになれるので、そこまで簡単でもないけど、他のスポーツと比べると超安い)
    なので、夢はあるけど運営はイマイチだった。

    2)リーグが2つある問題
    企業クラブが参加するJBL(日本バスケットボールリーグ)と、プロリーグと称するbjリーグがあって、交流もなかった。
    bjリーグチームは経営下手ばかりで金がないので、いい選手はアマチュアのJBLに所属。日本バスケのメインはJBLだった。

    3)FIBA(国際バスケットボール連盟)からの警告とNBL(ナショナルバスケットボールリーグ)発足→でも失敗
    国内にリーグが2つもあるのはよくないからなんとかしろ、と言われて統一しようとNBLを発足。JBLチームはそこにjoinされたけど、
    bjリーグチームはそこにjoinせず、結局分裂したまま。
    (企業クラブでは自分たちの描くプロリーグが実現できないという思いからbjリーグができたという経緯があるので、素直に「加入しまーす」とはならなかったらしい。)

    4)FIBAからのガチの警告→Bリーグ発足で2015年にやっと統一
    これ以上リーグ2つのままだとオリンピックも国際大会も日本は出場させないよ、と言われて焦って、Jリーグを作った川渕三郎さんにお願い。
    川渕さんがそれぞれのリーグの間に入ってやっと統一!!

    という流れみたいです。

    千葉ジェッツもそうだし、バスケのリーグ問題もそうだけど、組織の問題を何とかしたいとき、当人たちだけでなんとかするのはかなり難しくて、外部から別の視点をもった人を投入しないと変化を促すことは難しいんだな、と思いました。
    エニアグラムの本でも、変化を起こすには自分とは違う思考タイプとの関わりが必要というようなことが書いてたけど、組織も同じだね。だからコンサル的な職業が存在してるんだろう。

    コンサルに頼むほどじゃなくても、人が出入りするとそのなかでどんどん化学変化が起きて、組織が変わるっていうのを、今、自分がいる組織のなかで感じてます。
    前の会社の上司も言ってたけど、人と仕事は常に流動化させてないといけないんだな、と改めて思いました。
    余裕がなくて採用できないなら、組織内、部署内でジョブローテするとかしていけばいいんだと思います。
    組織と仕事の固定化は、楽ではあるけど衰退しかうまないと思う。私の実感として。

    あとこの本を読んで、経営の難しさをすごく感じました。
    経営にも状況や企業のフェーズに応じて優先することと切り捨てることがあって、そこを見誤るとうまくいかなくなってしまうんですね。

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    目標のためには何が何でもお金を集め、その後の活動につなげていかなくてはならない。それを実行するのが経営者の役目であり、夢を語るのはずっとあとでいい。経営者はこのことを自覚すべきなのだ。いくら調子のいいことを言ってみても、それが一銭にもならないのでは意味がない。
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    夢だけ語ってても資金繰りはできないし、かといって経営のフェーズが変わったことに気付かず金勘定だけに終始し続けるとたぶん働いてる人たちは疲弊して楽しくなくってしまう。
    そういうのを見極めて、取捨選択して、社員に説明して、納得してもらうのって大変すぎる。経営者ってすごいなぁ。パワーがすごいなぁ。


    私が今の会社に転職した理由は、「世界中のチームワークに貢献する」っていう理念がすごくわかりやすかったし、すごく共感できたからなんですが、自分が「この会社いいなぁ」って思うところはもれなく企業理念がステキ!
    アウトドアブランドのスノーピークは「The Snow Peak Way」という理念があります。
    (長くなるので詳しくはコチラ→https://www.snowpeak.co.jp/about/01missionstatement.html)
    ジェッツの理念は
    「千葉ジェッツを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」
    です。
    取り巻く全ての人には、ジェッツで働く人とその家族、選手、観客などすべて含まれます。
    あと、ジェッツのバスケスタイルもきちんと考えていて、「アグレッシブなディフェンスから走る」と定義されています。
    こういう理念のもと、すべてを動かすようにしたら色々うまくいくようになったんですって。
    いい理念だー。みんなをハッピーっていいよねぇ。

    ワタクシ的名言
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    ジェッツの活動理念のトップにくるのは、「千葉ジェッツを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる」というフレーズだ。ここでいう「ハッピー」には、スタッフの労働時間を短くし、その一方で給与水準を上げていき、家族全員が「ハッピーになる」という意味も含まれる。
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    ムダな時間を極力排除するため、20分以上の会議は禁止、就業時間中は喫煙もダメなんだって!!厳しい!!けど、利益率は確かにうなぎのぼり!!
    家族の側としてもこういう経営者はありがたいな~。

