白昼夢の森の少女

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 534
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041060582

作品紹介・あらすじ

人間の身体を侵食していく植物が町を覆い尽くしたその先とは――表題作「白昼夢の森の少女」をはじめ、現実と異界のあわいをゆうゆうと飛び越える、ダークファンタジーの傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 10話からなる短編集。
    虚ろで物哀しい緩慢な恐怖。SFを思わせるものやなんと作者の実話も。
    自由な発想はそこしれないものがありました。

  • あとがきによると『本には収まらずに埋もれていた作品と、アンソロジーに収録された作品をあわせてまとめた』作品集らしい。
    なのでページ数もテイストも様々。
    個人的には初期作品のような、怖いけれどどこか切なく物悲しいようなテイストが好きなのだけど、パニックSFやブラックな話、ナンセンスなものが多かった。

    印象的だったのは表題作。
    突然伸びてきた植物の蔓に体を貫かれて繋がった人々。繋がったのは体だけでなく意識まで。
    大変な事態の筈なのに、人々の意識は静かで穏やかで夢のような世界。

    他に永遠に旅をする「銀の船」や、人と違う景色を見る「夕闇地蔵」も良かった。

    「和菓子のアンソロジー」は読んだはずなのに「古入道きたりて」はすっかり忘れている。和菓子がテーマだったとは。

  • タイトルと表紙から久しぶりにこの著者の作品を読む。短編集。ダークファンタジー。なんとも言えない後味感。私が抱く恒川氏のワールドイメージ通りかなあ。
    読みやすい。

  • コンティニューの話と相性が悪くて途中で放りだそうかと思ったが最後まで読んで良かった。緑禍された人は税金を払ってないとか難癖つけてくる人がいるとか、皮肉がきいてて面白い。

  • 久しぶりにこの作者の本を読んだけど、
    あいかわらずすぐに物語へと引き込む力を持っていて
    毎回ハズレがないなと思った。

    以前の幻想的な作品と比べると
    少々奇想天外な感じのものが増えた気がする。
    それでも違和感なく着地するのは
    やっぱり読んでいて楽しい。

  • 短編集。それこそ数ページで終わる短いものから、中編くらいのそれなりの分量のものまで。どの作品も恒川印がくっきりしていて、ベースはファンタジー寄りのホラー。表題作とかが結構好きだった。急繁殖した植物に取り込まれた人々の話。でもやっぱり、中長編が好きかな。

  • さまざまな媒体で発表されてきた短編を集めた一冊だ。
    著者があとがきで言っているように、各短編にあまりまとまりはないのだけれど、どの作品にも「恒川ワールド」があるのが読んでいてわかる。

    船に乗って時空を旅する話と、ひととは世界の見え方が異なる地蔵のような男の話が印象的だった。

  • 面白かった。未収録の話をまとめたようで、いろんなテイスト・長さの話が混在していたけど、どれも恒川さんらしいリアルな非現実を堪能できた。
    特に銀の船が好き。永遠に生きるっていうのは、楽しいもんではないのかもしれないね。

  • 短編10作。
    10年間に放った様々な作品たち。
    それぞれにそれぞれ。
    「銀の船」にような作品が読みたいなあ。

  • 待ちに待った恒川光太郎の最新作。いろんな媒体に載ったものを集めた短編集です。媒体によってページ数が違うので残りページで展開を想像しづらいという、わたくし好みのニッチな嬉しさもあります。
    さらにいつものふんわりと幻想的なタッチの作品もあれば、なかなかのダークファンタジーっぽいものもあり。バラエティに富んでおります。
    ただまあ「これが面白かった!!」という強く印象に残ったお話も残念ながらなかったかな、と。。。やっぱり恒川ワールドは長編のがっつりと楽しみたいかなーと。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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