何ものにも縛られないための政治学 権力の脱構成

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061251

作品紹介・あらすじ

カネにも、人間関係にも、国家にも、
縛られない。強制の理屈を破戒する。
あらゆる支配を打ち破れ!
『村に火をつけ、白痴になれ』で旋風を巻き起こしたアナキズム研究者が放つ、【無強制】の政治学!!

アナキズムとは、「支配されない状態」を目指すことだ。
“自由で民主主義的な社会”であるはずなのに、なぜ私たちはまったく自由を感じられないのか?
息苦しくなるほどに、束縛を感じてしまうのはなぜか?
 この不快な状況を打破する鍵がアナキズムだ。これは「支配されない状態」を目指す考えである。
【無強制の政治学】という視点から、過去の思想と実践をわかりやすく振り返りつつ、現代社会の支配のルールを破戒する!
カネに、人間関係に、社会に、国家に縛られない!! 社会契約をクーリングオフせよ。
ゼロ憲法を宣言せよ!
「神を突破せよ、この世界を罷免してやれ。さけべ、アナーキー!」

○一番たちが悪いのは、民主主義の名のもとに憲法制定権力をたちあげることだ。
○契約も交換も自明のことなんかじゃないんだ。
○なんどでも、権力の脱構成をやってやろう。etc.

感想・レビュー・書評

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  • 口が悪い
    読みにくいと思ったら、ひらがなが多い

  • (少なくともこの著者の言う)アナーキズムとは、リバタリアニズムの対極にある考え方だと思う。

    [目次]

    はじめに
    第一章 社会契約って、いつむすんだの?【サーリンズ/グレーバー】
    第二章 自由をぶっとばせ【シュティルナー】
    第三章 革命はただのっかるだけだ【バクーニン/ルイズ・ミシェル】
    第四章 革命はどうやっちゃいけないのか?【クロポトキン/マフノ】
    第五章 ゼロ憲法を宣言する【ランダウアー/クラストル】
    おわりに
    主要参考文献

  • 政治

  • アナーキスト列伝でありながら負債論やシュティルナーの概説をとっつきやすい文章で語り面白い。インフラが整備され権力により奴隷化され動員される生を権力から自由にするには戦闘的退却主義を取れと語る。

  • アナキズム、恐るべし。意識を変えろ、内なる革命を成し遂げろ!アナキズムとは、教育・道徳、これまで生きてきた常識や価値観をすべてひっくりかえさないと獲得できないほどめんどくさい思想である。アナーキストになることは、社会主義者になるよりむずかしい、たぶん。「この支配からの、トンズラだ」より「万国の労働者、団結せよ!」の方がしっくりくる。

    <ひとはありもしない未来のために、いまを犠牲にして生きている。時間の奴隷になるな><ひとはインフラなしじゃ生きていけない。権力はいまやこの世界のインフラのうちに存在する>なんて腹にストンと落ちるフレーズもある。でも、戦闘的退却主義だ!トンズラこそが最大の武器だ!っていわれたって、トンズラした先に、どんな未来がひらけるのか、いまひとつ想像できない。

    クロポトキンの相互扶助・協同社会はなんとなくイメージやすいのだが…。レベッカ・ソルニットも「災害がエリートを脅かす理由は、権力が災害現場にいる市井の人々に移るからだ」と災害を革命になぞらえた見方をしていたし、秋水だって、渡米中にサンフランシスコで大地震を体験して、市民が助け合う姿をみて無政府共産主義に転向したというし。

    結局、ジョン・レノンの「イマジン」を想いうかべてしまった。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。

「2018年 『狂い咲け、フリ-ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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