営繕かるかや怪異譚 その弐

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 735
レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060469

作品紹介・あらすじ

小野不由美待望のシリーズ第二弾。町屋を神社を猫の通り道に現れる、営繕屋・尾端。人々の哀しみを、想いを、つなげ、修復する。怖さと美しさと悲しみに満ちた感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 前作は、全て古い城下町にある古い家にまつわる怪異だったけれど、今回は幅が広がり、同じ城下町を舞台にしながらも、家の疵によらない怪異も出てくる。
    でもどれもぞっとしますね…、なんとなくカビ臭く、昼でも薄暗くてじめっとしていて…。
    夜に読むと怖くて寝れなくなるので、半分以上は昼間に読みました。

    『芙蓉忌』
    両親と弟が亡くなり、古びた実家に戻ってきた男。
    昔の弟の部屋を居室にしていたら、壁の隙間から隣の女の様子が覗き見れる…。
    この世のものでない存在に魅入られていく。

    『魂やどりて』
    古い長屋を自己流にリフォームして住む育。家の中で女の声が聞こえる。そして夢の中でも女は育を責め立てる…。
    人の手をかけて作られ、大切に使われてきたモノにも魂は宿る。昔の人は本当に、手をかけ心をこめて物を作り、大切に扱ってきたのだな。
    育に自分を重ねて反省する。
    光子の語る着物の一生の話が心に残った。

    「着物には一生があるのよ。晴着やお出掛け着として縫って、汚れたら解いて洗って縫い直して、そうして傷んだら、傷んだ部分を切って羽織にしたり子供の着物にしたり。それも傷んだらお布団の表にして。それも傷んだら端布として細々とした用に使ったの。それが着物の一生」

    『まさくに』
    古い家の押入れの天井に、屋根裏部屋を発見する。

    天井裏にいる正邦さん。悪意のない座敷童子。…にしてもこんな姿で出てこないで、怖いよ(;´д`)

    営繕屋の尾端さんは、今回はただ直すのではなく、助言をするだけだったり、探偵顔負けの推理を働かせてみたり、そっと通るだけの役割だったり色々。
    でも尾端さんが出てくると、これ以上怖いことは起きないと思ってホッとする。
    まだ続くのかな。にしてもこの城下町、怪異ありすぎです、本当にあったら絶対住みたくはない(笑)

  • 古い家屋、古い記憶に絡められた怪異。

    今作もゆっくり静かに味わえた六編、どれも良かった。

    怖さよりも哀しみが感じられた気がし、時にふわっとした温かさに包まれるような気分を味わえたのも良かった。

    「芙蓉忌」は妖しさに次第に魅せられていく心と迫りくる怪異とのシンクロが印象的。「魂やどりて」は哀しみが胸を打つ。
    家との関係、人との関係を上手く築けていくような尾端さんの営繕はもちろん、言葉のサポートも良かった。

    決して強引さはない、あくまでもさりげない、この度合いが心地良い。

    • けいたんさん
      小野不由美さんは大分出身。
      気になる作家さんだけど、1冊しか読んだことない(〃∀〃)ゞ
      この作品はシリーズなんだ。
      古い家屋面白そうだ...
      小野不由美さんは大分出身。
      気になる作家さんだけど、1冊しか読んだことない(〃∀〃)ゞ
      この作品はシリーズなんだ。
      古い家屋面白そうだね〜

      くるたんの家はみんなは大丈夫?台風ひどかったね。心配していました。
      2019/09/10
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪
      そうだったのね♪♪
      小野さん、怖い系と十二国記が有名だよね。
      私は怖い系しか読んでないや(*∩ω∩)
      これは...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪
      そうだったのね♪♪
      小野さん、怖い系と十二国記が有名だよね。
      私は怖い系しか読んでないや(*∩ω∩)
      これは古い家屋の間取りを想像するのが大変だったけどせつなかったよ。

      ご心配ありがとう♡
      こちらは停電免れたけど、他の地域の人を思うと…。
      特にうさぎさんが心配(>_< )
      停電時の冷却法とか真剣に考えなきゃ、って思ったよ。
      何か対策してる?

      あおいちゃん、その後どうかな⁇
      2019/09/10
    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      災害が起こるとうさぎさんたちのことが心配になるよね。
      この時期エアコンが使えないなんて…
      私も冷却法考え...
      こんにちは(^-^)/

      災害が起こるとうさぎさんたちのことが心配になるよね。
      この時期エアコンが使えないなんて…
      私も冷却法考えてないよ。
      ペレットは大量にあるけどね…
      人間の非常食も水も東日本の時に用意したままでもう賞味期限が切れてる。
      いかんね。

      あおいは血液検査の結果が昨日電話であって、言葉で聞いただけではわからないだろうから、土曜日詳しい説明をしてくれるって。
      ちょっと数値が高いのもあるみたいで…
      あおいの診察もしたいって。
      また薬かしら…薬って怖いんだよね。
      2019/09/11
  • シリーズ第二作。
    前作では、住んでいる家で怪異現象が起こる→偶然もしくは人伝に営繕屋の尾端(おばな)に出会い家を見てもらう→必要箇所を修繕してもらい怪異現象が収まる→めでたしめでたし というパターンだったが、今作は更にバリエーションが増えていた。

    めでたしめでたしではない話もあったし、怪異の原因そのものを見てしまう話もあった。更には『私ではお役に立てないと思うんです』と尾端が匙を投げるシーンも?

