異世界迷宮でハーレムを (1) (角川コミックス・エース)

氷樹一世 四季童子 蘇我捨恥

• KADOKAWA (2017年11月25日発売)

作品紹介・あらすじ

怪しげなウェブサイトでゲームキャラメイクをしたら何故か異世界で目覚めた道夫。しかしその世界の「奴隷」制度を知った道夫はゲーム設定時に獲得したスキルを使い夢のハーレム生活を送るため冒険に出るのだった！

感想・レビュー・書評

[鴇崎 昇さんの感想 · 2023年5月10日]

ゲームの世界へ入ったり転生したりする系統の物語を押さえておきたく、読んでみました。
後述しますが、食わず嫌いせずこういう構造をとる物語が一度何を描こうとしているか確認しておこうと思っています。

◆ゲーム世界
まず、ゲームに入る、ゲームと全く同じ世界に転生する系統の物語は好みません。
しかしそういう物語を多く読んで結論に至ったというよりは、理念的に受け付けにくいところがある、つまり食わず嫌いをしていました。
この機に一度向き合ってみようというのが、本作を読むきっかけです。

さて、この系統の物語を好まない理由は、こういう物語の世界には「恣意的な神」が存在するとみなしているためです。
ここで言う神とは、その世界において恣意的に特定の事象に干渉可能な存在、ありていに言えば、制作者やゲームマスターなどの存在です。
私たちの生きる世界でも人々に対し比較的大きな影響力を持つ存在はいるでしょうが、その力はここで言う神には遠く及ばないでしょう。
現実世界では、神の存在は（不在もですが）証明不可能です。
としたとき、わざわざこの世界を捨て、強制と同義の強い影響力を持つ神の存在する世界へ行きたいか？
私は行きたくない。
ゆえに、現実を捨てゲーム世界（神の存在する世界）へ入ったり転生したりする物語の感性には共感しえないし、「この世界で生きていこう」となるのは全く意味不明です。

とはいえ、既に物語フォーマットとして定着し、拡張していっている物語群だとは思うので、私の感覚が古いのもまた、明確なんですよね。
ゲーム世界をベースにしていて、仕掛け人はいるけど神はいないっぽい物語で、好きな作品もありますし。
もはや物語のフォーカスは神から外れているのが現状でしょう。
というわけで、この系譜で昨今の物語の古典のひとつと思われる本作から、何かを掴んだり、理解できる文脈、楽しめる文脈を探していこうという試みです。
（ここまで1話の感想）

◆プロローグとか
うーん、神がいる世界なのか、仕掛け人がいるだけの物語なのか。
自殺を引き留める広告から異世界へ放り込む感じ、個人的にはドラえもんの「ブリキの迷宮」の導入みたいだなと思いながら読んでいました。（あれは自殺でなく旅行の広告ですが）
ただやはり、自殺を考えていたのに、別の世界に来たら「生きていこう」となるのがよくわからない。
目的意識がない人生の中で自殺を考えていたのなら、異世界に来ても生きる動機がないんだし、すぐ死ねよと思ってしまう。
（動機の乏しい異世界転生物に、いまいち納得感が感じられない）
また、もし元の人生で強い目的意識があり、それが制限されたり、達成できなくなったことによって自殺を考えたなら理解できるが、異世界へ来た（環境変化）時点でそれを達成しようとする物語になるべきと思える。
まぁ、かなりきついことを言っている自覚はあるんだけど、うーん、なんだかなぁ。

◆盗賊と倫理
この世界の倫理やルールは、今後明かされていく感じかな。
なんか、盗賊であることがかなり強いペナルティとして効いている印象。
ミチオは冒頭でバンバン人を殺したけど、清算はされるのかな？
必ずしもされるべきとは思わないけど、バランスが奇妙なので気にして読んでいきたいです。

◆エロ
絵柄的に、肉付きがしっかりしているのが良いですね。
最近は足が細いと、「子供の足だなー」と感じて、こう、胸に来ないのですよね。

◆何を満たす物語か
まぁエロでしょうけど、語るまでもなくエロでしょうけど。
「人は他種族との間に子をもうけることはできません」
子供を作ることは家族を作ることなので、社会的な幸福を描く物語の要素として重要だろうと思っています。
だからこの台詞の通り物語を走っていくなら、そういう社会的幸福は目指さず、もっとプリミティブな幸福（つーかエロ）を求める物語なのかなと。
人の奴隷が出てくるか、扱いはどうか、というところで確認していけそうかなと思っています。

[潔さんの感想 · 2022年11月8日]

まあ設定としては普通やねぇ(^^;

[ねこっかわーさんの感想 · 2022年6月12日]

そこまではまらなかったー

[hidebohさんの感想 · 2019年5月5日]

～4巻
エロい描写が無くてもいけそう。