俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ (角川文庫)

著者 :
制作 : サマミヤ アカザ 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 40
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062388

作品紹介・あらすじ

売れない舞台役者麦倉は、オーディションを受けまくる毎日。そんな中、話題の2.5次元舞台「ヴァンパイア・ドライブ」のオーディションに合格するが・・・・・・友情、裏切り、過酷な競争が謎を呼ぶ!

感想・レビュー・書評

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  • 面白いです。と思います。
    タイトルに「探偵」とあるしミステリーだと紹介されているのですが、論理とかの他愛なさはいっそ挑戦的なほどでした。
    私は「佐藤友哉だから」という理由で手に取ったクチなので、なんら違和感はなく、むしろこの虚構と現実の喰らい合いみたいな様がスリリングで楽しかったです。

    第三幕「観ると死ぬ舞台」がやはりとても好きです。
    『猫の首』の真相をどう受け止めるか、意見分かれそうですが、私は信仰するみたいに納得してしまう。ちょっと大げさかなと思いつつ、薔薇の名前に似た種類の衝撃でした。その犯罪(といっていいのか)の、純度の高い美しさ。

    この作品、ジャンル分けするならなんでしょう……青春小説とかになるのでしょうか。
    でも私なら、ほんのひとつふたつの文章を拠り所にして文学だという。
    大団円の、死ぬまでつづく幸福の件とかけっこうな号泣しましたし。
    水口との殴り合いを経た後の
    >日常生活は完成された。
    だなんてもう、まだ2月始まったばかりで気が早いですが、2018年私に刺さった文章ベスト入り確実です。痛いよう。方向性が違うけれど、作中の言葉を借りればまさに「電流」的で、このまま間もなく完成されてしまうと怯えている身にとっては。
    電流と言えば、兄に初めて芝居を観に連れて行ってもらったエピソードそのものが、絶大な電気を帯びていると思う。だから一見、フィクション的ストレートに思えるムギ君の精神の遍歴(?)が、他にはない説得力を持っている。

    なんだか曖昧な言い方ばかりしてしまったけれど、要約すると「あー私やっぱ佐藤友哉書くもの好きなんだなー!」ということです。

    がんばれムギ君。シカ君も。
    今、読めて良かった。

  • ムギくんの歪んだ低空安定志向は自己投影してしまう。
    屁理屈の正論で自分を雁字搦めにして、正当化して、言い訳して、冒険はなく完璧さが、無敵さがそこにはある。
    だけどそれは常に同じ所にいるだけで、
    誰かと繋がることも、進むことも、残ることもない。
    この爆発しそうな自己顕示欲と生き抜くためには
    このすばらしい地獄を受け入れて進んでいくしかない。
    相変わらず言い回しが心地よかった。

  • 久しぶりのミステリ作品。
    相変わらず謎解きはあんまり練られたものではない。

    青春小説としての印象の方が深め。
    成功することの苦しみ、認められないことの苦しみ。
    未だに作者がもがいてるのが伝わる。

    個人的にはもっと純文学した作品が読みたい。

  • ん~、ん~、ビミョー。キャラは悪くないけど…。主人公よりワキの鹿間やビビ先輩のが立ってるし。全然探偵じゃないし。探偵してるのは俳優じゃなくて引きこもりの鹿間だし。

  • 日常ミステリ×佐藤友哉
    今風小説×佐藤友哉

    それすなわち、
    まるくなった佐藤友哉。

    読みやすくて面白いって、佐藤友哉に対しては、
    褒め言葉ではない気がする。

  • アニメや漫画の世界観を演じる2.5次元舞台。
    架空のテニスコートを走り回り
    架空の自転車で競い合い
    プロジェクションマッピングの魔法を使う。
    そんな舞台で役者に求められるのは、作品の為に個を差し出すこと。
    それでもなお、舞台の上に持ち込んでしまう個人のドラマの功と罪。

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著者プロフィール

さとう・ゆうや:2001年 『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』で第21回メフィスト賞受賞してデビュー。05年 『子供たち怒る怒る怒る』で第27回野間文芸新人賞候補、07年 『1000の小説とバックベアード』で第20回三島由紀夫賞受賞、同年 『灰色のダイエットコカコーラ』で第29回野間文芸新人賞候補。ライトノベル、ミステリ、純文学と独特の世界観とスタイルで活躍中。

「2017年 『俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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