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    経営は本当に難しい。雲をつかむようなものであり、常にままならない。ツイッターなどでもよくつぶやくのだが、「経営」と「子育て」と「部下を持つこと」は、人間を成長させる三大要素だと私はいつも思っている。その理由は、これらがすべて「ままならないもの」だからだ。
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    もう、この一文は私のなかで一番しびれた!!
    この前読んだ「仕事と家庭は両立できない」で、今の社会は「競争」優位で、「ケア(育児、介護、教育)」の地位が低いのが現状とあったけど、
    この人の語る成長要素のうち、「子育て」と「部下を持つこと」は、「ケア」の領域です。
    もったいない。あぁもったいない。
    これまでの社会の一般社員たちは、育児は基本的に女におまかせしちゃって、部下の育成についても大概の人がたいしたノウハウなく俺流でやって、経営にも関与せずで。。
    悲しいことに自らの成長機会を全部放棄しちまってたってワケですよ。
    で、「俺様は外で仕事して稼いでんだぞ、偉いだろう」といばってるおっさんがたくさんできあがっちゃってたワケさ。

    この人の言う通り、育児とか教育とか人材育成から学べることって、仕事にめちゃくちゃ役立つと思うのよ。。
    もちろん、育児や教育だけがずば抜けてすごいと言うつもりもなくて、普通に仕事するのもすごいこと。ただ、少なくとも等価値ではあるし、キャリアのハンデになるものとは到底思えない。
    だから男も女も、育児してるキャリアと育児しないで働き続けてるキャリアを同等に扱ってほしい。種類が違うけどどっちもすごく大切だし、ムダなことなんて少しもない。


    バスケ好き、ジェッツ好き、経営本好きにはすごく面白い内容だと思います。
    あとね、ジェッツはSNSとかYouTubeでの広報活動もすごく上手!
    YouTubeのJETSチャンネルというのがすごく面白いです。
    ぜひぜひチェックしてみて!!

  • 「チームとして魅力的な試合を見せられないのなら、むしろ客を呼ばないほうがいいとまで私は考えていた。」(p.54)
    この文章に衝撃を受けた。これが島田社長の哲学だ。
    私はこの本に元気をもらったとは思うが、それはどちらかと言うと目を覚まされたという感じに近い。
    島田社長が繰り返し書かれているのは、夢を追うには順番があるということ。夢ばかり語っていないか。いきなり日本一になんてなれない。
    ジェッツの場合は、まず必死に資金を集めて、次に良い選手に投資し、そしてようやく集客に力を入れられるようになった。
    戦略もなく語られる夢は薄っぺらい。勝っても負けても愛されるなんて、言うほど簡単な事じゃない。
    改めてそう突きつけられると、私のように、身を振り返ってヒヤリとする人も少なくないのでは。

    現在Bリーグにおいて屈指の集客力を誇る千葉ジェッツふなばしの歩んできた道のりや、将来目指すところが書かれているが、概してググればわかる、インタビュー記事で語られてきたことばかりという印象。まとめて読めるのは有難いかな。ジェッツやBリーグが好きな人ほど物足りないのでは。

    島田社長や川淵さんや周りの人々の言葉・姿勢を、自分事に置き換えて読まなければ、サラッと読んで終わりになってしまいそう。経営学部のテキストにするには講師の腕が問われますね、そんな一冊。星3つ。

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著者プロフィール

1970年11月5日生まれ。新潟県出身。日本大学法学部卒業後、旅行代理店を経て、2001年に海外出張専門の旅行会社ハルインターナショナルを設立。10年、リロ・ホールディングに全株式を売却。同年、コンサルティング会社リカオン設立。12年、千葉ジェッツ(現千葉ジェッツふなばし)を運営するASPEの代表取締役に就任。NBLへの転籍、地域密着の強化など、独自路線を打ち出し、組織を活性化。現在、天皇杯連覇、年間観客動員数No.1など、人気、実力ともに16年に誕生したBリーグ(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)を代表するチームに押し上げる。15年5月には、Bリーグ理事に就任している。著書に『千葉ジェッツの奇跡』(角川書店)。

「2018年 『オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか? 最強の組織を作るマネジメント術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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