木島日記 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041062685

作品紹介・あらすじ

昭和初期――オカルト、猟奇事件、ナショナリズムが吹き荒れる東京。
民俗学者の折口信夫は古書店「八坂堂」に迷い込み、その棚にあるはずのない、未だ構想中の自分の小説『死者の書』を見つける。
「何が書いてあるか読んでごらんなさい」
奇怪な仮面を被った店の主人、木島平八郎に促され、その奇妙な書の頁をめくった時から、折口のまわりで奇怪な出来事が起こり始める……。
「あってはならない物語」へ誘う傑作文豪怪奇ミステリ!
書き下ろしの〈自著解題〉を付す改訂新装版で復活。

【目次】
第一話 死者の書
第二話 妣が国・常世へ
第三話 古代研究
第四話 水の女
第五話 若水の話
〈自著解題〉物語を供養する

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。著者の評論しか読んでなかったので、最初の方の入れ子式の説明に「私」は大塚さんなのか?小説なの?折口信夫評伝なの?と戸惑ったが、幻想と史実と実在と架空の人物が混じり合う連作にすっかり魅了された。

  • 最初の死者の書の話が面白かった。

    シリーズものとは知らずに読んだが、独特の雰囲気がよかった。登場人物が変人ばかり。
    ミステリ的ではあるが、ホラー要素もあり。
    民俗学的な要素も絡み、土着的な雰囲気と、昭和の暗さや、インテリの癖の強さがよくでていた。

    折口が、奇怪な出来事に巻き込まれるというパターンにだんだんと飽きてしまったが、他にはない雰囲気は楽しめた。

  • 表紙の雰囲気に惹かれて読みましたがカバー袖部分の著者紹介に民俗三部作の二作目として本書が挙げられていたので「北神伝綺」から読んだほうが良かったのでしょうか?
    軍部の力が強かった昭和初期、ナショナリズムの台頭とオカルト的な風潮が色濃い中で民俗学者の折口信夫が巻き込まれる混沌とした怪しげな世界が広がっていました。
    『偽史と民俗学の危うい「近さ」』、巻末の『自著解題』にあるこの言葉に心の底から納得できました。

  • 新装版。
    ただただ懐かしい……と思いつつ読了。何でも新刊が出るらしく、旧作の文庫版が復刊された。
    そういえば漫画版は家にあったかなぁ……どうだったろう?

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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