猫たちの色メガネ

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 196
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061800

作品紹介・あらすじ

さばみけしろくろはちわれぶちちゃとら。猫のまばたきひとつで、地球は止まる。疲れた心をでんぐり返す、不思議で毛だらけな27の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 浅生鴨さんといえば、NHK の公式 Twitter アカウント「@NHK_PR」の中の人第一号として有名になられた方です。

    東日本大震災のときに NHK の番組が無断でネット配信されているのを、独断にて Twitter で情報拡散してしまったとして、物議を醸しました。

    「今は何よりも、どんな方法であれ、情報を求める人たちに伝えることが大事だ」との判断だったとしています。その覚悟と潔さがカッコいいと多くの支持を集めました。

    そのあたりの経緯については、「中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい(NHK_PR1号)」に書かれているので読まれてみるとよいかと思います。私自身、このときのことが書かれている本や記事などを読むと、今でも涙が止まらなくなります。

    普段の @NHK_PR さんのツイートというと、まあ、本当に「ユルい」のです。現在、様々な企業が公式アカウントを持ち、それを単なる宣伝に利用するのだけではなく、中の人のパーソナリティを出しながら、「フォロワーと会話をするようにつながっていく」というやり方が広まったのは、NHK_PR 1号さんがきっかけであったと言っても過言ではないでしょう。著書のタイトルにもなっている「中の人などいない」という名言(?)も、ツイートがきっかけで生まれたんですよね。

    そんな NHK_PR1号さんは、2014年に NHK を退職され、「浅生鴨」さんのペンネームで作家をされています。その最新刊が2017年9月に出版された「猫たちの色メガネ」になります。まあ、この本、 Twitter で見る鴨さんらしい変態っぷりでほんと面白いんですよね(笑)

    私もいつも思うのです。
    私たちは私たちのメガネを通して世界を見ている、と。
    では、もし私たちが別のメガネをかけて世界を見たとしたなら。
    それはとても滑稽で狂気でちょっと奇妙な世界なのかもしれません。

    でもきっと…そこにはたくさんの形の「幸せ」があるのではないかと思うのです。

    「小説とはこれでいいのだ」

    そんなことを思わせてくれる短編集です。


    まあ、ほんとにくだらない(と言ったら失礼だけど・笑)ので、笑いながら、でもちょっと考えさせられてしまうような、そんな不思議な感覚を楽しみながら読んでいます。

    浅生鴨さんとの出会いに感謝ですね。

    ちなみに、浅生鴨さんのペンネームは、「あ、そうかも」が口癖だったから、とおっしゃっています(笑)

  • ゆるくて不思議でふふふとおかしい不条理ショートショート。

    一見ふつうに始まる物語がどんどんおかしな方向に膨らんで、最後には思いもつかなかった大きさになっている想像力の拡張具合が気持ち良い。

    星新一のようでもあり、「夢で会いましょう」の村上春樹や糸井重里みたいでもあり。

    肩の力の抜け具合も快適。
    けど、その分かるく読めてしまってあとあとまで記憶に残らないかもしれない。

    寝る前に1つずつ読むとか、そういうのが良さそう。運が良ければ夢に出るかも。

  • 話の中で必ず猫が登場する27の掌編。世にも奇妙な物語と星新一のショートショートの間をいくような天才浅生鴨さんのオリジナリティ溢れる才気溢れる短編集。感情や予想を大きく裏切られる展開が徐々に癖になる。出来ないものもあるがそれこそNHKやEテレなんかで映像化したら話題になりそう。「親しげな店員」や「鍵穴パブ」「野性的な彼氏」辺りが特に面白かった。

  • 猫が出てくるショートショート。パニック系が多いなか『空気入れ』が良かった。読後に著者が@NHK_PRの中の人と知ってびっくりした。

  • クスッと笑う。ザワッとする。

  • 星新一さんのショートショートを思い出した。どのお話にも猫が出て来て可愛かった。お話によっては化け猫を連想させるものもあって、面白かった。きっと著者さんは猫好きなんだろうなぁ。

  • 27篇の短いお話。
    シュール。猫はあまり活躍しない。

  • 猫が通りすがるだけのSS集。
    NHKPR1号さんことあそうかもさんの、どこか空に飛んでいる感のある話が色々。

    SSって、思考の一部を異次元に飛ばさないと書けないのかしらんとたまに思うのです。

    猫は活躍しませんが確実な存在感を持って、登場人物たちを観察しています。
    多分ただみてるだけのような気もしますが。

    なお私は猫か犬かというと犬派です。
    もっと正確にはうさぎ派です。

  • 微妙な感じの話ばかりだった。

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著者プロフィール

作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に、広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『伴走者』、『どこでもない場所』、『ぼくらは嘘でつながっている。』『すべては一度きり』『たった二分の楽園』『三万年後に朝食を』など。同人活動として『雨は五分後にやんで』『牛し本』などの展開も。座右の銘は「棚からぼた餅」。

「2024年 『浅生鴨短篇小説集 四メートルの過去』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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