角の生えた帽子

  • KADOKAWA
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060506

感想・レビュー・書評

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  • この作者の短編を読むのは初。
    不思議で怖い、9編からなる短編集。

    他の作品とは少し印象が異なる。
    楽しめはしたのだけれど、正直どの話も余り記憶には残らなそうだ…。

    この作家の作品は断然長編の方が好み。

  • 連作や群像の形式ではなく、9編の独立した短編集。静かで、不穏な空気が流れる。常識や理屈では説明のつかない出来事や出会いが、人間の業によって次々と起こる。哀しさ、怒り、寂しさ、後ろめたさなどによって視野が偏狭していくのか、それとも私たちが普段気づかないところで全く違う世界が同時進行しているのか…。宮部さんの三島屋シリーズの現代版のようでもあるが、私の好みの心情の機微にはあまり触れられない本作。個人的には『愚者の毒』や『熟れた月』の宇佐美さんに軍配でした。

  • 宇佐美まこと氏2冊目。9編からなる短編集。
    前回読んだ短編集『るんびにの子供』ほど惹かれることもなく読了した。
    この作品はSF風なものもあればファンタジー的なお話もありで、
    人間の持つ厭らしさの描き方が薄くなった。
    その中で『犬嫌い』という話が、
    ごく普通に暮らしている人間の弱さや汚らしさを描いている。
    これが宇佐美まこと氏作品の醍醐味なのでは。
    ただ、図書館好き本好きの私にとって、『城山界隈奇譚』は、
    なんだか郷愁を覚え、好きな短編。
    松山を舞台にした新作を読むのが楽しみ。
    松山に行きたくなる。

  • 怪談実話系アンソロジーに収録されていた作品と、書き下ろしとが半分位の割合。
    行き止まりの人間たちを描いた、謎と恐怖の物語。 九編からなる短編集です。
    ほんのり暗くて、じわっと怪しくて、悪い予感がする…宇佐美さん“らしい”ですね。
    個人的にはもう一歩、闇に踏み込んで欲しいところ。もう少し怖くてもいいし、もう少し酷くてもいい、かな。

  • 9編からなるホラー短編集。

    じくじくした暗さの暴力的な話は苦手なため、最初の作品が生理的に受け入れにくく、こんな調子の作品が続くとつらいなと思っていたところ、他は別の角度からの怖さだった。
    全体を通して、心の奥底に嫌な足跡を残すような湿り気を帯びたものが多い。

    初めての作家だと思っていたところ、たまたま見た過去の読書記録に『るんびにの子供』が記してあった。詳細は記憶にないが、女性作家特有の怖さがあったことが何となくよみがえってきた。

  • 「愚者の毒」の宇佐美さんだから期待して読んだのだけど、短編だからか、読み応えという点で肩透かしをくらったかのよう。
    9つの短編はすべて、奇譚と呼ぶに相応しい物語。
    どこかひんやりした感覚で読んでいると、ラストでゾッとする感じ。不思議で、怖くて、少し哀しい。
    帯にあったあらすじを読んで、「悪魔の帽子」は相当期待したのだけど、それほど・・・
    宇佐美さんには人間の本質的な心の暗い部分を掘り下げて、もっと読後感の悪い作品を期待します。

  • 宇佐美まことのホラー短編集。帯には「行き止まりの人間たちを描いた」とあるが、どの話も普通の人間を描いているように感じた。主人公たちは、ふとした瞬間に間違った道を進んでしまった人たち。そして道に迷ったときに、間違った糸を手繰ってしまった人たちだ。出口に向かって進んでいるつもりが、先にいるのは異形のものたち。この作品を読むと、自分の人生の次の曲がり角の先にはそれが待ち構えているかもしれない、そこで、ここは行き止まりだったかと気づくのかもしれないという思いに囚われる…やはり行き止まりの人間たちだったのかもしれない。

著者プロフィール

愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で第1回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。17年、ミステリー小説『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞する。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている。

「2017年 『角の生えた帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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