迷い家

著者 :
  • KADOKAWA
3.43
  • (2)
  • (6)
  • (12)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 62
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061602

作品紹介・あらすじ

===
第24回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作
(選考委員:綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき)

綾辻行人「作品に強烈な“圧”がみなぎっている」
貴志祐介「エンタメ=壮大な虚構の極北として感動すら覚えた」
宮部みゆき「作者の物怪に対する愛情と、この分野の先達へのリスペクトが感じられた」
(選評より)


ここは迷い家。妖と霊宝を隠世(かくりよ)に閉じ込める屋敷――

昭和20年。火の雨降る東京大空襲から生き残った少年・冬野心造は、遅れて母校の集団疎開に合流した。
民話が息づく地・古森塚で、妹の真那子が行方不明となる。
妹と一緒に脱走を図った香苗の証言を基に山に分け入った心造の前に忽然と現れたのは、見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。
妹を捜して屋敷を探索するが、妖怪とでも言うべき怪物に次々と襲撃される心造。彼を助けたのは、老犬「しっぺい太郎」だった。
しっぺい太郎が語るには、屋敷は現世を追われた妖や、霊宝と言われる道具を封じるための異界で、稀に人も閉じ込められるという。
妹探しに協力してくれるという太郎だったが、そこにはあるたくらみがあった。
そして、脱出を図り様々な霊宝を使ううちに、大日本帝国の勝利を願う軍国少年としての紅蓮の野望が、心造の心に芽生えてくる。果たして心造が試みたことは、その結末は……。
 ◆ 
時代は下り、古森塚で教師になった香苗。街は、東京オリンピック決定で浮かれている。
香苗には、どうしてもぼやけてしまう疎開時代の記憶があった。
ある日、病院から姿を消した義父の後を追い山に入った香苗は、山中で巨大な屋敷を発見し……。

少年の哀しき紅蓮の野望が怪異まみれの「お屋敷」と共振する、新時代の怪奇冒険小説!


『遠野物語』はじめ様々な民話伝承を壮大な物語に取り込み、
清濁と、今昔と、栄枯と、虚実と、人と怪とを併せ呑んだ規格外の山怪譚。


装画=漆原友紀(『蟲師』『水域』ほか)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 図書館で借りた本。千里眼を持つ婆様、探し物や未来の事など全て見える婆様は村人たちに重宝されお礼に米をもらいながら生活していたのだが、呆け気味になり村人個人の未来を大声で喚くようになってしまい、村人たちは婆様を担いで山に捨てに行く。その話を疎開してきた子供達に夜話として聞かせていた。
    ある日、子供が山で行方不明となり神隠しに遭ったのでは?という展開から恐ろしい話に物語は続いていく。遠野物語や妖怪伝説、霊宝などたくさん散りばめられた読み応えある本だった。

  • 戦争中、ある山里に疎開した兄・冬野心造と妹・真那子。
    父と母のいる東京を目指し、綾織香苗と共に脱走した真那子だが、
    山から見つかったのは香苗だけだった。
    妹を探しに山に入った心造は不思議な霧に包まれ大きな屋敷に迷い込む。
    しかしそこは魑魅魍魎のいる妖の館で…

    前半おもしろかったんだけどな~
    後半がなんか期待外れ感がすごい。

    深夜のアニメとかになりそう。

  • ふわっとした出だしから始まり、
    途中はこのさきどうなるんだろうという
    ワクワク感があったけど、
    うまく収束できなかったように思った。

    途中は大傑作かもと思ってたんだけど。。

  • 戦時中の疎開の話や 空襲などかなりの迫力で書かれていて
    精神的 肉体的な追い詰められ感・屋敷での妖怪との攻防
    ずっと 圧力が高いです 怖いです
    壮大な話なので一冊に収めてあるのがもったいないくらい
    霊宝の説明書きが古文書風で楽しめました

  • なるほど、霊宝というアイテムの解説がたくさん出てくるところとか、ゲームっぽさを感じる楽しさはあったかな。やや冗長な印象もあるんだけど、どっぷり浸る人にはたまらない魅力があったんじゃないだろうか。物語としても、けっこう面白かったと思う。俺の印象としては、ホラーというよりも、戦争の悲劇と民俗学的な怪談の融合、かな。長いとは言ったけど、先を読み続けようと思わせるだけの魅力があったと思う。

  • 読み口としてはホラーというより、冒険物語っぽい。壮大な骨組みのわりに詰めが甘いのか広がりの弱さが気になってしまった。作者の妖や先人たちに対する尊敬の念は伝わってくるけれど、霊宝の説明が多すぎるあたりとか、ストーリー全体の流れをうまく掴めなく、少し残念。

  • 表紙を少し遠くから見ると後ろ姿に見えるのがさらに怖い。
    昔話のしっぺい太郎の闇落ちした姿が衝撃。

  • 東京大空襲で母を喪い疎開先で暮らす兄妹。
    同じ境遇の少女と妹が疎開先を脱走し、行方を絶つ。
    捜索のため山に入った兄を迎えたのは、数えきれない霊宝を蔵する屋敷だった…

    アイテムとしての霊宝がうまく効いている。
    屋敷に飲み込まれ変化していく兄、しかし彼を変えたのは霊宝ではなく時代の狂気だ。ホラーが本質に持つ物悲しさが凝縮されている佳作。

  • 戦争で親を亡くした子がいなかったら、まだ現世に存在していたかも?人の欲は果てしない。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1987年京都府生まれ、大阪府在住。龍谷大学法学部卒。現在、介護士。2017年、「迷い家」で第24回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞し、デビュー。

「2017年 『迷い家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

迷い家のその他の作品

迷い家 (角川書店単行本) Kindle版 迷い家 (角川書店単行本) 山吹静吽

山吹静吽の作品

ツイートする