虚栄 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 108
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061404

作品紹介・あらすじ

診断から死まで二カ月。凶悪な「変異がん」が蔓延、政府はがん治療のエキスパートを結集、治療開発の国家プロジェクトを開始。手術か、抗がん剤か、放射線治療か、免疫療法か。しかしそれぞれの科は敵対し。

感想・レビュー・書評

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  • 現役医師ならではの、専門知識に満ちた医療小説。
    次々と専門用語が飛び出し、治療法が語られ、読んでいるだけで、がんに関する知識が身につく!?
    増殖遺伝子の制御。がん幹細胞。センチネル・リンパ節。電磁波がん凶悪説。真がん・偽がん説。・・・etc
    小説は、国内でがんの凶悪化が問題視され、その対処のため時の総理大臣の肝いりで”プロジェクトG4が結成される。
    手術でがんそのものを取り除く外科、抗がん剤等薬で治療する内科、がんに放射線を当て治療する放射線科、がんを攻撃する免疫細胞の攻撃力を高める免疫療法科。
    この四科の医師たちがそれぞれの優位性を誇り、様々な手を使い、策を巡らす。
    やがて、がんを研究する医師たち自身、それにがんを取材するジャーナリストたちが、次々とがんに侵されてゆく。
    この先どうなるのか、すぐさま下巻に取りかからねば。

  • 久坂部羊『虚栄 上』角川文庫。

    さすがは現役医師の作家というだけのことはあり、専門的な医療に関する描写も非常に解り易く、生々しいリアリティを感じる面白い作品である。

    最初は医療ミステリーなのだろうかと思いながら読んでいたのだが、途中から『がん』を主人公にした作品ではないかと思うようになった。登場人物が次々とがんに罹患していくのだ。最近、がんに罹患した知人や親戚の話を聞く。それだけに、身近な恐ろしさを感じる作品でもある。

    凶悪がん治療の国家プロジェクトを巡り、覇権争いを続ける、がん治療に関わる医師たち。患者のことなど全く考えずに、自分たちの立場を守り、覇権を手にすることだけを考える医師たちの姿は現代の政治家の姿とも重なる。下巻では一体どんな展開が待っているのか…

  • 感想は下でまとめて。4の下。

  • 内閣総理大臣の肝いりで立ち上がった、凶悪がん治療国家プロジェクト・G4。外科、内科、放射線科、免疫療法科は互いに協力し、がん治療開発に挑むはずが、四派は利権にこだわり、プロジェクトは覇権争いの場と化してしまう。功績を焦る消化器外科の黒木准教授は、手術支援ロボットHALによる手術で外科を優位に導こうとするが、術後に患者が急変、死亡してしまう。同席した講師・雪野は、ことを荒立てるなと言い含められるが。

  • 内閣総理大臣の肝いりで立ち上がった、凶悪がん治療国家プロジェクト・G4。外科、内科、放射線科、免疫療法科は互いに協力し、がん治療開発に挑むはずが、四派は利権にこだわり、プロジェクトは覇権争いの場と化してしまう。功績を焦る消化器外科の黒木准教授は、手術支援ロボットHALによる手術で外科を優位に導こうとするが、術後に患者が急変、死亡してしまう。同席した講師・雪野は、ことを荒立てるなと言い含められるが。

  • 結局,人の上に立つ者に求められるのは,第一にノブレスオブリージュなのだが,人という生き物は太古の昔からやっていることが変わらない.

  • 下巻にまとめた

  • 前半は医療の話が難しくて挫折しそうになったけど、後半になるにつれて主要メンバーが次々と!な展開でやっと面白くなってきた。
    下巻に期待!

  • 2018 3/31

  • 専門的な部分の話は‥‥うう 難しい‥‥
    内科でも外科でも何でもいいから病気を治して欲しい、医者にかかる時の思いはそれだけなのに。国家プロジェクトともなるとイニシアチブを取るのに汲々とし始めるのが普通とは思いたくない。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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