最後の晩ごはん 海の花火とかき氷 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062548

作品紹介・あらすじ

兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、
夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。
人間だけではなく幽霊も常連客という不思議な店で、
それなりに楽しく働いている海里だが、
近頃気になる事があった。
誰かの気配と視線を感じるのだ。
気のせいと割り切って、
後輩の李英と芝居を見に行った帰り、
海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。
その犯人は、視線の持ち主でもある「重い女」の幽霊、フミで……。

癒し系お料理青春小説第9弾!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第9弾。
    今回はなかなかハードな幽霊登場で、主人公の海里が「シネ」と殺されかける。
    ヤバイの出てきちゃったな、と思ったけど、その正体は24歳でこの世を去った可愛い女の子。
    浮気をしたダメな彼氏に見せつけるため、狂言自殺を図ったら、本当に死んでしまったという。
    色んな「悔しい」気持ちがあまりにも強く、一年近く成仏出来ないでいる。
    このシリーズは、幽霊や付喪神が普通に登場する不思議な話しで、そのおかげで「死」と言うものがとても身近に思える。
    今回の女の子の幽霊もそう。
    付喪神であるロイドが、前の主の死について語る場面もある。
    なんだか「最後の晩御飯」という意味を考えてしまうなぁ。
    そしてエピローグでの海里とロイドの絆の場面、とっても良かった。
    自分には、こんな親友いるだろうか。

  • 夜だけ営業の定食屋〈ばんめし屋〉を舞台にした、ちょっと不思議な事件とドラマを描くシリーズ第9作。

    今回は海里が幽霊に襲われるという、なかなかハードな始まり。
    車道に突き飛ばされて車に引かれかけたり、首を絞められて殺されそうになったり。
    一体幽霊の女性は海里に対してどんな怨みを募らせたのか、プロローグに出てきた芸能人時代のラジオでの相談に関係するのかとあれこれ考えていたら、まさかの…。

    しかしこの幽霊女性の元カレはクズ過ぎる。女性も短絡的ではあったけれど。
    しかし考えようによってはこんなことで、プロローグに出てきたようなちょっとしたラジオ相談で怨みを買うこともある。
    人に注目されるということは恐いことでもある。

    今回は海里の人の好さと、ロイドとの絆が感じられて良かった。普段から喧嘩しつつも仲の良い海里とロイドだが、海里の危機に本気で立ち向かい、海里がボロボロになったロイドを必死で直すシーン、ラストの二人のやり取りは良かった。
    人と付喪神という、種を越えた関係でも通じ合うというのは心地好い。
    これからも二人の喧嘩しつつも仲の良い関係を見ていきたい。

  • シリーズ、第9弾。
    今までで一番主張が激しい“お客さん”?!

    消え入りそうで…寂しそうで…
    言いたいことがあるのだけれど、はっきり話すこともできなくて…「ばんめし屋」の片隅に座ることでかろうじて、心残りがあることを主張できる。
    今までのお客さんはそんな感じでした。

    この子すごいな!
    私が男だったら、彼女にしたくないな!(笑)
    しかし、海里も夏神さんもロイドも、本当にいい人たち。
    エピソードも盛りだくさんだし、動きも多いし、ドラマ化されたけれど(おめでとうございます)、このお話はアニメになったらおもしろそう。

    バターチキンカレー、早速作ってみたいです。

  • 今回わりと軽めだな~って思ってたら!
    エピローグがメインだったのか~~~~~~!!!
    海里とロイドの話し、すごくすきだった。ロイドが怪我して海里が手当てするところも。

  • 自殺した幽霊さんとばんめし屋のみんなの話。フミさん(幽霊さん)の生き方・亡くなり方にはちょっと思うところがあるけど、話はいつも通り、みんなが協力して成仏の手伝いをする、お話。
    ロイドさんが…!!!
    エピローグが1番感動した。

  • 兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。人間だけでなく幽霊も常連客という不思議な店で、それなりに楽しく働いている海里だが、近頃気になる事があった。誰かの気配と視線を感じるのだ。気のせいと割り切って、後輩の李英と芝居を観に行った帰り、海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。その犯人は、視線の主でもある「重い女」の幽霊、フミで…。癒し系お料理青春小説第9弾!

