GEEKSTER 秋葉原署捜査一係 九重祐子 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062661

作品紹介・あらすじ

人気の食玩フィギュアをめぐって起きた殺人事件。被害者の話を聞いていた九重祐子巡査部長は、独自に捜査をはじめた。そんな中、「GEEKSTER」という、謎の人物の存在が浮かび上がってきて……。

感想・レビュー・書評

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  • 大倉崇裕の長篇ミステリ作品『GEEKSTER 秋葉原署捜査一係 九重祐子』を読みました。
    『小鳥を愛した容疑者』、『生還 山岳捜査官・釜谷亮二』に続き、大倉崇裕の作品です。

    -----story-------------
    秋葉原の町を守るダーク・ヒーロー、登場!
    孤高の女性刑事とダークヒーローが秋葉原に巣くう悪を滅する!

    2000年7月、秋葉原。九重祐子が捜査一係に着任したとき、事件はすでに始まっていた。
    食玩フィギュアを巡るトラブルが発生し、相談に来ていた男が、翌日遺体となって発見された。
    祐子は彼の相談を真剣に聞かなかったことに罪悪感を覚え、独自に捜査を始める。
    フィギュア店に潜入した祐子は犯人を見つけ出すことに成功するものの逆襲に遭う。
    ピンチに陥った祐子を救ったのは、謎の男・ギークスターだった。
    悪党に制裁を下す闇のヒーローとして街で噂になっているギーク(オタク)スター。
    正体を知った祐子は、反発を覚えながらも次第に惹かれ始める。
    秋葉原で続発する凶悪事件で、警察の組織捜査に限界を感じた祐子はギークスターの力を借りようとするが、断られてしまう。
    秋原葉の闇に潜む、悪を見つめるギークスターの目的は―!?
    -----------------------

    2016年(平成28年)に刊行された作品です。

     ■プロローグ サンジョウ・ブレインシティー(2016年7月)
     ■第一章 秋葉原(2000年7月)
     ■第二章 ギークスター
     ■第三章 チームアナコンダ
     ■第四章 ファイアー・レイザー
     ■第五章 エンプティ・ハンド
     ■エピローグ サンジョウ・ブレインシティー(2016年7月)
     ■解説――本能全開、されどプロの設計 村上貴史

    秋葉原警察署で、念願の刑事課に着任した九重祐子……捜査現場に立てると張り切るも、署を訪れる市民の応対を命じられ、延々とオタクの相手をするはめに、、、

    だが、相談者の1人が殺されたのをきっかけに、独自の捜査活動を始める……そんな中、街で噂の「GEEKSTER(ギークスター)」と出会う。

    悪事を働く者に鉄槌を下す彼は何者で、その目的は何なのか? 彼の背中を追ううち、彼女は街を取り巻く陰謀に気づくが……痛快無比な警察アクション小説!

    人気の食玩フィギュアをめぐって起きた殺人事件……事前に被害者の話を聞いていた九重祐子巡査部長、独自に捜査を始める、、、

    秋葉原を舞台に女性刑事・九重祐子がダークヒーロー「GEEKSTER(ギークスター)」とともに悪に立ち向かう物語……オタクの相手をする日常から、急転直下のアクション展開へと進む展開が印象的でした。

    秋葉原を舞台にしており、オタク文化や街の雰囲気がリアルに描かれていましたねー 徐々に明らかになるギークスターの目的、そして仇敵との対決、、、

    アクションシーンにはあまり興味がないのでやや退屈でしたが、物語の展開や結末は好みでしたね……シリーズ化しても面白そうだけどな。

  • 大倉崇裕氏の作品には彼のマニアックな知識が活かされているものがたくさんありますが、中でもオタク系は頭抜けて個性が光ります。
    本書も中盤まではいかにもかつての秋葉原に生息していそうな人達の描き方にリアリティがあって良かったのに、後半の乱闘シーンは行き過ぎた感があって残念でした。

  • 2000年の秋葉原を舞台に描かれるアクション要素強めのミステリー小説。

    2000年といえばまだ2ちゃんねるができてわずか1年、世間一般の認知度は無いに等しく、まさに白い目で見られていた頃の話だ。犯罪系とはまた違うアンダーグラウンドな世界をオタク歴35年の著者がテンポ良く描いていく。
    全くオタクに興味も理解もない女性警官、九重の目線から当時の秋葉原を取り巻く環境や事件に対する警官の対応まで、これらの要素を巻き込んでアクション小説として仕上げられている。

    面白いのはこの部分
    警察がオタクの対応を嫌味たっぷりに突っぱねた事もあり、オタク界隈や秋葉原で起きた事件は警察へ通報しなくなった。
    これは2000年代だから通じるネタでもあり、20年以上前の混沌としたアングラカルチャーを思い起こさせる。今だったらSNS一直線だろうし、オタク文化が世間から白眼視されていた頃だからこそだ。

    途中「警察は頼りならない」「対応できた頃には街も変わり追いつけない」というセリフが出てくる。事実全く頼りになっていないのは小説だからという見方もできるが、ネット犯罪に対応する難しさが日々語られる現状を見るとなんとも言えない気持ちになる。

    そんな中現れる「ギークスター」という自警団のようなヒーロー。秋葉だからこそヒーローというのがよく似合う。
    主人公でもある九重祐子は歳若い女性警官。セクハラ女性蔑視が当然のものとして書かれているのも時代を反映している。
    映像化したら画面映えしそうだが、20年前の秋葉が舞台では難しそうだ。

  • 秋葉原警察署で、念願の刑事課に着任した九重祐子。捜査現場に立てると張り切るも、署を訪れる市民の応対を命じられ、延々とオタクの相手をするはめに。だが、相談者の1人が殺されたのをきっかけに、独自の捜査活動を始める。そんな中、街で噂の“ギークスター”と出会う。悪事を働く者に鉄槌を下す彼は何者で、その目的は何なのか?彼の背中を追ううち、彼女は街を取り巻く陰謀に気づくが…。

  • 期待したほど面白くなかった。
    福家警部補シリーズが面白過ぎたのかな。
    ストーリーに意外性はあったんだけどね。
    少し無理を感じました。

  • これまでの,マイナでおっとりした,だが骨子のしっかりしたミステリィとは一線を画し,暴力を前面に出した作風は馴染まなかった.

  • 電気街からオタクの街に変貌を遂げようとしていたあの頃のアキバを舞台にしています。どことなく懐かしいけど、このお話はなかなか武闘派ですね。オタクの街アキバでは割と大きなお金が動くから、実際裏では色々あったのかもしれませんね。

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著者プロフィール

大倉崇裕(おおくら たかひろ)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年、「三人目の幽霊」で第四回創元推理短編賞佳作を受賞。98年、「ツール&ストール」で第二十回小説推理新人賞を受賞。2001年、『三人目の幽霊』でデビュー。代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズは、いずれのシリーズもTVドラマ化されている。

「2022年 『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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