閉じ箱 (角川文庫)

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本棚登録 : 71
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062425

作品紹介・あらすじ

彼女の自殺に妻は関与していたのか、それとも? 濃密な親子関係から生じた歪を描いた(「氷雨降る林には」)。死人のように青ざめた顔をしたその歴史のある街は、その日、死装束のような濃い霧に包まれていた(「閉じ箱」)。死んだ母親と名付け親の作家との関係に潜む名前の真実とは?(「美樹、自らを捜したまえ」)等。著者初の短編から異色作まで美学に基づき築かれた独特のレトリックで集成された傑作ホラー・ミステリー短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • タイプの違う短編が詰め込まれていて、閉じ箱ではなくおもちゃ箱だろうと言いたくなる。それでもニューロテック系の雰囲気はほぼ前作に共通していて、公式通りにやりきったような話も多い(「実験」、「氷雨降る林には」とか)。この辺はオチを楽しむようなものではないから、それだけにこだわる向きには、向いてないかも知れない。個人的ベストは「けむりは血の色」。

  • 短編集だから玉石混合…というよりは、こちらの好みの問題か。「ホラー」メインで読み始めたので、幻想的なミステリーの冒頭から違和感がつきまとい、どうにものめり込めなかった。
    そんな中なので、『恐怖』のようにすとんと落とす納得のホラーが有難い。

  • オチが読める、もしくは拍子抜け。
    なんか思ってたのと違った。

  • 短編集。この作者の短編集の中では一番好きかもしれない。この作品は第一短編集であり再文庫化らしい。結末が予想しやすい話もあれば一捻りも二捻りもある話もあってバリエーションに富んでてどれも楽しく読めた。好みの話は「けむりは血の色」「夜は訪れぬうちに闇」「仮面たち、踊れ」かな。

  • 「氷雨降る林には」★★★
    「陥穽」★★
    「けむりは血の色」★★
    「美樹、自らを捜したまえ」★★
    「緑の誘ない」
    「夜は訪れぬうちに闇」
    「月の下の鏡のような犯罪」
    「閉じ箱」★★
    「恐怖」
    「七色の犯罪のための絵本」
    「実験」
    「闇に用いる力学」
    「跫音」
    「仮面たち、踊れ」

  • 確か絶版になっていた本の復刊本。作者さんの多彩な短編が楽しめる本作。読み味が異なる作品ばかりですが、気付けば幻想的で異常な世界にいたような不条理さや恐怖が楽しめました。中でも『恐怖』はコンパクトにまとまっていながら大きな衝撃と恐怖があり、鳥肌が止まりませんでした。

  • 氷雨降る林には★★
    陥穽★★★★★
    けむりは血の色★★★★
    美樹、自らを捜したまえ★★★
    緑の誘ない★★★
    夜は訪れぬうちに闇★
    月の下の鏡のような犯罪★★★
    閉じ箱★★★★
    恐怖★★★
    七色の犯罪のための絵本★
    実験★★★
    闇に用いる力学★★★
    足音★★★★
    仮面たち、踊れ★★★★

  • 竹本健治の第1短編が角川文庫から復刊。
    短編集としてはかなりボリュームと読み応えがあって良かった。1つ1つはどちらかというと短めなのだが、かなり濃厚だった。

    さて、この先、ミステリ系は講談社文庫から、ホラーやSF系は角川文庫から復刊が続く……と期待してもいいのだろうか。

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著者プロフィール

竹本健治:
一九五四年兵庫県生れ。佐賀県在住。中井英夫の推薦を受け、大学在学中に『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌「幻影城」上で連載。デビュー作となった同書は三大奇書になぞらえ「第四の奇書」と呼ばれた。
ミステリ・SF・ホラーと作風は幅広く、代表作には『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の「ゲーム三部作」をはじめとする天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたシリーズや、自身を含む実在の作家たちが登場するメタ小説「ウロボロス」シリーズなどがある。近著に大作『闇に用いる力学』。

「2022年 『竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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