  • 人ならざるものがたびたび登場するシリーズだが、今回はまさかの悪霊登場。海里の命危うしと思われたが、丸く収まってめでたし。毎巻長めのエピローグがありそれが印象的な本作だが、海里とロイドが親友と認め合うラストも良かった。

  • 突然、幽霊に命を狙われるはめになった海里。
    人知れず恨みでも買ってたかと思いきや
    …勘違いって!ひどいな( ̄▽ ̄)

    そんな迷惑千万な幽霊も成仏させたい一行。
    …てか、成仏してもらわにゃ
    この先安心して生活できませんわ。
    8巻と真逆に心残りありまくり
    怨念ありまくりな女子。
    どう対処しましょうねぇ。

    タイトルには「かき氷」持ってきてるけど
    作中に登場する唐揚げもバターチキンカレーも
    どっちもおいしそうでいいな♪

  • なんか人気シリーズらしい。だけどちゃっちゃと終わらせてね。淡海の本の内容で引っ張らないでね。

  • このシリーズには珍しく、最初はサイコホラーで危機に陥る海里。ロイドも腕が取れちゃうし(修理してもらうけど)、幽霊の怨念ってやっぱり怖いね。
    裏切ったクズ男への復讐も少しはして欲しかったな。
    海里は人違いであれだけひどい目にあわされたのに、結局は幽霊のために駆け回るんだから、本当に優しいよ。

  • 再読

    2018/08/14了

  • 相変わらず読みやすくて面白い。

  • バターチキンカレー食べたいなぁ

  • 憎い恋人と間違えられて幽霊に殺されかける主人公

  • 図書館で。
    なんて言うのか… 幽霊だから理屈が通じないのは分かるけど、この幽霊にそんなに尽くす必要あるのかなぁ… 未遂とは言え殺されかけたのに。怖くないのか?私なら怖いぞ。

    主人公君が良い子だってアピールなのかもしれないけど、良い子過ぎて反対にちょっと怖いかもしれない。大丈夫かな…

  • シリーズ9作目の幽霊フミちゃんは、なかなかハードでした!(笑)
    でも、海里と花火デートする姿はもう、ホント超かわいくて、ダメな男のせいで、うっかり命を終えちゃうなんて、河合祖過ぎる。。そりゃぁ、悔しさが次々思い起こされるのは仕方ない!?海里君には、散々だったけどね。。。
    エピローグの、海里君とロイドのくだりは、もう、なけちゃうほどステキだった!
    夏神さんのかき氷メーカー、私もほしいな~(笑)

  • 面白かった‼︎

  • ■2025.
    〈読破期間〉
    2020/8/1~2020/8/7

  • こちらも、二年半前ぶり。シリーズのどこまで読んだか忘れたので借りたけど、このタイトルも読んだことがあった!
    それでも再読。やっぱり面白かった。

    (二年半前はどういうレビューを書いたのか謎やけど)

    作中のラジオで海里くんが言うていた、
    「人に期待するばかりじゃなくて、自分で努力しなきゃ」
    と、いうのはこのシリーズのテーマなのかもしれへんなあ、と、思った。

    と、いうか、そもそも、著者ご自身がそういうポリシーなのかも。
    すごく努力してはりそう(それも、いかにも! って感じではなくうまくギアを緩めつつちゃんと努力してはりそう)。

    何でも楽しむ友だちがいると、(その人といっしょに)何をしても楽しい、っていうのは素敵やなあと思う。
    それってめちゃくちゃ大事なことやんね。

    そのうえ、「この人が何でも楽しむから、一緒に何をしても自分も楽しい」って気づけるのもすごい。

    わたしも、一緒に楽しんでくれる尊敬する友だちもいるし、その人と何を話しても、一緒にやっても、楽しいよ。幸せやなあ。ありがたいなあ。


    「最後の晩ごはん」って、そうか、そういうことやったのか。
    あらすじを読む限り、「深夜だけ営業している定食屋」というのは、その存在だけでも充分「何かありげ」なのに、読んでみるとその設定が(登場人物とそのバックグラウンド含め)一番何もない。笑
    ほんまに、文字通りの存在。

    だんだん、夏神さんも「エエ兄ちゃん」になりつつあるし、それでもまだまだシリーズは続くみたいなので、海里にもこの先何か進展があるんかなあ。
    楽しみ。


    ■■■■


    ■ディストーション

    広義には音像の歪(ひず)み、またその歪んだ音色そのものを指す。 音割れ、主に低周波の音といった重低音を明確にするための効果がある。 狭義では意図的にその音色を得るためのエフェクターや機器のうちの一分類を指す。

