- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041063576
作品紹介・あらすじ
少女を狙った前代未聞の連続誘拐事件。身代金は合計70億円。捜査を進めるうちに、子宮頸がんワクチンにまつわる医療界の闇が次第に明らかになっていき――。孤高の刑事が完全犯罪に挑む!
感想・レビュー・書評
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犬養隼人シリーズ第三弾、「ハーメルンの誘拐魔」。代表的なグリム童話「ハーメルンの笛吹き男」が題材となり、更にワクチンの副作用という社会的な問題が加わり、果てしなく興味唆る罪深きテーマとなっている。
子宮頸がんワクチンで記憶障害に陥った娘と、子宮頸がんワクチンの旗振り役として名を成した男の娘が誘拐される。現場に残されたハーメルンの笛吹き男の絵葉書。その後犯人からの要望や声明は無い。
「笛吹き男」は一体何者で何が目的なのだろう。それからも次々と誘拐されるワクチン副作用に悩まされていた被害者女性達。この誘拐劇に終わりはあるのか、終着には何が待ち受けているのだろうか。
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「ハーメルンの笛吹き男」
いつ仕入れたか知識なのか、不思議な事にこの名は潜在意識の如く当然の様に認知している。...にも関わらず、内容は詳しく知らないし知ろうと興味を持った事も無かった。以下、自身のメモとして大雑把なストーリーを作中の説明を借りて要約してみた。
【一二八四年、ハーメルンの街はネズミの被害に悩まされていた。依頼されたとあるネズミ捕りの男は笛を吹きその音でネズミをヴェーザー川に誘導し全部を溺死させる。しかし、報酬を渋った街の住民に男は怒り、同じ要領で街の子供を笛の音で誘い出し自らと共に洞窟に封印してしまう。】ーーーという伝承である。
ハーメルンにて子供達が大量に失踪した事から語られた話だそうだが、この伝承は災害や病死の説、軍隊の戦死説、移住説とあるらしい。どれにしてもハーメルンの笛吹き男は死神の象徴として語られている。...グリム童話が残酷だとは聞いていたが、これは知らなかった。
因みに第四の解釈も存在するのだが、これがワタクシ俗悪マンからすると非常に興味深い。ので、こちらもメモとしてここに残しておきたいと思う。
【笛吹き男とは精神を患った小児性愛者だった。児童を自らの歪んだ楽しみに供した。ある子は四肢をバラバラにされ、ある子は木の枝から吊り下げられた。】
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本書のレビューというより「ハーメルンの笛吹き男」の月刊児童新聞みたいな内容になってしまった。(児童新聞で例えると些か内容はアダルトだが)
本書に話を戻すと、子宮頸がんワクチンの副作用、第二の薬害エイズ事件が主軸となる。コロナワクチンが騒がれる現代を背景にすると震えてしまうような内容だ。
現在(リアル)が投影しているが勿論、ワクチンに否定的な者達も存在する。しかし少数派は弾圧されてしまうのが現状だ。だが、それは数が少ないのではなく声が小さいだけなのやもしれない。
....「かもしれない」でしか語ることは出来ないが、本書では犬養の捜査により、小さな声を発していた人が少なくない人数存在している。
ーーそして、その声は小さくとも示唆は鋭かった。
この「小さき声」はリアルに紐付け、しっかりと脳内の抽斗にしまっておきたいと思う。
さて、タイトルが示すように「誘拐物」なのは間違いないのだが、如何せん時期が悪かった。
というのも、私の脳内では百田尚樹の「野良犬の値段」という究極のエンタメ誘拐劇を堪能してしまった記憶が未だ鮮明なのだ。
そして第二の障害、帝王慣れだ。
【帝王慣れ】....ここで終わるわけが無い。つまりもう一度転がるとすればこうだ!!!
という優秀な人間様に与えられた時に惨たらしく作用する適応能力が楽しさを半減しくさりよっ...(言葉が悪いので以下略)
(´ρ`*)コホンコホン
次は本命である「ドクターデスの遺産」が待機しているので楽しみにしたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
犬養シリーズ第3弾!
