透明カメレオン (角川文庫)

  • KADOKAWA (2018年1月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784041063521

作品紹介・あらすじ

ラジオパーソナリティの恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくつくり変え、リスナーに届けていた。大雨の夜、びしょ濡れの美女がバーに迷い込み、彼らは「ある殺害計画」を手伝わされることに。意図不明の指示に振り回され、一緒の時間を過ごすうち、恭太郎は彼女に心惹かれていく。「僕はこの人が大好きなのだ」。秘められた想いが胸を打つ、感涙必至のエンタメ小説。

感想・レビュー・書評

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  • イケボおじさんの奮闘記
    2転3転コロコロコロコロ道尾ワールド炸裂!
    でもなぁツッコミ所が多すぎて好みやないのよね、、、
    真っ暗な山の中で香水の匂いを頼りに歩く?
    親にブロック落とす?
    ドタバタと展開がカラスの親指と似てる感じ
    感動の長編?結局は騙された父親が1発殴りに悪徳業者へ行くことを娘が止めて?一緒行って?ifの常連が追っかけて、トラブルに巻き込まれ、最後なんで解放された?んで、実はみんな色々な悲しい過去があるってお話なので感動の長編ではないかな
    結局のところなんで透明カメレオンなんでしょ?小学校の時のお話があったけど

  • ラジオパーソナリティを務める素敵な声と冴えない容姿の持ち主・桐畑恭太郎は、仕事終わりにいつもの仲間たちと飲みかわすべく、行きつけのバー『if』へ訪れる。大雨のその夜、びしょ濡れになった美女・三梶恵がバーに迷い込んだことをきっかけとして、『if』に集うメンバーは彼女の殺害計画を手伝わされることに。

    恵の計画に振り回される愉快な飲み仲間たちと恭太郎。恭太郎は傍若無人な恵に呆れつつも次第に心惹かれていき……。そんな道尾秀介先生の描くドタバタコメディと思いきや、最後にはまさかの結末が。テンポよく進んでいくギャグのような掛け合いも、このラストのためだったのかと思えるほど。
    気になって読み返すと、いたるところに伏線があるのなんの。この作品を読み終えたあと、読者はきっと主人公の恭太郎が大好きになっていると思う。
    どこか初恋の人の面影を感じる恵に恋をし、些細な勘違いから自己嫌悪に浸る、そんなガラスハートのチキン男。それでいて多くの人が立ち竦んでしまうような状況下でも、大好きな人のために立ち上がる姿が本当に愛おしい。愛すべきバカという言葉がこれほど似合う男がいるだろうか。こんな人になりたいと思える人物像を示してくれた。

  • Audibleにて。

    謎めいた登場人物と、ちょいちょいくすっと笑えるポイントがあって面白かった。
    ラストの打ち明け話でお話のイメージがガラッと変わる。バーの名前「if」がみんなの気持ちを代弁してる。

  • '24年5月19日、読了。久しぶりの、道尾秀介さんの作品。

    振り返ると、今まで読了した道尾秀介さんは、全て素晴らしかった。で、本作も…やはり素晴らしい!面白かったし、楽しめました!

    僕が読んだ中では、道尾作品としては、少し毛色が違うかな…と、感じました。でも、さすがです。唸りましたಥ⁠‿⁠ಥ

  • ラジオパーソナリティの主人公と、
    飲み仲間とのストーリー。
    ある日、いつものスナック?に、
    謎めいた女性が入ってくるところ
    から、ストーリーが進む。
    女性が仕組んだ作戦に加担してい
    くが、作戦の裏には、女性の不幸
    な出来事が関係している。
    ラストは、道尾秀介らしいドタバ
    タな展開だが、明るい性格の飲み
    仲間にも語りたくない過去が分か
    ってくる。
    題名を透明カメレオンにした理由
    も納得した。

  • 声はめちゃくちゃ良いけど、容姿は冴えないラジオパーソナリティの恭太郎
    彼が通うバー「if」にある日ずぶ濡れの女性が現れてから、常連客を巻き込んでの出来事に発展していく…

    物語りの大半はドタバタ劇だしコミカル要素が強かったので、緊張感というよりも、この先どうなるのかなぁ〜と楽しく読み進めていましたが
    まさか、読後に泣いてるなんて…
    ラストまで読んで、恭太郎の心の強さ優しさが大好きになりました
    想像してなかった感動作に出会えて、手にとって良かったなぁと思えた一冊でした

