檸檬,城のある町にて (角川文庫 緑 66-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066010

感想・レビュー・書評

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  • 歳の離れた妹が僅か3歳で急死したショックを受け止めきれない主人公は、四十九日を待たず、姉夫婦が住む松坂に行く。感覚の鋭敏さや情緒の変動、持病の微熱などが精神的な動揺のせいか見え隠れするも、姉やその娘、女学生の姪などと一夏を過ごすうちに落ち着きを見せてくる。「今、空は悲しいまで晴れていた」という言い回しは梶井基次郎が嚆矢となり現在もよく使われる表現だそう。春先に松阪に行きたいと思っているので興味を持って読みました。

  • 詩的で素敵。

  • 短編集。
    根底にあるのは薄暗く湿った絶望感。だってどの短編も主人公が肺を病んでいる。
    「のんきな患者」だけが、どこか乾いた諦めのような抜け感がある、と思ったら遺作だった。

  • 私が所蔵しているのはS14年の初版

  • 肉体の病が精神にも悪影響を及ぼし、
    それが作品に反映されている印象を受けた。
    そこがいい、と思うかどうかは好き好きじゃないかと。

  • 当時の梶井基次郎と共通するところもあるんだろうなぁと思うと切ない。

  • 檸檬。まるで人の気配がない。自分の中から無機質な世界を眺めている感じ。
    2008/7/17

  • 繊細鋭敏

  • 高校のときにインパクトのある先生に事細かに解説された。乱雑に積まれた美術書のてっぺんに檸檬が置かれた様子を想像して、きれいだなぁと思いました。そのままにして出て行くという茶目っ気が好き。私の心もすっきりした気分になりました。京都の丸善が閉店になる際、檸檬を置き去りにするお客さんがたくさんいたというのを聞きました。丸善も檸檬も、愛されてますねー。

  • 梶井氏の表現がすきだから。人間の一時の激情がさらっと書かれてる。

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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