奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061374

作品紹介・あらすじ

霊の見える新人ホラー作家の熊野惣介は、怪奇小説雑誌『奇奇奇譚』の編集者・善知鳥とともに、新作のネタを探していた。心霊スポットを取材するなかで、姿はさまざまだが、同じ不気味な音を発する霊と立て続けに遭遇する。共通点を調べるうち、ふたりはある人物にたどり着く。霊たちはいったい何を伝えようとしているのか?

怖がり作家と最恐編集者のコンビが怪音声の謎に挑む、第24回日本ホラー小説大賞・優秀賞受賞作!

感想・レビュー・書評

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  • 第24回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作品。
    ホラー大賞…なのか?全然怖くなかった。登場人物はものすごく怖がっているけど、その怪異がもしかしたら自分の前に現れるかも…!というような怖さは全くなく、さらっと読了。
    作中の二人が目指す「斬新で、誰も見たことがなくて、それでいて腹の底を揺さぶるような、究極の恐怖たる作品」には程遠いと感じました。

  • 2編収録されているが後のほうの弱い作家と強い編集者との出会いを書いたエピソードのほうが面白く読めた。ただホラー小説としてはあまり怖くはなかったので今後シリーズ化されたら期待。

  • 題や表紙から最初感じたエンタメホラーな印象より、登場人物の心情に寄り添った、ホラーらしくもありホラーらしくもない話で、面白かったです。
    主人公コンビの掛け合いがくすりと面白いし、ホラーなシーンもぞくりと背筋に来るものがあって、楽しめました。細かくはどれもネタバレになってしまうのですが、怪奇(幽霊?)現象の解釈や文字・音に関するネタが物語を深くさせていて、怖いだけじゃない物語の結末が印象的。

    難点は、私の記憶力が悪いのか、時間の都合でぶつぎりで読んだのが悪いのか、主人公コンビの珍苗字の読みが最後まで覚えられずに…。2人の能力に意味があるのかなと考えながら読んでいたのですが、本筋とはあまり関係がなかったのね。
    次があるなら、そこも絡んでくるのかな。
    そんな所を含めても続きを読んでみたい作品でした。

  • 怖がりなホラー作家の主人公と鬼畜編集者の2人が、「究極のホラー小説」を求めてネタを探しに心霊スポットを巡っていく話。

    この主人公のホラー作家・熊野(ゆや)さんは、霊が「みえ」て、感じられる人。
    彼の担当編集者の善知鳥(うとう)さんは、霊がみえないけど霊に「強い」人。
    収録されている二編のうち、『幽霊のコンテクスト』はホラースポットを巡りながら小説のネタを探していくうちに、出会った霊たちのある共通点に気付き、その謎を解明していく話で、『逆さ霊の怪』では2人の出会いが描かれた話。
    二編とも、非現実的な「霊」との怪奇現象が起こるのですが、その「霊」の概念が(個人的に)覆される話でもありました。この小説内で語られる「霊」は、ただの「霊」ではないです。
    そしてただのホラー小説じゃないです。かなりコメディ色が強い。
    超絶ビビリな私でも読了できたので、怖がりな方も大丈夫なホラー小説だと思います。

    特に熊野さんが、怖がりなのに頑張って霊たちの言葉を理解しようとする姿がとても健気。自分を怖がらせた霊なのに「あの子」とか「あのこたち」って言うのが可愛い…そして優しい。
    一方の善知鳥さんは、初っ端から人にも霊にも容赦ないところが笑えました。(時々熊野さんがあまりにも可哀想に思える所も)

    私は2人の出会いを描いた『逆さ霊の怪』の方が好き。
    熊野さんが幽霊を恐れる理由とか描写があり、善知鳥さんの鬼畜度がこちらの方が高くて恐かった。
    そして何より「霊」の正体に驚きました。
    そういうのもあるのか…!と。

    ホラーだけどコメディ、少し切ないけど読了後は少し温かい、正反対だけど相性の良い2人組小説でした。

  • 新人ホラー作家は霊が見え、担当は霊を寄せ付けない。

    王道のようなコンビです。
    そして目の前にネタが転がっているうえに
    断らなくても大丈夫、という状態なら
    そのまま書いても問題なし、な気がします。
    そのネタが被ったら? というのは問題ですが
    ネタのはずの幽霊(?)が出てきたら? な状態。

    ミステリーホラー、の分類なのでしょうか。
    当然の事ながら、思いもよならない真相で
    若干の拍子抜け、はありました。

  • 幽霊が見えてその幽霊が怖いホラー作家と幽霊に強い編集者コンビが小説のネタを得るために怪異を調査するというお話。

    ホラー小説と言いながらあまり怖くないのが残念だった。

  • この本、読んだことがある気がする…と思ったけど、逆さ霊の方は初読み。いつ読んだのか、謎だなぁ。
    凸凹コンビがいいと思います。

  • 『娯楽』★★★★☆ 8
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★☆☆ 6
    「人物」★★★☆☆ 3
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★☆☆☆ 2
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★★☆ 8
    『印象』★★★☆☆ 6

    《総合》67 C+

  • 中学生にウケそうなホラーを探していてこちらを。
    全然怖くなかったので、
    初心者におすすめしてみよう。


    どちらかというとキャラクターものの分類で、
    ラノベが好きな子達が喜びそう。

    ちゃんと怪異が描かれているのに、なぜか文字の上を目が滑って、怖くなかった。なんでだろう。

  • 今日も幽霊が見える怖がりなホラー作家熊野ははネタ収集のために心霊スポットに赴く。不本意だが仕方がない、だってお化けより編集者の方が恐ろしいから! 噂が先行する不可思議な心霊スポットに困惑する熊野がたどり着いた真実とは。 幽霊見えるが怖くて仕方がない作家と幽霊は見えないが蹴散らせる編集者というコンビは良かった。ジャンルはホラーとなっているが、露骨に怖い幽霊が出てきたりというわけではなく、怖い物見たくて読むには不向き。幽霊を轢き殺したり、トイレに流すっていうくだりは編集者強すぎだろって笑いながら突っ込んだ。

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著者プロフィール

◆著者
木犀あこ(もくせい・あこ)
1983年徳島県生まれ。奈良女子大学文学部卒。2017年『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』で第24回日本ホラー小説大賞優秀賞を受賞しデビュー。著書に『美食亭グストーの特別料理』(KADOKAWA)、『ホテル・ウィンチェスターと444人の亡霊』(講談社)などがある。

「2023年 『世界一くだらない謎を解く探偵のまったり事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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