角の生えた帽子

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本棚登録 : 58
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060506

感想・レビュー・書評

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  • 本を手にして表紙を見た瞬間、タイトルのフォントがあまりにも不穏すぎて「これは読まなきゃいけない」と直感が飛んできた。久しぶりの宇佐美さん。『るんびにの子供』の時から、追いかけたい作家さんだと思っていました。

    短編9話。キーワードは…9~10歳、母子家庭(母と子)、貧しさ。
    怖さは控えめ。

    =この人の魂はとても救えない。天井を仰いで百合子は思った=「あなたの望みどおりのものを」より…

    ◎「悪魔の帽子」モーツァルトが流れる工場内で組み立てられてゆく数々の悪魔の帽子。憑依系。
    △「城山界隈奇譚」いつまでも変わらない女。図書館。奇譚系。
    ○「夏休みのケイカク」過去を変えて現在を変えることは可能か。記憶系。
    ◎「花うつけ」草木、花は自分が動けない分、人を動かしてあやつると言われているけど、それは本当なのかもしれない。ねっとり、植物系。
    ◎「みどりの吐息」土砂崩れと聞いた瞬間、私はもう戻ることは出来ないんだな…と、物語の中でそう感じた。謎もの、植物系。
    ○「犬嫌い」犬嫌いは男嫌い。人嫌い自分嫌い。トラウマと記憶の塗り替え。まだら・謎もの系。
    ◎「あなたの望みどおりのものを」夢や希望を実現して与えてもらえたら人は本当に幸せなのか。ホラー系。「夜にも奇妙な物語」にピッタリ!
    ○「左利きの鬼」朋美と健人は世間から身を隠しながらひっそりと暮らす。ある日事故に遭って…。鬼・悲哀系。
    ○「湿原の女神」林道でバイク事故に遭い、右足が見つからない…。願いを叶えてくれる女神とは…。意味がわからなくて二度読み。悲哀系。

    自分のことを自分だと認識できなくなった時の、人の心のありよう、揺らめきが描かれていて一気に読んでしまいました。自己とか認知能力、記憶って一体なんだろう…と思ってしまう。心のどこかで、ゆらめく闇や仄暗さが好き。おすすめです。

  • 読メでどなたかのレビューで面白そうだったので図書館へ。
    ホラーというほどホラーではなく、世にも奇妙な物語的なテイスト感かなあ。
    スゲえ面白い感じではないがジワジワ面白い感じである。
    最初はそうでもなかったんだけどね。
    だんだんとハマっていく自分がいた。
    しょっちゅう読みたい感じでもないんだけど時々読みたい感じ。
    忘れた頃にまた別のこの作者の作品を読んでみよう。

  • 怪談ながらも色々な手法で
    とても楽しめる短編集です
    どれか一つは好みの怖さが
    見つかると思います。
    私は「城山界奇譚」」が
    よかったかな。ふんわり系です。
    あとは ちゃんと復讐がかなった
    「みどりの吐息」もすかっとします

  • 久しぶりに当たりを引いた気がします。宇佐美さん今後もよろしくお願いします。

  • 粒ぞろいの短編集。ホラーだけれど怖いと言うより悲しい話がほとんど。どれもすごみがある。さすが宇佐美作品・・・とため息がでました

著者プロフィール

愛媛県生まれ。2006年『るんびにの子供』で第1回『幽』怪談文学賞〈短編部門〉大賞を受賞。17年、ミステリー小説『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞する。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている。

「2017年 『角の生えた帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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