火の鳥(角川文庫版・新装版) 太陽編 下 (12) (角川文庫)

  • KADOKAWA
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066416

作品紹介・あらすじ

地上の「光」と地下の「影」が対立する未来都市と、7世紀・壬申の乱の渦中……。
未来から古代へ、古代から未来へ往来する意識を持つ少年ハリマ(犬上)/スグルの「正義」への挑戦を通して描く終わりのない権力争い。
「信じるもの」の違いゆえに憎しみ合い、肉親を殺し、権力をわがものにしようとする者たちの闘いのドラマ、いよいよ完結。
過去も未来も、権力者はみずからを「神」と名乗る。

感想・レビュー・書評

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  •  「太陽編」もいよいよ最終巻。
     「光」の洗脳施設で諍いを起こし懲罰で死の戦いを強いられたスグル。相手の女戦士ヨドミと戦ううちに彼女を好きになってしまう。なぜか生き返ったヨドミだったが、この機会を利用しスグルは暴動を起こし、ヨドミと共に脱出を図る。このチャンスに「影(シャドー)」は決起を図る。

     一方、古代の世界では壬申の乱が勃発したが、戦いに向かう中、ハリマは火の鳥に遭遇する。仏教の侵略を止め狗族を救って欲しいと火の鳥に願うのだが、火の鳥は千年後の世界の光族と影との戦いをハリマに見せ、権力に使われた宗教は残忍であること、人間の権力は人間自身の手でなくすものであると語る。

     そして両方の世界で戦いは遂に終わるのだが、果たして勝者は今までと違う道を歩むのか、宗教は権力と離れることになったのか。そこを描く作者の筆はかなりペシミステックだ。
     しかし、ハリマと狗族の娘マリモ、スグルとヨドミのラストに、きっと手塚の夢が託されているのだろう。

     「火の鳥」は作者の死により未完に終わったが、正にライフワークの名にふさわしい、壮大な一大物語を堪能した。

  • #4002-4-30

  • 宗教と権力と戦争。
    繰り返す円環。

  • 革命に成功したら、大海人皇子もおやじさんも独裁者思考になってしまう。
    歴史ってその繰り返しだよね。
    仏教を悪者にした点もおもしろいわ。
    一気読みしちゃった太陽編でした。

  • 人間の顔に戻ったハリマが、今までつながっていた霊界のものたちを認識できなくなって…っていうの、あるあるなんだけど悲しかったな…マリモさん……。
    だから、まさかそっちがマリモさんだったとは…っていうオチ…、一千年を超えたロマンス…すごい…。

  • 壮大な古代と未来の時空を超えた話も大団円となる。結局のところ、権力なんて無意味だということがよくわかる。

  • いつの時代も人間は宗教で争い続けているというのが印象深いです。
    ラストの二人が再び出会うシーンがすごい好きです。今まで読んできてこの太陽編が一番好きになりました。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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