「無駄に男前の犬養」さん、今回は誘拐劇!「ハーメルンの笛吹き男」を真似て、少女が消えていく〜
そこには、子宮頚がんワクチンで繋がっている。しかも、副作用の被害者とワクチン推進派の娘…
今今、ワクチンといえば、コロナになるけど、有効といえばそうなんやけど、やはり副作用に苦しむ人もいる。コロナは、緊急事態なのか、おいしいところがないか知らんけど、あんまり厚生省なり、製薬会社なりの儲かってる部分の闇とはあまり騒がれてないけど…
でも、何年も経ってるんやから、ええ加減、注射打つたびに、デフォルトで熱出るのは何とかして欲しいとは思う。
今回は、犯人候補が女性が多かったのか、人の嘘を見抜く力が発揮しにかったみたいな犬養さん。後半怒涛のごとく、閃いて解決するけど、やはり、大どんでん返しありで、楽しかった〜
犬養さんは、力仕事も頑張って大変でした!
しかも、大阪で…まぁ、そうなんかもしれんけど、東京と比較して、違法駐車だらけとか、信号守らんとか、放っておいて〜笑。
犬養さん、重い荷物を犯人に運ばれされてる場面(中身はお金)
「頑張りや」(何してるかも知らんのに)
「すみません、警察です」
「お巡りやからゆうて、何でもできる思たら大間違いやぞ」
(文中より…^^;)
何か、異様に距離感近いし…反権力やし…
何か、恥ずかしい…(⌒-⌒; )
どうせなら、飴ちゃんもあげとき〜 -
さすがの中山七里先生。
あー、それはちょっと予想したわ、、、からの!!!大逆転!
毎回唸らされますわ。
今回の軸は、子宮頸がんワクチン。
私の夫の妹さんが子宮頸がんの為34歳で夭逝していた。
遺伝的要素があるのか?無いのか?知識もないまま、子宮頸がんの恐ろしさを知っている私は、ワクチンが無料で受けられるとのことで、娘には直ぐに受けさせた。
いやしかし、今回の話は考えさせられた。
ワクチンに副反応はつきものだが、それほどなのか!?
考えてみたこともなかった。
ちゃんと調べなくては、、、
この本を読んで痛感した。
中山七里先生の本は、毎回何か気づきがある。
ミステリとしても毎回凄いのだが、自分の生きる社会を考えさせられる。
文章も、語彙も凄いのだが、内容も、物語としても、毎回本当に素晴らしい。 -
犬飼隼人シリーズ第三弾『ハーメルンの誘拐魔』
医療を絡めた社会派ミステリー
今回は子宮頸がん防止ワクチンの副反応、薬害問題がテーマ
実際に薬害問題は後を絶たないのが現状であり、非常に難しい問題だと思う
コロナワクチンもそうだけれど、医薬品などには必ず副作用などリスクが存在する
我々に与えられる情報は全てではない
だから自分自身でメリットとリスクを納得いくまで調べ、受け身ではなく自分の身体は自分で守る事を考えなくてはいけないと思う
さて作品だけれど、一人十億、総額七十億円の身代金が要求された少女集団誘拐事件が発生
被害者は子宮頸がん防止ワクチンの被害者六人とワクチン推進派の産婦人科協会会長の娘
いつも現場には犯人からのメッセージ「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書きが残されている
「ハーメルンの笛吹き男」は誰?
犯人の目的は?
