- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041061558
作品紹介・あらすじ
百崎日向は結婚が決まり、十年ぶりに故郷の竹之山を訪ねようとしていた。日向には小学校卒業までの記憶がほとんどなかったが夕陽に照らされる雪景色だけは覚えていた。日向は駅のホームで親友だったと語る相原沙耶子と出会う。突然、電車内を暗闇が覆い、日向は気を失う。目覚めるといつの間にか夜の竹之山駅にいた。人がまったくいない、明らかに異世界の竹之山駅の外には雪が積もり始めた女性の死体があり、その手には謎の手紙が握られており、竹之山温泉へ向かうよう書かれていた。襲いかかってくる黒い影から逃げながら、この出られない世界からなんとか脱出しようと温泉街をさまよう。日向の婚約者である神原正樹は、消えた日向を探し始める。繰り返される残酷な悪夢、一体この町で何があったのか。失った記憶を取り戻したとき、真の恐怖が日向を襲う――。戦慄のノンストップホラー。涙なしには読めない衝撃のラスト!書店員様より「これは最高に怖い!」(TSUTAYA三軒茶屋店 栗俣力也氏)と大絶賛。
感想・レビュー・書評
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短い作品だったけど恐怖がギュッと閉じ込められてる。夏にぴったりのホラー小説。闇堕ち前の沙耶子が好きです。
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ホラーゲームのような小説……。
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ホラーホラーしたほらーが読みたいなあ。
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2017年作。第24回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作品。
ストーリーはあまり陳腐なものでもなく、なかなか良かった。ラスト3分の1から、次々と明かされていく「真相」も意外性があり、ショッキングだった。
が、文章力が弱い。グロテスクな場面もあるのだが、小林泰三さんのような明快さに欠け、そのように映像の描写が下手なために、どういう状態なのかよく分からないところが幾つもあった。
今ひとつな文章をもっと上達させれば、本作は傑作になったのではないか。ストーリーが良かったので、惜しい感じだ。 -
#読了 序盤なかなか物語に入り込めず、場面転換も頻回でめまぐるしい。後半は慣れてきたのかそれに煩わされることもなく、日向の過去も判明してきて面白くなった。
想像できた結末だったけれど、後味の悪さは良かった。 -
初めましての作家さん。
ハラサキ」という都市伝説ホラーかと思ったら、
主人公のみが標的のピンポイントで異界から脱出する話?
主人公の日向には幼い頃の記憶が抜け落ちている。
それが少しずつ明らかになっていくのはいいんだけど、
明らかになる記憶が最悪。
主人公に感情移入できないって最悪ですよねぇ。
読後感も最悪。
惜しいというか、微妙というか(^◇^;) -
序盤は読んで居てもイメージが沸かなくて退屈でしたが、話が進むに連れていつの間にか夢中になっていました。
特にラストは…参りました。 -
二転三転しながらもドロドロとしたものを短い中にも凝縮して書き切った内容.
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日本ホラー小説大賞読者賞受賞作。婚約者と共に故郷を訪れた若い女性が怪異に巻き込まれるホラー。都市伝説めいた「ハラサキ」という言葉、彼女の失われた記憶、徐々にゲームステージをクリアするかのような異世界、とスリリングな要素が満載です。
少しずつ明らかになっていく過去の事件の凄惨さと、それに見合う罪と罰。だけどこれって、いったい誰が悪かったんだろう……? 徐々に狂っていくようなヒロインの心境もなんだか不安に満ちていて、いったいどうなるのかと思っていましたが。……ああ、やっぱりこうなるかあ。やりきれない物語ではあるけれど、ホラー好きとしてはやはりこういうのは良いですねえ。