江戸城 御掃除之者! 地を掃う (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 40
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062562

作品紹介・あらすじ

江戸城の掃除を担当する御掃除之者の組頭・山野小左衛門は、またも上司から極秘の任務を命じられる。紅葉山文庫からある本がなくなったというのだ。疑わしき人物を御風干の掃除に乗じて誘い出そうとするが、同時に黒鍬者たちとの掃除合戦もはじまって……。掃除に命を懸ける七人の侍に降りかかる無理難題。大江戸お掃除戦線、今回も異常アリ!

感想・レビュー・書評

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  • 地を掃う ー 江戸城 御掃除之者シリーズの2作目
    2017.11発行。字の大きさは…小。

    楓山秘閣御掃除御手伝の事、浜御殿御掃除御手伝の事、中奥煤納めの事の短編3話。

    【楓山秘閣御掃除御手伝の事】
    江戸城の紅葉山御文庫から3冊の本が消えて、紅葉山御掃除之者に疑いが掛かった。御掃除之者組頭・山野小左衛門は、掃除之者の疑いを晴らすため探索に向かう。もし疑いが晴れない時は、将軍の蔵書を盗んだ事になる(切腹)。この為、探索は慎重に進められる。そして、犯人は意外な人物であった…

    【浜御殿御掃除御手伝の事】
    浜御殿(現在の浜離宮)の掃除を命じられる。浜御殿には、御泉水があり、干満の差で景色が変化する庭園が有名である。その御泉水から魚が少なくなっている、その原因を見つけて対策を講じるように命じられる。なんと川獺が御泉水の魚を取っていた、その川獺を…

    【中奥煤納めの事】
    組頭・山野小左衛門の嫡男・左馬之祐が掃除之者の見習い手して初めて煤払いをする。納戸を掃除していたらお城の抜け穴を見つける。その抜け穴から盗賊が入って来た…

    【読後】
    前回の第1巻よりだいぶ面白い、小左衛門の考えが面白く、また、配下の若者が生き生きしている。読後感が爽やかである。
    次回以降どのような御掃除を命じられるか、そして、いかに乗り越えて行くかが楽しみである。

  • いや~~~、面白かった。掃除と言っても極めるとすごいことになるのですね~~。
    今回も本業ではないところでの事件、事件、事件となるわけですが・・・
    あとは読んでのお楽しみ!!

  • 2023.02.09

  • 小禄の掃除之者の跡取り問題は、なかなか厳しい。
    山野小左衛門の二人の息子も、嫌がっていた。

    が、ここにきて長男、左馬之祐の様子が変わってきた。
    初めは口も聞かなかった者だが、時折仕事の様子を聞いているように。

    御書物蔵の蔵書が3冊行方不明事件。

    浜御殿のお掃除お手伝いの件。

    中奥の煤払いの中の、抜け穴事件。

    江戸城の秘密や、当時の将軍の考え方と施設の管理などなど、興味深い三事件が起こり、長男も初めての煤払い見習いが二人の距離を縮める。


    家族問題、跡取り問題、世代のギャップ、などなど現代にも通じる問題を絡ませた内容が、新しく面白い!

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著者プロフィール

1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学芸術学部を卒業後、2000年に『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス)でデビュー。『エリ・エリ』(ハルキ文庫)で、第1回小松左京賞を受賞。14年には「風の王国」シリーズ(ハルキ時代小説文庫)で、第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。「採薬使佐平次」シリーズ、「江戸城 御掃除之者!」シリーズ、「よこやり清左衛門」シリーズ(ともに角川文庫)や「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」シリーズ(だいわ文庫)、など、多岐にわたるジャンルにて活躍している。

「2023年 『大一揆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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