滅びの園 (幽BOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 595
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041064320

感想・レビュー・書評

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  • とある宇宙生物のせいで、得た安息の日常を守る1人と、失った日常を取り戻そうと戦う人々のお話。
    最初の章は、あまりにも絵本的な世界で違和感しかなかったですが、2章以降から一方こちらではと地上について語られるのでだんだん面白くなっていきました。

    どちらの立場にしろ、自分と自分の大切な人の幸せ以外を大切に思うことは難しい。
    その想いのぶつかり合いがめちゃくちゃ切なくて好き。
    成功してもしなくても命を失う、という設定もやるせなくてとても好き。

    鈴上氏の立場を考えると、色々同情の余地があるんだけど、本人の性格が悪すぎてラストの章とか同情しきれない。

  • 地球の空を覆う未知なるもの。地上にプーニーなる白い生物が大発生。間接的にでも口に入るとプーニーになる
    感染後、7日間でプーニー化する。
    プーニーに感染しない人間。国の定める検査で耐性を数値化
    400を超える人間はプーニーを捜査可能になれる。プーニーを食べるプーニー化せずプーニーコンダクターになる
    耐性数値の高い鎮圧部隊の隊長がプーニーコンダクターと話し、その存在をしる。
    未知なるもの近辺に人間がいることがわかる。
    次元転送装置で各国が突入者を転送
    耐性度の高い突入者により未知なるものを消滅させた
    突入者は消滅したが人間は空から落ちてきた
    自分の想念の中で暮らしていた。
    狙撃された最初のプーニーコンダクターは想念世界にいた
    突入者と最初のプーニーコンダクターが協力
    病院に隔離。看護婦に殺される。

  • 待ちに待った恒川光太郎最新作!
    異世界に迷い込んだブラックサラリーマンと異形の生物が溢れ緩やかに滅びに向かっていく世界。なんだかすごいお話ですが、ページを止められずに一気に読み進めてしまいました。
    で・・・面白かったんだけど、なんとも読後感が。。
    もうなんというか、見渡す限りみんなが不幸になっている感じが。ろくでもない世界から抜け出してようやく掴んだ幸せと平穏をそのろくでもない世界のために奪われてしまう鈴上さんに妙に感情移入してしまったのかもしれません。現実の存在ではなくても、小さい子供が害される展開はどうにも気がふさぎます。。

  • 恒川さんはどれを読んでも、
    何を読んでも何故か綺麗だなぁ~って思ってしまう私。
    表現って言うのか…なんて言うのか…
    今回も綺麗な世界と思ってしまった「(。>ω<。)
    本当は綺麗じゃすまない地球の惨劇なんだけどね。
    恒川ワールド炸裂の近未来SF。
    6章からなる長編で章ごとに視線(主人公)が変わる。
    立場や環境が違えばモノの見方も違う。

    家庭にも仕事にも疲れていた鈴上誠一は
    仕事帰り名も知らぬ駅で電車から降りてしまったが
    そこは絵本のような世界だった。
    一方地球では空に〈未知なるもの〉が現れ謎の生物"プーニー"が…!!

  • ★2018年7月30日読了『滅びの国』恒川光太郎著 評価B+

    スタープレーヤー、ヘブンメーカーに続く、時代不明の無国籍未来SF作品。
    我々の世代で言えば、無国籍、時代性のない物語のテイストは、星新一に近い。

    鈴上誠一という30代のサラリーマンが朝の通勤時に気がついたら異界へ飛び出していたところから物語が始まる。
    宇宙からの未知なるもの、プーニーにとりつかれた地球、人類は、次々に感染症のようにして死んでいく。
    人類の中で特別にこのプーニーへの抵抗力が優れたメンバーを募って、
    鈴木誠一が捕らわれる未知なるもの、異界へ攻撃を仕掛け、ついには異界を破壊、プーニーを消滅させる。
    異界は、鈴上誠一の希望、願いだったのか?何だったのかも分からず物語は終わり、読者それぞれの想像に任される。

  • 現実世界から大きく乖離した話だから、普通だったら中盤まで入っていけないはず。なのに、説明が上手いからか序盤からスルスルと話が入ってきて面白かった。

  • 2018/7/16(月曜日)

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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