江戸城 御掃除之者! 玉を磨く (角川文庫)

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066171

作品紹介・あらすじ

「本丸御殿の御掃除を〈御掃除屋 武蔵〉に任せよ」。目安箱に投函された訴状をきっかけに、江戸城御掃除之者と民間掃除屋の御掃除合戦が勃発! 上野の東叡山寛永寺双子堂を舞台に腕比べが行われることになったが、その裏には将軍位争いに遺恨を持つ尾張徳川家の影が見え隠れし……。忍び寄る尾張の魔の手。果たして掃除合戦の決着は!? 御掃除之者の組頭・山野小左衛門ら掃除侍が無理難題に挑む、ユーモア時代小説!

感想・レビュー・書評

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  • 玉を磨く ー 江戸城 御掃除之者シリーズの3作目
    2018.03発行。字の大きさは…小。

    小野忠兵衛様御屋敷御掃除の事、戸山御屋敷御掃除の事、寛永寺双子堂御掃除合戦の事の短編3話。

    【小野忠兵衛様御屋敷御掃除の事】
    御掃除之者組頭・山野小左衛門は、南町奉行・大岡忠相より亡くなった勝手方勘定衆・小野忠兵衛の屋敷の掃除を依頼される。
    忠兵衛は、気鬱の病で勘定衆を辞した後、屋敷内に芥(ごみ)を集め足の踏み入る所もない有様であった。なぜ、そこまで芥を集めたか…?。
    忠兵衛は、上司である勝手方勘定組頭・犬塚久左衛門りよ公金の横領を命じられていたのか…?。
    そして、芥の中に何かを隠していたのでは…?。

    【戸山御屋敷御掃除の事】
    尾張徳川家留守居添役・杉浦伊織(元御土居下同心組頭)は、御掃除之者・山野組を御庭之者などと同様に将軍から密命を受けて動く者と思い、その正体を知るため尾張徳川家の戸山屋敷に御掃除指南を依頼する。
    尾張の忍び御土居下同心は、山野組を襲うが…。

    【寛永寺双子堂御掃除合戦の事】
    江戸城の本丸御殿の御掃除を御掃除屋・武蔵の清に任せよと訴状が来た。
    将軍吉宗は、寛永寺の双子堂にて御掃除屋・武蔵と御掃除之者・山野組が腕比べをさせて、より御掃除が巧みだと判断した方に任せることとする。
    そこに尾張の忍び御土居下同心が山野組の邪魔をする。
    勝敗は…。

    【読後】
    この物語は、自らお掃除道具を考案し、一生懸命に工夫を凝らしてお掃除をする御掃除之者の見事な仕事ぶりと、謎解きが絡まって面白い。その上、笑いまで用意している。

  • 「御掃除は戦でござる」
    ひたすら真面目にお役目に励む山野組の面々。
    そんな彼らの働きが認められたがために、次々と厄介な案件がもたらされる。そしてまたそれを真面目にこなすがゆえに、厄介事がまわってくる。
    ついにはプロフェッショナルな「忍び」と勘違いされ…

    別のシリーズの登場人物も出てきたりして、著者が楽しんでいるように見受けられます。

  • 新設定の掃除之者
    主人公はお目見え以下の木っ端役人だが自分の職責にプライドを持っており、その中で身に降りかかる理不尽や小さな謎を解決する役割
    (Wiki)
    江戸城内の御殿の清掃を主な任務とした役職である。他に走り使いや物資の運搬にも従事した。目付の支配で、御中間・御小人・御駕籠之者・黒鍬之者とともに五役(ごやく)と呼ばれる職である

  • シリーズ第3巻。
    嫡男が見習いとして、仕事をするようになった小左衛門は嬉しい。が反面、次男のことが気がかりでもあった。

    一つ目の話は、至る所にゴミを重ねて、死んでしまった旗本の屋敷の掃除を頼まれる、それも奉行所から。

    町人の目に晒してはならない文書があるやも知れぬというのだ。

    尾張藩の戸山屋敷の掃除を依頼されるが、何やら陰謀が匂いこく。。。

    尾張藩の暗躍がにおう、掃除合戦が企画される。
    当初より、想定してたように邪魔が入る。

    お掃除という珍しい視点で徳川吉宗当時の幕府体制やそれに遺恨を残す尾張藩問題など。伏線多数で面白い!

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著者プロフィール

1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学芸術学部を卒業後、2000年に『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス)でデビュー。『エリ・エリ』(ハルキ文庫)で、第1回小松左京賞を受賞。14年には「風の王国」シリーズ(ハルキ時代小説文庫)で、第3回歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。「採薬使佐平次」シリーズ、「江戸城 御掃除之者!」シリーズ、「よこやり清左衛門」シリーズ(ともに角川文庫)や「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」シリーズ(だいわ文庫)、など、多岐にわたるジャンルにて活躍している。

「2023年 『大一揆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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