  • 恋人に二股をかけられた挙句に捨てられ、悔しくて狂言自殺をしたら本当に死んでしまったフミ。人違いで海里を殺しかけ、元カレとの思い出のカレーを食べて成仏しかけるも仕切れず海里を振り回して、でも最後には花火とカキ氷に満足して成仏。海里は毎回見ず知らずの幽霊のために全力のばんめし屋一同、こんなお店行ってみたいなぁ。

  • 「平穏な日々」
    休暇を貰って見に来たのは。
    彼にとっては過去の居場所だと思いたくとも、家族の反対まで振り切り自ら飛び込んだ世界に未練が無いとは簡単には言いきれないだろうな。
    いくら芸能人を辞めたとはいえ未だに復帰を願うファンもいるのだから、あまり軽率に気の所為とも言い難いし彼自身も気をつけるに越した事はないだろうな。

    「忍び寄る影」
    目の前で車道に飛び出した。
    偶然彼が通りかからなければ彼はあの場命を落としていたのは真実だろうが、自分の意思でなく他の人には見えない何かにというのは恐怖でしかないだろうな。
    見えるうえに触れる事が出来る彼が同行していなかったら、彼女の勘違いで今度こそ本当に命を落としていたと思うとゾッとするな。

    「うっかりした人」
    怨霊になりそうだった訳は。
    大好きだった人が最低な人間だったと知るだけでもショックが大きいだろうに、その事実を知ったと同時に自分達の関係が既に終わっていたというのも辛すぎるだろうな。
    社内の誰にも話をしていなかっただけでなく、多分友人たちにも何も話をしていなかったのだろうが誰かに相談出来ていたら結末は変わっていただろうな。

    「今度こそ本当に」
    再び戻って来た彼女の望み。
    死にそうなぐらいに力いっぱい絞められた痕は、そんな数日で簡単に消える事はないのは確実だけれども隠すのも中々に難しいからな。
    いくら怨みが消えて気持ちが一時的に気持ちが晴れたとしても、彼女の未練が断ち切られた訳ではないのだから簡単に逝く事は出来ないだろうな。

    「海と花火」
    最期の願いを叶える為なら。
    人違いで殺されかけた相手だというのに、ここまで彼女の最期の我儘に付き合う彼は誰の為にでも全力を尽くす事が出来る優しい人なのだろうな。
    幽霊の行動範囲が仇になる事があるとは思いもよらなかったが、逆にあの場で静かに二人きりで花火を見れたからこそ彼女は思い残す事無く逝けたのかもな。

  • メインキャラに関係ないフミさん…幽霊になった経緯がカオス。

  • 人違いで殺されなくて良かったね、海里。狂言自殺しようとしてホントに死んでしまい、ただただびっくりのフミに、その境遇を聞き、願いをかなえてあげようと頑張る3人の優しい気持ちが嬉しい。『袖すり合うも他生の縁』ってことかな?こういう意味だっけ?

  • 今回の幽霊さんはかなり我が儘だったのにそれにも関わらず気長に付き合ってあげた3人に称賛。そして海里とロイドの絆の深さに感動の話でした。

  • 今作も楽しかった。海里くんはこれからどうなっていくのかなー。

  • 図書館から借りて読了。
    いつもの流れだから、安心して読める。
    まだ芝居に未練があるみたいだけど、それをずっと引きずりつつばんめしやで働くのかな?

  • 海里くん、修行の成果が出てどんどん料理が上達していてすごい。レシピなしでお料理できるっていいなぁ。何より作ってて楽しそうなのがいい。がんばれー。

  • もう何冊目か分からないけれど、いつもの感じのお話。メガネさんがとても深くて優しい言葉をかけてくれるのがいい。
    2018/11/7

  • 危ない幽霊相手にも面倒見の良い皆さん。高野豆腐のそぼろ美味しそう。

  • 誰かの気配と視線を感じた末に殺され掛けた海里からの、重くて間抜けで中々成仏が出来ない幽霊女性との交流。李英との観劇やばんめし屋仕事模様の日常さ、バターチキンカレーとナンの美味しそうな調理模様等、安定の魅力。過去のラジオトークでのドヤ顔や偉そうさはつらいけれど、現在の海里が恥ずかしがっているのが救い。

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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