  • 読了後じーんときた。声だけ良くて見た目は冴えない恭太郎とバーに集まる常連の人達。いつも明るい人達にあんな辛い過去があったとは。恭太郎がラジオパーソナリティをやり始めたのが、この人達を助けたいという思いからだった事に胸を打たれた。そして、みんなも自分達の辛い過去を、明るい過去に変えてくれた恭太郎を大切にしてる事が、伝わってきてこんな関係いいなって思った。

  • 面白かった
    コメディタッチの軽いミステリー
    しかし、最後の最後は胸打たれます。

    ストーリとしてはハチャメチャ(笑)

    ラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。仕事が終わると、行きつけのバー「if」でママや常連客と飲むのが日課です。さらに、放送では、その「if」の仲間たちの話を面白おかしく作り変えてリスナーに届けている設定。

    ある大雨の夜、びしょ濡れの美女(三梶恵)が入ってきて、「コースター」を要求。しかし、実際には...

    彼女は恭太郎のファンで、彼女のイメージを壊したくない恭太郎はイケメンの常連客を身代わりを立てますが、
    結局ばれてしまい、彼女から「殺害計画」を手伝わされることに。

    その殺害計画においては、「if]の常連客も手伝わされ、意味不明な指示を受けます。

    その指示内容の意味も、計画も徐々に明らかになっていきます。
    殺害計画のターゲットは?
    その真相は?
    というところから、ついには、「if]の常連客達も含んだ奥多摩付山中でのドンパチ。
    無事山中から殺されずに脱出できるのか?
    といった展開です。

    そして、ラスト、恭太郎が恵に語る「if」の常連客達の真実と闇、さらに恭太郎自身の真実。

    ここがかなり反則!
    ユーモア的な展開から、最後の最後で語られる真実は、胸を打ちます。
    それぞれが抱えていた闇、哀しさ、苦しさ。
    しかし、人は変わることができる

    エンターテイメントとして楽しめました。
    お勧め

  • 感涙必至のエンタメ小説と書いてあったので買った一冊。

    心に傷を持った人達の話

    中盤くらいまで、なんでこうゆう展開になると疑問があった。

    途中のラジオで流したエピソードもこうゆうのが必要かな、これがちょくちょく話に入ってくるのかなとか、なんか興味がわかない流れてだなと思いつつ読んでいたが、終盤ですべて納得した。

    終盤で伏線を回収
    スッキリ終えると思ったが、なんかラストがスッキリしなかった。

    その後どうなったかが気になる

    嘘が多かった話だったが、嘘も使い方しだいで傷付いた心を癒す。そんな感じがした小説でした。


  • 見た目残念、声イケボなラジオパーソナリティの恭太郎が通う行きつけのバー。
    そこで毎日のように顔を合わせる仲間たち

    ある日突然来店した不思議な女性にみんなが振り回される。

    中盤くらいまでは話の柱を見つけられないまま進むが後半がすごい!

    そんな伏線回収が潜んでいたとは、、

    何がいいってそれぞれこキャラクターとバーの仲間のチーム感がいいです!

  • ミステリーとしてミスリードがありながらも最後にはほっこりさせられる話。

  • 最後の展開にはちょっと驚きだったけど、途中の設定や展開に無理矢理感を感じてしまった。
    もっと裏切って欲しかった。。
    ミステリーというより、感動コメディ??

  • 再読。ラジオパーソナリティの主人公男性と、彼の行きつけのバーに集まる常連客、そして突然現れた1人の女の子との物語。ラジオっていう聴覚が全てのモチーフを、視覚(文字)メインの小説で描くってなんかオシャレ!道尾先生のセンス好き…
    多少の哀愁はありつつも、ワンチームでドタバタコメディー的な展開なので、「カラスの親指」「カエルの小指」系。ラストの告白は、胸が締め付けられるドンデン返し。全部の見え方が変わってくるので、それを踏まえて初めからもう一回読み直したくなります。
    切ないけれど、希望を感じるお話。

  • 面白かった。面白かったけど、私には物足りなかった。贅沢かな。
    流石の伏線回収であったり、話の展開のスピーディさであった。
    ボリュームの割には勿体無かったと思う。

  • 名手道尾秀介さんが描くコメディタッチのドタバタミステリー。よくよく考えると、無理のある展開やツッコミどころも多かった気がするけど、それを軽やかに読ませる技量はさすがといった感じ。

