祈りのカルテ

著者 : 知念実希人
  • KADOKAWA (2018年3月29日発売)
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041065808

作品紹介・あらすじ

諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正医科大学病院の研修医。
初期臨床研修で、内科、外科、小児科、婦人科など、様々な科を回っている。
ある夜、睡眠薬を大量にのんだ女性が救急搬送されてきた。
その腕には、別れた夫の名前が火傷(ヤケド)で刻まれていた。
聴けば、夫と関係が悪化し、睡眠薬の過剰摂取を繰り返しているという。
しかし良太は、女性の態度に違和感を覚える。
彼女はなぜ、毎月5日に退院できるよう入院するのか……。(「彼女が瞳を閉じる理由」)

初期の胃がんの内視鏡手術を拒否する老人や、
循環器内科に入院した我が儘な女優など、
驚くほど個性に満ちた患者たちとその心の謎を、
新米医師、良太はどう解き明かすのか。

「彼」は、人の心を聴ける医師。
こころ震える連作医療ミステリ!

祈りのカルテの感想・レビュー・書評

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  • 若い研修医が主人公の連作短編集。研修として総合病院の色々な科に配属され、そこで出会った患者の謎の言動を解明していく。
    ホワイダニットが中心の短編集だが、手掛かりが後出し気味なので、謎解きの満足感は感じられなかった。
    但し、それが欠点にならない程、医療ミステリとして充分面白かった。難しい医療用語も出るが苦にならずに読めるのは、医師と作家の2つの顔を持つ著者ならではであろう。心温まる話もあり、読んで良かった一冊。

  • 諏訪野先生の人の良さ、が私には出来すぎていて物足りない。そういう人でないと複雑な事情を抱える患者さんの心には入れないのだろうけれど。研修医として各科をまわり、その中で病のその奥にあるものを見つけ出していく諏訪野先生。もしかして、と思った私の想像の、その先をいくのでやっぱり面白い。実際にはこんな先生いないと思う。作品の中でも言われているけど、ここまで関わっていたら自分が壊れる気がするから。諏訪野先生のその後を読みたいけれど、もうちょっとこう毒がある方が・・・と思うのは天久先生に馴染みすぎたのかも。

  • 献本に応募した。惹かれる内容で是非、読んでみたい。

  • タイトルから恋人が病気で死んじゃう系の
    涙話かと思いきや、あれ?なんだか面白いぞ。
    諏訪野くんに単純に好感が持てる。
    可愛がられる後輩の見本みたいな。
    話はエリさんのが良かったかな。
    移植にしても保険にしても
    そういう融通がとおるかどうかは別として。

  • 知念実希人先生の新作、祈りのカルテ。
    私は、天久鷹央の推理カルテのシリーズや、崩れる脳を抱きしめて、を拝読したことがあり、今作も非常に楽しみです!

  •  天久鷹央シリーズのファンであれば、受け入れやすいと同時に、比較すると興味深いだろう。本作は、研修医の諏訪野が、配属を決めるまでに様々な科を回り、事情を抱えた患者たちとの出会いを描く、連作短編集である。

     天久鷹央シリーズは、内容こそ硬派であるものの、鷹央と小鳥遊のコンビを前面に押し出している。それに慣れている読者には、本作は地味に感じられるかもしれない。諏訪野の指導医は一話毎に変わる。特に珍しい症例もなく、治療方針に悩むことはない。

     そんな本作で、諏訪野が解明するのは、患者の心。プライバシーに立ち入りすぎなきらいはあるが、最後には指導医も動かす、諏訪野の真っ直ぐさに本作の特徴がある。いきなり精神科からスタート。「常連」が抱えた事情は、ありふれた話だけに暗澹とさせられる。放っておけない諏訪野の性格が、背中を押した。

     続いて外科。なぜか手術を急いでくれと主張する患者。その理由は、自分の将来を考えても、他人事ではない。指導医は真相を墓場まで持っていくだろう。皮膚科。普段は平穏だが、火傷の患者が搬送されると、一気に戦場になる。若気の至りを後悔する人は多いと聞く。幸い、いい方に転がったようだが…。

     小児科。喘息の発作で入院した女児。鷹央シリーズのファンなら思い出す、あの症例。指導医も諏訪野も、悪い想像をしてしまうが…。我が子にこういう思いは決してさせまい。最後に循環器内科。特別室に入院していたのは…。医師としてできることは限られる。世間を巻き込んだ騒動に込められた、真の意図とは。

     最後の1編は、長編にも使えるネタだろう。敢えて短編にしたことで、諏訪野の決断に繋がっていく。この5編以外にも、経験を積んだであろう諏訪野。どの科が上ということはない。どの科も大事。それを理解した上で、研修医たちは専門を選ぶ。鷹央シリーズとは違う魅力がある、傑作医療小説だ。続編はないのだろうか?

  • 純正医大で臨床研修中の諏訪野良太が研修各科で出会う患者たち。睡眠薬多量服用を繰り返す山野瑠香。内視鏡手術を拒否する老人近藤玄三。火傷が悪化した守屋春香。薬を服用しているのに喘息をおこす姫井姫子。拡張型心筋症で入院した女優四十住絵理。その真意とはー

    ◆諏訪野君優秀だな!そして冴木先生!「螺旋」途中なんだよ、この順番でよかったかも。でもそれはホントにそういう結果だったのかな?春香さん、今までそんなわかりやすいとこすら見えてない関係なのに大丈夫なのかしら。姫ちゃん、「あなたのため」という人は大体自分の為です。

    意識は男前だけど、初めからそのつもりなんだとしたら彼女のやり方は結局人の善意にたかった詐欺だと思う。

  • 研修医が主人公の連作短編集。
    察しのいい研修医という設定が非常にいい。そもそも医師は察しのいい人と察しの悪い人に大きく二分される。察しのいい医師は本当に患者の些細なことにも気がつく。
    一応ミステリ仕立てだが、そこまでミステリ色は強くない。脂ののっていた時の東野圭吾みたいな感じだ。
    1年後にはテレビドラマになっているはず。

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