幻想の未来 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061329

作品紹介・あらすじ

あのときは、倒れ伏している私の周囲を、廃墟の幽鬼がとり巻いて歌い踊っていた――。放射能と炭素熱で破壊された大都会。極限状況で出逢った二人は、子をもうけたが。進化しきった人間の未来、生きていくために必要な要素は何か。「だけど俺たちは本能を持ってうまれてきてるんだ。生きて行こうとする本能だ。どんな環境に生まれてきたにしろ、本能を持っている限り種族の繁栄のために尽くすべきじゃないか。本能にしたがって行動をしていさえすれば、われわれは、知らない間にこの世界を改造していることになるんだ」(表題作)ほか、ふたりの印度人、アフリカの血、姉弟、ラッパを吹く弟、衛星一号、ミスター・サンドマン、時の女神、模倣空間、白き恋人の一〇編を収録。解説:山下洋輔。

感想・レビュー・書評

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  • 書かれている描写や内容は想像できるものの、面白くはなかった。
    おそらく自分が思い描いている作品の世界と作者が思い描いている世界が違うのかも。グロい生き物も出てきてるけどたぶん人それぞれ思い描いているものは違うので、想像力が強い人が楽しめるのかも。

  • 表題作超よかったです。SF的な壮大さや向かっていくベクトルに藤本タツキのファイアパンチを彷彿とさせた…。

  • 悠久の時と生と死と切なさがあった。

  • 表題作は大きな戦争で荒廃した地上に再び出た人類の行き着く先を幾世紀にも渡り書かれたもの。
    グロテスクな表現、奇怪な風貌の登場人物と読むのが苦痛でしたが読み進めて行くうちに情が沸いてきました。
    目的が分からない『ふたりの印度人』が地味に怖かったです。

  • 手持ちの筒井康隆短編で一番好きかも。
    暗く苦しいような重めの表現と、アホらしくて笑えるような軽めの表現のバランスが良かった。
    登場する生き物の醜さが愛おしかった。

  • あまり合わないな。

  • 怖めの輪廻の話が来ると分かっていながらも時の女神は妙にロマンチストと詩情が感じられて好きだった。
    白き異邦人もこれからくる未来を感じるけど昭和46年に書かれたのかと思うとはっとさせられた。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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