二人道成寺 (角川文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062647

作品紹介・あらすじ

不審な火事が原因で意識不明となった歌舞伎役者の妻・美咲。その背後には二人の俳優の確執と、秘められた愛憎劇が――。梨園の名探偵・今泉文吾が活躍する切ない恋愛ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 「ヴァンショー」「タルトタタン」で作者を知っていた私としてはサラッとした文章のイメージだったが、どうしてどうして…こちらが本性?というくらい熱く、語ってくれている。歌舞伎に惚れ込んでる感がビシビシ感じられて本当に読んでて楽しかった。名門の御曹司と一般のお家からの努力家が配されているけれど、わかり易い対決ではなく、きちんと「二人道成寺」に合わせて二人が存在している。そして「摂州合邦辻」をなぞって進むことにより、御曹司芙蓉さんの奥さま美咲さんの心情が響くのがたまらない。これを読んで、この2作の歌舞伎を観たらものすごくわかって面白いと思うほど。これは本当に良かった!

  • 読み心地すっきりさっぱり
    梨園が舞台ではあるものの、そこまで深入りする話でもなくライトなミステリー

    さらっと気分を変えるには良い小説

  • 恋。恋の話。好きになりすぎると苦しい。相手が絶対に自分を好きにならないとわかっているからこそ苦しい。 美咲は、実を利用して、想いを伝えようとしていたのかな、それとも実の「好き」が自分より強い気がしてしまったのかな、揺るぎないような。恋じゃないからっていうのがあったのかも知れないけども。 歌舞伎なのがまた、切なさが出ていたのかも。 誰の好きもつながらないのがずっと切ない。悲しい。

  • 梨園の事件を扱う今泉文吾シリーズの一つ。今回の元ネタは「摂州合邦辻」。迂生は古典芸能は詳しくないので、少し呆れたくらい、えげつない話である。これをモチーフに梨園の御曹司の、若い妻が狂恋した相手は誰かが、物語的な謎となる。ミステリ的には、彼女を意識不明にした火事はほんとうに事故だったのか? になるだろうけども。ただ、そっちの方向からのみで評価をされると、正直辛い。ロジックもトリックもない話なのでね。だからミステリとしての評価を離れて、真相の切なさに共感できる人向き。

  • 歌舞伎シリーズ。
    不仲でライバル同士である女型二人の話。

  • ん〜。

    そしてどうなるのか…

  • ほとんど知らない歌舞伎の世界。独特な雰囲気を感じるが、報道で垣間見ることはあっても公演を見たことはない。

    御園座が改築されたので一度見に行ってみようかな。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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