- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041064382
作品紹介・あらすじ
『悪魔』の透明標本を作り学会から追放されたと噂される根室正志。その根室の最後の作品が完成し、披露されることになった。人伝に聞きつけ集まったのは、一見結びつきのない8人の参加者。猟奇事件を追うフリーライター、遺産で生活する美人写真家、推理作家など――彼らは福島県の沖合の孤島に向かうも、予想外の事件が待ち受けていた。島での一夜を余儀なくされた9人に様々な思惑が渦巻く。そして第1の殺人事件が――
感想・レビュー・書評
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登場人物までが自嘲するような孤島ものの定番的設定がまずあって、その上で、最初の不可解な死を切っ掛けに、閉じ込められた客たちが、殺されるのではなくて、殺し合いを始める凄惨なお話。なのに読後感はあまり悪くない。ミステリとしてみた場合は少し無理があって、ちょっとゆるめ。
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う~~~~~ん面白かった。
唸る面白さ。
よく練られた良質なホラーミステリー。
良いオチしてる。
これからも期待の作家だ。 -
透明標本をモチーフにしたミステリ。雰囲気が楽しかった。思わず作り方を調べてしまった。
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読んでいてあまり気持ちのいいお話ではなかった。あからさまなシチュエーションと必要のない殺人。あと視点人物がころころ変わるので、読みにくい。
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狂騒の夜が始まってからは、先が気になってページをめくる手が俄然スピードアップ。でもいざ読み終えたら真相に驚くより先に、限られた人間関係の中でムクムクと膨れ上がる歪んだ欲求や後ろめたい感情の暴発がもたらす結果がこの上なくやりきれない。心理的な仕掛けや他人の邪な思惑に、こんな短絡的に引きずられる人間ばかりじゃないはず。
「愛する者を殺すことは、自分自身を殺すことと同じなんだな」の一文が心に留まり、“透明標本の館”という一風変わった舞台はビジュアルで見てみたいと思わせる魅力を放っていた。 -
2018/03/06読了