あらくれ 刃鉄の人 (3) (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041063538

作品紹介・あらすじ

ドラマ化で話題沸騰「風の市兵衛」の辻堂魁、新境地!
続々重版の「刃鉄の人」シリーズ。

書評家 菊池仁氏、絶賛!
「息を呑む面白さだ。非凡な才能が、本作で大輪の花を咲かせた」


時は元禄――
初代・市川団十郎が舞台上で刺殺されたその数日後。

刀鍛冶・一戸前国包(いっこまえくにかね)の仕事場に、傾き者のごとき、異形の男が現れた。
天を衝くほどの体躯の異相異風。だが目鼻だちは美しく整っていた。
全身の風貌は異様な妖しさを漂わせながら、むしろ、神々しささえ感じさせるほどだった。

団十郎に強い憧れを持つその男は、世間では”かげま団十郎”と陰で呼ばれる、旅一座の座長・熊太夫だった。

熊太夫の依頼はふたつ。
自身が持つ朱鞘の小さ刀と同じこしらえの大刀を打ってほしいということ、そしてその小さ刀が誰のものだったかを調べてほしい、とのこと。
その小さ刀にはなんと、「武蔵国包」と銘が打たれていたのだ。

だがその依頼は、哀しみに満ちた熊太夫の過去、さらに若き日の国包に繋がっていた。

息もつかせぬ展開、胸に迫る結末。
神陰流の達人・国包の剛剣唸る、「刃鉄の人」シリーズ!

感想・レビュー・書評

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  • けっこう悲しい結末。
    それにしても強い。

  •  『刃鉄の人』シリーズ3作目。刀鍛冶・一戸前国包の剣客としての側面を描く。 

          * * * * *

     これまでは本家の伯父上から押しつけられた刺客仕事を国包が粛々と実行するという内容でしたが、今回は国包自身の強い好奇心が先に立っての仕事が描かれていました。

     しかし不思議です。国包は人間的にはかなり練れた人物だし、刀鍛冶としても名人の域に達している刀匠です。俗世に対し恬淡としていてもおかしくないはずだと思います。なのに他者の生き様や人生観に対する好奇心の大きさを、国包は毎回見せているのです。
     今回も、旅芸人と将軍側仕えの旗本との関係に異常なほどの関心を持ち、仲立ちまで買って出ています。これには違和感すら感じます。

     自分が修業で打った稽古刀が絡む案件とは言え、今回の物見高さはいただけないと思ってしまいました。

  • 旅芝居一座をやり繰りするのも大変そう。

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著者プロフィール

(つじどう・かい)
1948年高知県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社勤務を経て作家デビュー。「風の市兵衛」シリーズは累計200万部を超え、第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞、ドラマ化でも好評を博した。著書には他に「夜叉萬同心」シリーズ、「日暮し同心始末帖」シリーズ、単行本『黙(しじま) 』など多数。本書は講談社文庫初登場作品『落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味』に続くシリーズ第二作となる。

「2022年 『山桜花 大岡裁き再吟味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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