角の生えた帽子

  • KADOKAWA
3.64
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060506

作品紹介・あらすじ

毎夜、同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことで性的興奮を覚えるという夢だ。その夢はまるで自分がやったかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢を同じ殺人事件が起こったというニュースをテレビで見た。犯人がつかまったという。そこには、自分と同じ顔の違う名前の男が映っていた―ー。運命の残酷さ、悲劇を描いた「悪魔の帽子」(幽12号)ほか、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由があかされる衝撃のラスト「犬嫌い」ほか、松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」など、雑誌や文庫掲載原稿に加え、4篇を書き下した全9篇。日本推理作家協会賞受賞者(長編および連作短編集部門)が放つ、謎と恐怖の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 短編9話
    ホラーというほど怖くはない。
    薄気味悪さと意外なラストにゾワッとくる。

    リアルに映像が浮かぶ描写、登場人物の少なさ
    静かに追い詰められる気味悪さ…
    「世にも奇妙な物語」にでも良さげな一冊かな?

    宇佐美さんのホラーなかなか良い(〃ω〃)


    • みんみんさん
      ホラー仮入部くらいのヤツ(⑉︎• •⑉︎)♡︎

      ホラー仮入部くらいのヤツ(⑉︎• •⑉︎)♡︎

      2023/06/16
    • ゆーき本さん
      ホラーだ!やっぱり夏はホラーなんだ!
      ホラーだ!やっぱり夏はホラーなんだ!
      2023/06/16
    • みんみんさん
      ちょっと怖いの読みたい気分(●︎´艸`)ムフフ
      ちょっと怖いの読みたい気分(●︎´艸`)ムフフ
      2023/06/16
  • いびつな日常と闇を描いた短編集。作風は好みだが、パンチのききかたはいまひとつだった。もう少し深くねっとりしてくれればはまりそうなので、ちょっと残念。

  • この作者の短編を読むのは初。
    不思議で怖い、9編からなる短編集。

    他の作品とは少し印象が異なる。
    楽しめはしたのだけれど、正直どの話も余り記憶には残らなそうだ…。

    この作家の作品は断然長編の方が好み。

  • 短編のホラー。
    淡々と書かれる物語の、隙間というか狭間から漏れ出していくものが恐怖だと気づいてから速度がついていく印象。
    ただ物語を読み終えると、怖さよりも納得が残っている。説得や洗脳とは違う、上手くまとめ上げられ後に残らないといった印象。
    夏休みのケイカクと緑の吐息が好き。前者は司書と少女の絵本の落書きによる殺人のケイカク、後者は山の民の話。ああやっぱりねとにまとめてその先があるのが好き?

  • 宇佐美まことさん、単著 初。

    どの短編も読み応えがあった。
    図書室に纏わる怪異が2作もあって嬉。 
    『夏休みのケイカク』が一番好き

    本気で相手を殺したいほどの恨みが芽生えたならば、その実現を後押ししてくれる怪異が、存在しても許されるのではないか
    そう思うストーリーが多かった。

    母に殺された三つ子の三男
    父の不倫相手 
    尽くした自分を裏切った教授=上司
    母代わりの女を捨てた男
    性加害者(『犬嫌い』胸糞)
    うだつの上がらない夫
    夫の不倫相手(子を誘拐)

    そして「あ、こいつか」「あ、主人公自身がそもそも不幸だったんか」のオチというか結末のどんでん返し的なものがどの話にもあってやはり秀逸(この構成がストーリーテリングの王道なんだろうな)
    周囲の人間のことはよく見えるが自分自身のことは見えてないってやつかな
    哀惜、憐憫といった灰色の気体が各話を覆っているような感覚

    最終話、バイク事故は自分が望んだ(弟が先天性の下肢欠損)ことを幽霊になった女が叶えてくれた結果だった。それで事故の原因ともいえる後ろから走ってきていた男とも友人になれたのか

  • 心の隙間にある暗闇を描き出す怪奇な短編9話。どれもひっそりとしたホラー感が出ていて面白く読んだ。切なさもあり苦しさもある。「悪魔の帽子」「左利きの鬼」「湿原の女神」が好みですが、特に「湿原の女神」はジーンと心に響きました。

  • なんとも読み応えのある短編集だった。全編仄暗い雰囲気が漂う、ゾクっとするようなホラーでした。一つ一つが濃すぎてちょっと読み進める毎に頭の中がその話でいっぱいになってしまう。他の話に比べると印象の薄い話もいくつかあったけど大満足の読み応え。

    幽霊や神や得体の知れないものがわんさか出てくるけど、怖いのはきっとそこじゃない。どこか少しだけ狂ってる人間たちが醸し出す不穏な空気が怖い。完全に狂ってはいない、だけど違和感が拭い切れないあの雰囲気。見てはいけないんだけど目が離せないものを見ているような感覚でした。

    女神だけ少しだけ明るくて最後に救われます。

  • 宇佐美まことさん 初読みです。
    9話収録の短編集

    どの物語も淡々と進んで行くが、じわじわと背中に恐怖が近づいて来て
    心がざわざわするような感覚に陥ります。

    「あなたの望み通りのものを」は「世にも奇妙な物語」の原作になりそうな予感。

    印象に残ったのは「悪魔の帽子」「夏休みのケイカク」「左利きの鬼」
    おどろおどろしいホラーではなく、不穏な空気感の中に訪れる静かな恐怖を感じました。
    1957年生まれの女性作家さんと言う事で、今後の作品も追ってみたいです。

  • 9編の短編集、宇佐美先生ならではの摩訶不思議な世界観が読み手を楽しませてくれる作品です。

  • 何か不吉な感じがする内容だが、最後は少し救われる、そんな短編集だった。

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著者プロフィール

(うさみ・まこと)1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。2021年『黒鳥の湖』がWOWOWでテレビドラマ化。著書には他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』『ドラゴンズ・タン』などがある。

「2023年 『逆転のバラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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