今回は犬飼隼人と若い高千穂明日香がペアで事件解決に挑む
ドンデン返しは2回程
個人的には犬飼隼人が、身代金が入った重いアタッシュケースを持ち「ハーメルンの笛吹き男」に振り回され、汗だくで大阪の街を駆け巡るシーンの方が印象的だった
初めから犬飼隼人に何故か反抗的な高千穂明日香
事件が解決しても二人の間にあまり進展はなかったが、女心がわからない犬飼が今後彼女とどう接していくのか、そして彼女がどう成長していくか楽しみ
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ずっしりという感じでした。劇場型なので何となく先が見えてしまいました。最後のスピード感は流石です。
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刑事犬養隼人シリーズ第三弾
テーマは子宮頸がんワクチンの副反応被害
実際、子宮頸がんワクチンの副反応については、自分の周りで聴いたことがあります。
そんな子宮頸がんワクチンの推進者・被害者を巻き込んだ誘拐事件の顛末の物語
ストーリとしては、
記憶障害の患った15歳の少女が行方不明になります。
犯人からの要求がない中で、別の少女がさらわれます。
二人の共通点は、子宮頚がんワクチン。
15歳の少女は、子宮頚がんワクチンの副反応による被害者。
二人目の少女は、子宮頚がんワクチンの推進派の医師の娘。
さらに5人の子宮頚がんワクチンの副反応による被害者がさらわれ、計7人の少女達がさらわれます。
そして、犯人からの要求は70億円の現金。
さらに、犯人は警察だけでなく、マスコミを巻き込んでワクチンの副反応について世論を作り出していきます。
そんな中、犯人は誰?
という展開です。
やはり、ワクチンを巡る厚労省や製薬会社、医療の現場の闇がリアルです。
そして、身代金受け渡しにおける犬養の大活劇!
事件の真相は、なんとくなく想像できましたが、それよりもワクチンの副作用に悩む人たちの想いが突き刺さります。
ワクチンで救われる多くの命、一方でその副作用で苦しむ少数の人たち。
とても重いテーマかと思います。
エピローグはホロリと来てしまった。
とってもお勧め -
最初はなかなか読ませるなあと、どんどんページを繰ったのだが、最後の方はどうかなあ。ハーメルンの笛吹きというのが、いまいち意味を持ってないように思うし、犯人もまあそうでないと仕方がないんだろうが、うーんもう一捻りほしいかな、いや欲張りすぎか。高千穂明日香刑事も、やたら正義面で鬱陶しい。こんなので、ほんとに刑事が務まるのかな、すぐ飛ばされちゃうよね。
子宮頸がんワクチンにツイテハはネットで調べてみたのだが、普通に厚生省が推奨しているが、本当のところ実態はどうなんだろうか。誰か知っていますか。 -
少女を誘拐する事件が連続して発生した。誘拐されたのは、子宮頸がんワクチンの副反応被害に苦しむ少女達と、そのワクチン推進派医師の娘。そして、誘拐現場には、ハーメルンの笛吹男のポストカードが残されていた。
犬養とタッグを組んで捜査に当たるのは、犬養を毛嫌いする新米刑事の高千穂明日香。敏腕の先輩刑事に対する明日香の態度、ホントよろしくない(笑)。
怒涛の展開。そして、ラストにはお決まりのどんでん返し✕2。まあ、途中で薄々分かるので、それほどのインパクトはなかったが。
本作、製薬会社や製薬会社と癒着した官僚や医師をボロクソに描き過ぎてるのがちょっと気になった。「中山七転八倒」によれば、「僕の娘が中学の時、子宮頸がんワクチンを接種した途端に腕が腫れ上がり、一週間もの間苦しんだ」こともあり「この小説には僕の私憤がわずかに混じっている」とのこと。そういうことか。 -
読む順番を間違えて、犬養隼人シリーズはこの本から読んでしまったが、犬養本人の話も少し織り交ぜながら進んでいったため、人物像も分かりやすかった。
今回のワクチンと副作用という重いテーマはとても考えさせられた。子宮頸がんワクチンの副作用で病に苦しんでいる少女達の話だったが、ワクチンで助けられた命もたくさんあると思う。だか、子宮頸がんにならなかった事をワクチンを打ったおかげだと考える人はあまりいない。そもそも対等ではないから、とても難しい内容だった。
事件真相は最後まで分からず、どんでん返しもありハラハラドキドキしながら読めた。同シリーズの別な作品もぜひ読んでみたい。 -
社会問題に切り込む意欲作。連続少女誘拐事件。犯人は警察の予想を外し捜査を撹乱。(子宮頚がんワクチンの被害者だけでなく推進派の娘も攫い,保護者でなく製薬会社に身代金を要求,受取場所の指定。)