    主人公は美声を持ちながらも、さえない容姿とのギャップが原因で相手をがっかりさせてしまうラジオパーソナリティの恭一郎。
    彼が通う行きつけのバーで常連たちといつも通りのやりとりをしているところに、びしょ濡れの美女がやってくるところから物語は始まります。

    謎の導入自体は好きだったけど、キャラクターや文章、登場人物たちのやりとりのギャグっぽい感じが、個人的にあまりはまらなかった。
    キャラとか文章のマンガっぽさに対し、それぞれが一応、いい年の社会人というのが少し違和感があったのかも。コメディっぽさが、無理矢理作られているように感じてしまいました。

    後は主人公たちが巻き込まれる犯罪計画が、いずれも間が抜けていて、それを笑いどころなのか、あるいは伏線なのか、どう捉えていいかつかみきれなかったのも、すこししんどかった。

    感想を書いていて思ったけど、自分って小説を読むとき、ジャンルや作品の雰囲気の軽さ、重さでなんとなく読む立ち位置を決めている気がします。
    その立ち位置が固まらなかったので、ライト路線で読むか、シリアス路線で読むか、心の置き所が定まらず、フワフワしながら読んでしまった部分があった気がします。

    ただ終盤の大立ち回りはすごかった。最初に書いたように細かいところを言うと、ツッコミどころや無理のあるところも多かった気がするのですが、それを気にする暇も無く、展開していくので自然と読み込んでしまう。

    道尾さんはミステリの展開や伏線回収と人間心理の妙で読ませる人だと思っていたので、登場人物のアクションや行動で引っ張っていく技量もあるのか、と感心してしまいました。

    そして、最後に至ると全編のコメディタッチな部分のわざとらしさすらも、一種の演出だったのかもしれないとも思えてきます。作品全体の雰囲気すらも一種の伏線にする大技もある意味あっぱれに思える。

    個人的に面白い、面白くないの評価はちょっと難しい作品でした。ただ道尾さんの小説の技量を楽しめる作品であることは間違いないと思います。

  • ラジオパーソナリティの恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくつくり変え、リスナーに届けていた。大雨の夜、びしょ濡れの美女がバーに迷い込み、彼らは「ある殺害計画」を手伝わされることに。意図不明の指示に振り回され、一緒の時間を過ごすうち、恭太郎は彼女に心惹かれていく。「僕はこの人が大好きなのだ」。秘められた想いが胸を打つ、感涙必至のエンタメ小説。



    個性的な常連さんが集まるバー「if」。こういう常連さんになって行きつけのお店があるのいいなとか思ったりした。そして、そこに現れたびしょ濡れの美女のせいで、この愉快な仲間たちだった常連さんたちが、なんだかとんでもないことに巻き込まれていく。


    最初は、「こんな怪しい女の言うことなんて聞かなくても良くない?」とか「この主人公の男の人、なんか拗らせた童貞みたいで無理」とか思いながら読んでいた。それでも続きが気になって、このびしょ濡れの美女が考えていることが分からなくて読み進めた。



    話の中で、主人公のDJがラジオで喋ったバーの常連さんの話。まぁ、公共の電波に乗せてるんだから多少はフェイクが入ってるんだろうなと思っていた。しかし、最後の最後で明かされる常連さんの逸話の真実。そして、1ヶ月後に帰ってくるという母と妹と甥っ子の話。悲しかった。


    何もなかったことにして、小さな嘘の世界で生きている人たち。それって、現実逃避ではなくて生きていくために必要なことなのかな。


    2023.11.23 読了

  • うーん、終始主人公に共感できなかった。
    "感動の長編"という煽りに惹かれて購入したが、
    無理矢理感のあるストーリー展開だった。

  • 声と見た目のギャップが嫌な恭太郎とバーの仲間がある女性がバーに来たことにより騒動に巻き込まれる話。ドタバタ劇にハラハラしたり、バーの仲間が仲良くてホッとしたりしてたのに、最後急に泣きそうになった。そして何となく抱いてた違和感も解消されて良かった。

  • すごく良かった。
    今まで読んだ道尾作品で一番。
    いずれもう一度読みたい本。

  • 大好きな道尾秀介の、そこまで好きじゃなさそうなジャンル。
    途中何度か声出して笑っちゃった(笑)好きなジャンルではないしストーリーもコメディ満載の非現実感だけどテンポよくサクサク読めて後味も悪くない(印象も薄い)

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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