    前作を読んだときも感じたが、古いモノ、昔の人がやることには必ずしも無駄や変なものばかりではなく、意味のあることもある。リフォームやリメイクも、元あるものに敬意を払って行うことが必要ということだろうか。

    第一話の主人公はその後どうなったのだろう。
    最終話はホラー映画ばりの怪異現象だが、意外なオチで面白かった。

    • やまさん
      fukuさん
      おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      きょうは、晴れています。
      まぶしいくらいです。
      やま
      fukuさん
      おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      きょうは、晴れています。
      まぶしいくらいです。
      やま
      2019/11/15
  • 尋常ならざるものを見せるその家には、どんな想いが潜んでいるのだろうか。
    ひたひたと静かなおそろしさの霧の中から、ふと血の通った人間の情や絆が立ち昇ってくる。するとおぞましさは影を潜め、哀切な思いが生きているほうにも生まれてくる。生者と死者の絶対的な距離はどうしようもないけれども、モノがその残滓を伝えてくれることがある。

    そうした、目には見えないものに対する、かつてそこにあったはずの温かみを感じさせてくれるお話でした。とはいえ、しっかりとホラーでもありますし、ハッピーとは言い切れない結末のお話もあるので、うそ寒い感覚は残ります。

    けれど、家や建物が修繕されつづて長らえさせようとしているのは、かつていた人々のさまざまな思いを受け継ぐことでもあるのでは、などと改めて思えました。

    そう考えるとやはり、時や理屈を超えた、人の連綿とつながる絆を描いた、やさしい物語とも言えるのではないかと、私は思いました。

  • 幽vol.22,23,24(2015年1月、6月、12月)、27,28(2016年6月、12月)、怪と幽vol.001(2019年5月)に掲載したものを一部改稿して、2019年7月角川書店刊。営繕屋の尾端の登場が控えめなのが、不思議を浮き彫りにし、余韻を長引かせます。優しい想いが、じわーっと来るのが素敵です。表紙絵に隠された怪異の描写も面白い工夫です。

  • 小野不由美先生の新作が五年ぶりに出ました!
    子供の頃から一番好きな作家さん。
    *
    やっぱり…面白い!!!
    読み始めると、惹きこまれて一気に本の中に入ってしまえるのです。
    本の世界に入れる時って、しんっとした空間にいる感じになる。
    それが最近味わえて無かったんだけど、久々にその感覚になった。
    *
    小野先生お得意の怪談で、暑い夏にもピッタリ。
    「通りゃんせ」の歌が題材のお話があるんだけど、あの歌私も怖かったなぁ…。
    子供の頃も怖かったし、最近あんまりないのに偶に流れてくる横断歩道に遭遇すると、ちょっと気になってしまう。
    どうして、あれが採用されたのかしら?
    *
    そして、一巻の時も書いたかもだけど家で心霊現象起きてる描写読んでると、「あぁ〜、SPRに相談しに行って〜!」ってなっちゃう 笑
    ちゃんと尾端さんが解決してくれるんだけどね。
    でも、SPRのみんなにまた会いたいのよ〜!
    *
    *
    10月には十二国記の新作が発売だね!
    待ちに待った、戴国のお話〜!
    今から、ワクワクが止まらない!

  • 第2弾きたー!!!
    相変わらずすばらしい。そして怖い。
    毎回早く尾端さん来て!!!ってなる。

  • 前作も大好きですが、今回もとても面白く読みました。
    どの話もぞくぞくするし、ちょっぴり感動があったりします。
    続編がでたらまた読みたいです。

  • 旧城下町を舞台に起きる古い建物に纏わる怪異が語られる短編集第二弾。除き穴から見える芸妓。溺死した友人や死んだ飼い猫と思われる何か。仄暗い古い家の隅に潜む闇に目を向けてしまった語り手が体験する怪異が想像しやすくて寒気が来る。頭の後ろに気配があって足首にすうっと捕まれる感覚が感じられる正に日本の伝統的な怪談の怖さ。「水の声」「まつくに」が特に。営繕屋の尾端が建物を修繕する事で怪異が鎮まる方向に向かうんだけど想像とはずれが生じる所が単なるホラーといいにくい読後感でやっぱり面白い。前作より尾端の出番少ない?でも足りない位がいい感じかもなぁ。

  • 前作を読んだのがかなり前だったので、その時の記憶がないのだが、怖いというより物悲しいお話が多い。
    短編だが独特の共通した雰囲気があり、それを心地よくすら感じる。
    余談だがオムツの漢字なんてこの小説で初めてみた。

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著者プロフィール

大分県生まれ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。91年『魔性の子』に続き、92年『月の影 影の海』を発表、「十二国記」シリーズとなる。『東亰異聞』『屍鬼』『黒祠の島』は、それぞれ伝奇、ホラー、ミステリとして高い評価を受けている。「悪霊」シリーズを大幅リライトし「ゴーストハント」として2010年~11年刊行。『残穢』は第26回山本周五郎賞を受賞。『鬼談百景』『営繕かるかや怪異譚』『営繕かるかや怪異譚その弐』など。2019年、十二国記最新刊『白銀の墟 玄の月』を刊行し話題に。

「2020年 『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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