腐蝕の惑星 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 64
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062418

作品紹介・あらすじ

最初は正体不明の不気味な黒い影だった。惑星アンシャンティ。航宙士試験に合格し、希望にあふれる十七歳のティナの周囲で奇妙な異変が起き始める。巨大なホールにさっきまでざわめいていた人々が忽然と消失したり、白い紙魚が広がるように街のあちこちがなくなっていたり……。まるで何かに浸食されていくように街のあちこちが消失していく。そして、親しい人々、友人たちも。この世界はどうなってしまったのか? ティナが繰り返し見る悪夢にその真実がかくされているのか? あの名作がついに復刊!

感想・レビュー・書評

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  • つまらなくはない、つまらなくはないんだけど…!というのが正直な感想。
    前半のじわじわと現実が蝕まれていく不気味さに趣を感じていた身としては、突然「物理で殴るぜ!!!」と言われて困惑した。

    でもこれはこれでB級モンスターパニック映画的な良さがあるのかもしれない。

  • 前半部のオチは大方の予想通りのはず。後半はぶっ飛んだことに、「エイリアン」ばりの、スペース・ホラー・アクション・エンターテインメントと化す。これが面白い。後半部の舞台設定やら、怪物の正体やらは、おおよそ三〇年前の作品だが、劣化速度の速いSFとしてはまったく古びていない。その一方で女性キャラの話し言葉や振る舞いには、時代を感じさせる。面白いもんだなあ。

  • SF作品。前半と後半が「それ以前」と「それ以後」と分かれているのだが、後半はわりとわかりやすい話の運びになっているが前半はどんなふうな結末がくるのかわからない所がちょっとホラーな気配が漂っていて迫力抜群だった。後半の描写は私自身にSFの素養がないためちょっと想像力が及ばない所もあったけれど全体的にわかりやすく面白かった。

  • 宇宙へ出るという夢を叶えたティナは
    その祝賀パーティーの日に庭で不審な黒い影を見る

    その日から徐々に周囲ともども異変に苛まれ始めたティナ
    幾多の幻覚とリアルの狭間に
    やがて実体化する不安の姿
    そしてとうとう町までもがーーー

    何が世界を侵しているのか





    ******以下ネタバレあり******



    設定や、謎と向き合う不気味さ、困惑
    不条理さなどはホラーとしてとても楽しめた

    文章表現も冒頭からとても好みだったし
    引っかかりもなく読みやすかった

    けど理解力不足のため結局世界の仕組みがよくわからなかった!
    あの星には生身の人間がティナしかいなかったの?
    他にもいたけど腐蝕されて死んだの?
    全員が知恵の輪の鍵を持たされて頑張ってたけど、ファイナリストがティナだった、という認識でいいんだろうか…
    ガレはティナの世界にいたのかなんなのか
    というか結局なんで彼らはヴァーチャルに生きてたんだっけ

    と、再読の余力はないため
    つらつらと疑問だけ残し
    後世の自分へと繋ぐ

  • 「腐食」を1994年7月角川ホラー文庫刊。書下ろし。2018年1月「腐食の惑星」に改題して、角川文庫化。それ以前、それ以降という2章建てになっているが前半が冗長で長すぎる。光るアイデアはあるものの、ストーリーに活きていない。

  • 2018/01/28読了

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著者プロフィール

竹本健治:
一九五四年兵庫県生れ。佐賀県在住。中井英夫の推薦を受け、大学在学中に『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌「幻影城」上で連載。デビュー作となった同書は三大奇書になぞらえ「第四の奇書」と呼ばれた。
ミステリ・SF・ホラーと作風は幅広く、代表作には『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の「ゲーム三部作」をはじめとする天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたシリーズや、自身を含む実在の作家たちが登場するメタ小説「ウロボロス」シリーズなどがある。近著に大作『闇に用いる力学』。

「2022年 『竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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