ヘブンメイカー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.08
  • (4)
  • (18)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 71
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061640

作品紹介・あらすじ

気が付くと殺風景な部屋にいた高校二年生の鐘松孝平。彼は横須賀にむかってバイクを飛ばしている最中に、トラックに幅寄せされ……その後の記憶はなかった。建物の外には他にも多くの人々がおり、それぞれ別の時代と場所から、「死者の町」と名付けられたこの地にたどり着いたという。彼らは探検隊を結成し、町の外に足を踏み出す。一方、片思いの相手を亡くし自暴自棄になった大学生の佐伯逸輝は、藤沢市の砂浜を歩いていたところ奇妙な男に勧められクジを引くと――いつのまにか見知らぬ地に立ち、“10の願い"を叶えることができるスターボードという板を手渡された。佐伯は己の理想の世界を思い描き、異世界を駆け巡ってゆく……。興奮と感動をよぶ、渾身のファンタジー長編!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 恒川氏は長編の方がいいですね。物語に入り込んでしまって一気読みでした。

  • 死者を蘇らせて
    出来なかった未来をつくりたかっただけなのに
    佐伯逸輝の世界はこうも悲しいかね。

    対して死んだはずの
    鐘松孝平は1つつづ世界を構築して行く感じが
    貪欲で見守っていたくなる。

    徐々に2つの話が混じり始めた時

    どうか2人に幸あれと願うけど
    叶わないこともわかっていて(特にサージイツキには)

    ただエピローグで前作のあの人も出てきて

    ほうほう。サーガが繋がってきましたなぁと。

    多分いつか
    マキオ目線の話は描くのだろうけど
    それも楽しみ。

  • スタープレイヤーの続編を期待して読んだら時間を遡っていた。スタープレイヤーよりも昔の話。一瞬だけ期待外れの感じがあったような気がしたかと思えば、一作目同様すぐにお話の中に引き込まれた。前回も今回も、導入はあんまり盛り上がらないけど、最終的には、あぁ面白かった、という読後感になるのが不思議。まだまだ続くと良いのだけれど。
    180217

  • とてつもない心地よい疲れ…
    長旅を終えた感覚

    前作のスタープレイヤーで触れられたヘブンにまつわる
    壮大な内容だった
    寓話的であり、かと思えば地に足のついた泥臭さもあり
    それでもひたすらに楽園を目指すような
    夢のような話だった





    ふとネタバレなぼやきがひとつだけ





    華屋の死亡保険はどうなったんだろうか…
    一応機能は生きてはいるはずだけど
    どう使われたのか気になるところ
    第3の人生を歩んだのかな

  • スタープレーヤーの第2弾!
    今回の主人公は好きな子が殺されて途方にくれる大学生!

    前作に続き10個の願いもドンドンレベルアップ!!!

    スタープレーヤーの佐伯逸輝の物語と、死者の街で暮らす鐘松孝平の物語が交互に混じり合って行きます。

    シリーズ化に期待します!


    因みに私がスタープレーヤーだったら
    半径5キロの外周部に高さ500メートルの塀を配置してその中に大きな図書館と博物館と美術館と体育館とタワーのようなマンションと公園と果樹園を作り健康で強靭で若い身体と10年で一歳しか歳をとらない身体を望みます。
    勿論人に迷惑をかけたくないので誰も呼びません。


    2017年100冊目!!!!

  • 第1作にも出てきたヘブンが作られた時代の話。
    作品自体は、スタープレイヤーである佐伯逸輝のサージ・イッキ・クロニクルと、死者の町の話が交互になっていることにより、テンポよく読みやすくなっている。
    物語自体も面白いのだが、何より何でもできるはずの佐伯逸輝の苦悩と、何もわからないことにより希望をもって動き出す死者たちの対比が印象的だった。

  • 『スタープレイヤー』の続編というか第二弾。時間軸的にはこちらのほうが1作目よりも昔の話になる。1作目のヒロイン夕月が、先輩プレイヤーのマキオから聞かされた話の中に「ヘブン」という複数のスタープレイヤーが統治している都市国家の存在はすでに登場しており、今作はその「ヘブン」の創生の歴史が明かされる物語になっている。

    恋人・華屋律子をストーカーと化した彼女の元カレに殺害され絶望の底にいる大学生・佐伯逸輝は、夕月の場合と同じく突然現れた白い男にクジを引かされ、1等スタープレイヤーを引き当てて見知らぬ惑星に飛ばされ10の願いを叶えてもらえることとなる。逸輝がスタープレイヤーとしてどう願いを使ったかが自伝的に語られる「サージイッキクロニクル」と、バイクで死んだはずなのに見知らぬ町で蘇った高校生・孝平が、おなじく蘇った3千人強の死者たちと一緒に世界の秘密を探り自治都市を作っていく冒険譚が交互に語られる構成。予測はついたけど、両者の繋がりが解る瞬間は気持ちいい。

    真っ先に自分自身を「整形」することに願いを使った女性の夕月と違い、逸輝はまず、殺された恋人を召喚することを考えるのだけど、これがそもそも間違いの素・・・というか、まあ急に知らない世界に連れてこられて戸惑うのはわかるけど、律子の自己中さには終始イライラさせられた。

    逸輝はフランス人スタープレイヤーのレオナルドと出会うことでこの世界の知識を得、謎の宗教(おそらく古い世代のスタープレイヤーが複数関わっている)のエライ僧侶の地位をもらったりしつつ、彼もまたマキオと出会う。この時点でのマキオはまだ放浪中、最初の願いで作ったのが「わんにゃん王国」だったことなど、どこまでジョークかわからないけど、百戦錬磨のベテランプレーヤーマキオといえども初期はそんなはちゃめちゃなことをしていたのかと思うと微笑ましい。

    やがて逸輝は壮大な「バベル」を作ることを計画、在来民同志の人種差別や戦争に巻き込まれ・・・最終的にスタープレイヤーとして最後の願いをあることに使う決心をする。万能の神のように崇められながら結局いつも孤独だった、彼が最期に選んだ願いの結果はとてもさみしい。

    一方、孝平のパートは新しい国家を作ろうとした前向きで善良な人々の冒険と建国のワクワク感に溢れている。彼らはスタープレイヤーではないけれど、自力で願いを叶えていこうとする、まさにヘブンメイカー。

    スター=願い、をどのように使うかは、個性が出ていて今回も面白かった。作中でも、誰かが当たり前におもいついたアイデアが別のプレイヤーにしたら目からウロコの奇想天外なアイデアだったりすると言われていますが、まさにそれ。逸輝が比較的序盤でかけておいた「保険」が終盤効いてくるところなど流石。あとやっぱマキオの発想も抜群(わんにゃん王国は置いといて)。

    とにかく読み物として面白く、ほぼ一気読み。まだまだシリーズは続きそう。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2018年 『滅びの園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘブンメイカー (角川文庫)のその他の作品

恒川光太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
恩田 陸
恒川 光太郎
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする