- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041066065
作品紹介・あらすじ
新キャラクター「澁澤龍彦」登場の映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」、2018年3月3日公開!
大人気アニメ「文豪ストレイドッグス」シリーズ最新作の映画に登場する新キャラクター「澁澤龍彦」。コラボカバーのアンソロジー文庫で澁澤龍彦のエッセンスを味わおう! 珠玉のエッセイと小説を収録。
「文豪ストレイドッグス×角川文庫」アニメ描き下ろしコラボカバー第4弾!
(既刊一覧は https://store.kadokawa.co.jp/shop/e/epu040103/ )
編者・解説はアンソロジストの東雅夫(編著に『澁澤龍彦玉手匣』ほか)。
感想・レビュー・書評
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2018年、角川の文ストコラボカバーで発売された『澁澤龍彦×文豪』縛りで編集されたエッセイ、対談集です。
『ドラコニア』=澁澤龍彦の世界
であり、その世界を覗くにはちと物足りない。
ですが、文豪たちとのエピソードやエッセイを読むと、魅力的な作品が多々紹介されています。
夢野久作『ドグラマグラ』
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
についても語られており、特に黒死館殺人事件については独自で魔術やら心理学の専門書の参考文献をあたっていたりなど、愛を感じます。
個人的には『毒草園』のエッセイが面白くて、1906年フランスでの毒殺事件の件数などを上げていたりする。
マルキ・ド・サドの翻訳をされているのでサドの話はよく出てくるのだが、毒を少量ずつ飲んで、次第に免疫性体質につくり変えるというエピソードがあるそう。
昔読んだ切り裂きジャック系の本にも似たような事が書いてあったなぁ。
当時は毒が手に入り易く、知らずに服用して耐性ができていても不思議はないのかも。無敵。
三島由紀夫との対談では、泉鏡花の魅力が伝わります。
文ストは全巻持っているが、5巻までしか読んでない。
このエッセイ集を読んで、各文豪の小説を読むと、より楽しめるのかなと思いました。
その前にマルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』上下巻と、澁澤龍彦の『ホラー・ドラコニアの世界』
を読みたい♥(ˆ⌣ˆԅ)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの「ドラコニア」って澁澤「龍」彦のことかよ!
ちょっとかっこいいタイトルだけにツッコミたくなった。たくさん本を読んでいて解説をまとめて載せているようだった。これから読む予定の『黒死館殺人事件』のネタバレをするな!真犯人をいうな!
「デカダンス再生の「毒」」の章。
文章がよく読み取れなくて、『パプリカ』の精神汚染された人の支離滅裂な喋り方みたいだと思った。
メルヴィルから「換骨奪胎」したらしい「避雷針屋」は面白かった。澁澤龍彦さんの作品は読んだことがないからまずはお話から読みたいな、と思った。 -
なにやら、話題になっているようなので、ウン十年ぶりに澁澤龍彦。
読みやすい文章だが、自分の知識不足のためにどこまで理解できたものやら。
ウン十年まえの自分、どれだけ背伸びしてたんだ。
軽く厨二病だったのかな(笑)
ここから初めて、いろんな文豪作品に挑戦してみるのも良いかもしれない。 -
なんか同じタイプの人だったんだなあと思った。好きな人はとことん読み漁りだしちゃう一冊
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目次
編者序言
三つの髑髏
髑髏
夢のコレクション
豪華な白
林檎
秘密結社の輪廓
犯罪的結社 その他
横浜で見つけた鏡
ランプの廻転
地震と病気 谷崎文学の本質
『亂菊物語』と室津のこと
江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説
『夢野久作全集』第一巻
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説
『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著
石川淳と坂口安吾 あるいは道化の宿命について
三島由紀夫とデカダンス 個人的な思い出を中心に
『変身のロマン』編集後記
潜在意識の虎 『動物の謝肉祭』序
毒草園から近代化学へ
デカダンス再生の“毒” サドの現代性
優雅な屍体について
恐怖の詩 ラヴクラフト傑作集『暗黒の秘儀』
メルヴィル頌
避雷針屋
鏡花の魅力 対談 三島由紀夫×澁澤龍彦
編者解説
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角川文庫は文スト表紙で揃えて本屋に並べたいんだろうな、そこでフットワークの軽い東氏に頼んだんだろうな、なんて軽薄な企画、きっとうっすいんだろうな、と正直印象はよくなかった。
というより澁澤の検索候補がアニメキャラに浸食されるのが鬱陶しいなあと思っていた。
が、実際に読んでみると、さすがは東氏。納得のアンソロジー。
というより澁澤自身が、アンソロジストであると同時に、アンソロジーに適した作家性を備えていたんだな、と感想を新たにした。
とはいえ澁澤初読者に合っているとは言えない、中級者向けのセレクト。
だがそんな事情などどこ吹く風でキャラ萌え(関係性萌え)した女子たちがシブサワを×の前後にどのキャラとの組み合わせて置いて妄想を繰り広げるのか、それを観察するという愉しみを、ちょっと取っておこう。 -
文スト映画DEAD APPLE公開記念で刊行された文ストファン向け澁澤アンソロジー。
正直、初めて澁澤読む人がこれから入るのどうなの?みたいなチョイスのような気がしなくもないのですが、文スト向けっていわれるとまあうん……。
編者あとがきにもあるよう、前半はDEAD APPLEのモチーフである、髑髏や林檎、コレクションなどのテーマに関するエッセー・短編であり、後半は文ストに登場する文豪に関するエッセーなのですが、前半は割合読みやすいような気がします。澁澤については、わりと衒学的なところがあるというか、まあそういうところが面白かったりするのですが、それでも比較的読みやすいものがそろっているように思いました。ただ、後半は評論になってくるので、かなり面倒くさいというか、いや、文ストファンの皆様は黒死館も乱菊物語も当たり前のようにお読みになっているのかもしれませんが、それでもフロイトはいいとしてスウェデンボルグとか普通になんの解説も入れずに出すか!?!?みたいな気持ちにはなっているので、とりあえずこれで澁澤入った人は、懲りずに高丘親王読んでね……みたいな感じです。 -
憂国忌に、と思って読み始めたのですが、1日遅れで読了です。
面白かったです。澁澤さんの博識さ、すごいです。「その博識には手をつけられない」と解説に引用されてた三島由紀夫の言葉にありました。
文豪たちについて論じたものが多く、読みたい本も増えました。特に、小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、ホーソーン「ラパチーニの娘」が読みたいです。安部公房「デンドロカカリヤ」はちょうど積んでいるので読みます。
澁澤龍彦と三島由紀夫の対談も楽しかったです。「鏡花はどこかへ連れていきます。日本の近代文学で、われわれを他界へ連れていってくれる文学というのはほかにない。文学ってそれにしか意味はないんじゃないですか」
三島由紀夫かわいい、と思ったのは「僕は絶対に形じゃないと嫌なんだ。筋肉だって形だろう。なんでもちゃんと形がなければ嫌なんだ」です。
憂国忌に読みましたが、澁澤龍彦の他の本も読みたくなりました。興味が広がります。 -
エッセイ集。編集のテーマが「文スト縛り」って!(笑) よくぞここまで、というほどに見事なセレクトですが。特別文ストファンじゃなくても面白く読めるのではないでしょうか。さすがの博覧強記っぷりにはひたすら舌を巻くばかりです。
お気に入りは「ランプの廻転」。怪談・幻想小説好きにはたまりません。「草迷宮」は読んでいないのだけれど、これでかなり気になりました。
「パノラマ島奇談」と「黒死館殺人事件」は読んでいるので、それぞれの解説にはなるほどなあ、と感銘を受けました。そしてまた読み返したくなること請け合いなのですが。黒死館……もう一回読むのは根気がいりそうかもしれません(苦笑)。それとも再読ならよりよく読めるかな? -
『文豪ストレイドッグス』の劇場版公開と合わせて、『文豪』をテーマにセレクトされたエッセイ集が角川文庫から刊行された。
カバーの絵は『文豪ストレイドッグス』に登場する『澁澤龍彦』。現実の澁澤龍彦も、残された写真を見る限り、割と線の細い、少女漫画っぽい感じの人なので、漫画の絵になっていても違和感はないw しかし、件の『文豪ストレイドッグス』をよく知らないので、本屋で暫く見つけられなかったww