黒い森の記憶 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 119
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041065976

作品紹介・あらすじ

深く黒い森の果て、かつて名医と呼ばれた老人が1人で暮らす山小屋へ、足を撃たれた男が転がり込んでくる。男は、世間を騒がせている連続少女暴行殺人事件の容疑者として追われていた。配達員にすら会わないほど人嫌いのはずの老人は、なぜか男を匿うことにする。同じ頃、老人のもとには差出人不明の不気味な小包が次々と届いていた……。

森の見せる悪夢に、人々はなすすべもなく呑み込まれていく。初期の異色サスペンス長編!

感想・レビュー・書評

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  • 1997年に角川ホラー文庫で発売された作品の改版に当たる本書。

    ホラーというよりはサスペンスで、かつて外科医だった老人が人間関係を厭い、人里離れたコテージで一人暮らしをしていたら、身元不明の不気味な小包が届いたり、その周辺で数年にわたり未解決の連続少女暴行殺人事件が更に起こったり、その容疑者と思われる足を撃たれた男を老人が匿ったりと、静かな黒い森の周辺が突如賑やかになり、それが森の見せる悪夢といった紹介をしております。

    しかし、自然の見せる恐ろしさのようなものは、あまり感じられず、恐ろしいのは人間の見えない部分であり、更には、表向きの老人の見せる姿とは裏腹に、心の中の見えない部分の本意はなんだったのかという問いは闇の中で、人間の深層心理の不思議さを感じさせられました。

    と思ったら、エピローグでどんでん返しがあり、実は・・・みたいな含みを持たせた終わり方は、海外の良質なサスペンス小説のようで、読んでいて楽しかったのですが、私の中では想定内だったため、気持ちの昂ぶりを感じるまでには至りませんでした。

    • たださん
      なおなおさん、こんばんは。

      コメントありがとうございます(^o^)

      そうですね、珍しいかもしれませんが、あまり気にはしてなかったです(^...
      なおなおさん、こんばんは。

      コメントありがとうございます(^o^)

      そうですね、珍しいかもしれませんが、あまり気にはしてなかったです(^_^;)

      最近、私の中で赤川次郎さんを読みたい熱が再燃してまして(自分の心の邪な部分を癒したいのかも)・・・昔、読んでいた赤川さんの作品が、ほぼユーモアミステリーばかりだったので、たまには違うジャンルをと思い、読んでみましたが、サスペンスでも、赤川さんの人間の複雑さを描く巧みさは、さすがだと思いました。

      なおなおさんも、最近、様々なジャンルを読まれているようで、興味深く本棚を拝見しております(^-^)
      2022/04/13
    • なおなおさん
      たださん、こんばんは。
      返信をありがとうございます。

      今回のように傾向が違う本が並ぶと楽しいです。
      「あれ?たださんがサスペンス?」って^...
      たださん、こんばんは。
      返信をありがとうございます。

      今回のように傾向が違う本が並ぶと楽しいです。
      「あれ?たださんがサスペンス?」って^^;
      赤川次郎さんを読みたい熱が再熱…いいですね。たださんの選書を楽しみにしています。

      私は赤川次郎さんはほとんど読んだことがないのです。
      「三毛猫ホームズの(ナンチャラ)」、あと最近では「マリオネットの罠」だけです。
      マリオネットの罠…最初からホラーで、ラストは「はぁ?」となりました^^;
      たださんは読まれたでしょうか。

      これからもたださんの本棚を楽しみにしています(^_^)
      (こちらはジャンルがめちゃめちゃです^^;)
      2022/04/13
    • たださん
      なおなおさん、おはようございます。

      返事のお返事、ありがとうございます(^_^)

      三毛猫ホームズシリーズは、しばらく、そればかり読んでた...
      なおなおさん、おはようございます。

      返事のお返事、ありがとうございます(^_^)

      三毛猫ホームズシリーズは、しばらく、そればかり読んでた時期があったくらい好きで、図書館で真っ先に探したのですが、短編集一冊しかなかったので・・最新のものは未読ですが、初期は本格推理ものが多く(途中から人間ドラマ寄りになりましたが)、「推理」、「追跡」、「騎士道」あたりは、今読んでも名作だと思います。

      それから、なんといっても、登場人物がまた面白く魅力的で人間味があって・・・ホームズシリーズを語ると、長くなりそうなので、この辺でやめておきます(^_^;)

      「マリオネットの罠」は未読なので、読んでみたいです(^o^)
      赤川さんの作品は、シリーズ物ばかり読んでたので。
      2022/04/14
  • 何人殺したら気が済むねん。読んでてしんどかった

  • 【森はすべて見ていた 初期の異色サスペンス.ᐟ.ᐟ】


    都会の喧騒から離れ、一人暮らす老人の元に連続殺人犯の容疑者が転がりこんできた。時を同じくして老人宅に差出人不明の不審な小包が送られてくるようになり……


    KindleUnlimitedで見つけ、子どもの頃読んで面白かったのを思い出し再読。

    主人公の老人が暮らす森の描写から始まり、物語の中盤からラストに向けてテンポよく進んでいく。
    終盤にかけてのスピード感と、どんでん返しで一気に読んでしまった。

    老人はなぜ、人を避け森で暮らしているのか、転がりこんできた男は連続殺人犯なのか。
    人間の心理が興味深く表現されている。

    1981年に連載されていた作品だが古さを感じさせない1冊だ。


    こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
    ・サスペンスが好きなひと
    ・どんでん返しが好きなひと
    ・田舎暮らしに興味があるひと

  • 初めて読んだ、赤川次郎。 最高に面白かったし、最高などんでん返し。 少女連続殺害事件を、モヤっとした感じで終わらせたのも良い演出に感じた。

  • 展開は少し読めたけど、楽しく読ませていただきました。森の闇を描くのが、底知れない感じがして。
    kindle unlimitedにて。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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