ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041063576

作品紹介・あらすじ

少女を狙った前代未聞の連続誘拐事件。身代金は合計70億円。捜査を進めるうちに、子宮頸がんワクチンにまつわる医療界の闇が次第に明らかになっていき――。孤高の刑事が完全犯罪に挑む!

感想・レビュー・書評

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  • 子宮頸がんワクチンの副反応をテーマにした社会はミステリー。
    結末は、途中からある程度予測可能。異名の「どんでん返しの帝王」の技は、十分とは言えないが、けっして作品の質を貶めるものではない。
    厚労省と製薬会社、そして医療関係者のトライアングルに、鋭いメスを入れた著者の意気込みに讃辞を表したい。
    『アポロンの嘲笑』では原発問題を、本書では子宮頸がんワクチン問題を取り上げている。
    これからも、著者が何をテーマに作品を作り上げるのか、興味を持って見守っていきたい。

  • 記憶障害を患った15歳の少女、月島香苗が街中で忽然と姿を消した。現場には「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。その後少女を狙った誘拐事件が連続して発生、被害者は、子宮頸がんワクチンの副反応による障害を負った者と、ワクチン推進派の医師の娘だった。そんな中「笛吹き男」から、計70億円の身代金の要求が警察に届く。少女の命と警察の威信を懸け、孤高の刑事が辿り着いた真実とは…。人気シリーズ第3弾!

  • あの当時実際に女性タレントが政界に進出する為の演説の中で子宮頚がんワクチンを接種するよう呼びかけていたのを思い出しました。
    でも実際やはり副作用が問題視されているという報道番組を目にした覚えもあります。
    被害者側、加害者側各々がここまで追い込まれる世の中ってなんなんでしょうね。
    医師、製薬会社、厚労省…関係者彼らは自分の娘にこのワクチンをなんの躊躇いもなく接種出来るのだろうか…
    接種させられないと分かっていながらそれを推進していくその想いは…
    ここまでされなければ後戻りが出来ない世の中のあり方は…
    病気になるまいと受けた一度や二度のワクチンで人生の全てが変わってしまった被害者の想い…
    なによりも変え難い我が子を思う親の想い…

    こういう事は決して医療界だけではない!
    なによりも重いはずの人の命に関わる物事があまりにも安易に蔑ろにされてしまう、そんな世の中で大人はどんな顔をして子供達に未来の話をしていくのでしょう。
    裏で何が起こっているのか分からない社会をどんな顔をして子供達に託していくのでしょう。

    せめてこうして小説の中で取り上げてもらえた事がほんの少し救いになったのかもしれません。
    現実の社会とリンクするような問題提議を小説を通してもっともっと声高に投げかけて欲しい。

    正直者がバカを見る世の中を子供たちに残して行ってホントにそれでいいのか…世の中の…社会の在り方を大人はもっともっと真剣に考えるべき!
    自分も含め、諦めずに声をあげていくべきなのでしょうね。

  • 子宮頚がんワクチンのことを知りたくて、この本にたどり着いた。副反応で苦しむ少女が日本中にいるのに、ワクチンとの因果関係を認めようとしない厚生省。著者は、日本の良き未来のためにこの本を書いたのだと思う。フィクションと書いてあるが、それだけではないと私は思う。この問題提起を一国民として、しっかり受け止めたい。

  • ある少女の誘拐事件、子宮頚がんワクチンの副反応、既得権益に固執する官僚と企業、そして犯人を追い続ける刑事。

    少女誘拐犯『ハーメルンの笛吹き男』とは誰なのか?
    そして、その真の目的は?

    最後の大どんでん返しは見事!ラストに向けて、ハラハラドキドキしながら楽しめた。
    他の刑事犬養隼人シリーズも読んでみよう。

  • 子宮頸がんワクチンが本書の鍵である。
    現在は定期接種から外されているこのワクチン、その理由は、副反応?
    なぜ「?」をつけたかというと、それは副反応とワクチン接種の因果関係が未だ明らかでないからだ。
    実際に子宮頸がんは、このワクチンがあれば減らせるということだ。
    私が行く婦人科や小児科では、それを勧めるポスターが貼ってある。
    周囲の医師は、大丈夫だ、というけれど、因果関係がわからないのに、ワクチンを打って、娘の未来を奪いたくない。
    それはごく当然の感情である。

    本書に登場する、ハーメルンの誘拐魔は一体何の目的で少女たちをさらっていったのか。
    それとも少女たちは鳴らされた笛の音にしたがって、自らの意思で姿を消したのか。
    多くの人が一度は聞いたことがあるであろう、ハーメルンの童話。
    それになぞらえた事件は二転三転する。
    元の童話のように、ネズミに見立てられた少女たちの行く先は......。

    犬養隼人シリーズの中でも少し毛色の違う本作。
    ワクチンというジェンナーの偉大な発明は多くの人を、多くの病から、救ってきた。
    それはまぎれもない事実だ。
    しかし一方で、多くのものが助かるのならば、少々の犠牲は致し方ない、そんな考えになってはいまいか。
    誰のためのワクチンなのか。
    なんのためのワクチンなのか。
    医療者も、恩恵を受けるものたちも、今一度、根本を自らに問い直すべきなのだ。

  • 読みやすかったです。途中から何となく展開が見えましたが、想像と似ていることを確認しながら読了。

  • イマイチ展開が好みではなかったかな。
    女性刑事?の態度の悪さも女性蔑視への演出だと理解できても嫌。

  • 子宮頸がんワクチンを題材としたミステリー。
    実際、何年か前にニュースにもなっていたけど、ワクチン接種を推奨した側の対応に憤りを感じる。
    犯人側を応援してしまいたくなる。

  • 子宮頸がんワクチンの副反応について、世間に問いただしているような。ミステリー要素よりも、女性してはこちらが気になって夢中で読んだ。被害者の多さと症状の重さを知らされた。こんなにひどかったなんて。

    犯罪を起こして世間を騒がせないと、医師会・厚生省は動かないの?みんな責任逃れ。擦り付け合い。偉くなればなるほどひどさが増すね。

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プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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