ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 (角川文庫)
- KADOKAWA (2018年3月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041066454
作品紹介・あらすじ
第二次世界大戦でイギリスを率い、ナチスを負かしたのは、一度失敗して引退した男だった。彼が持っていた武器は、ただ一つ。言葉をあやつる、たぐいまれな才能だった。
感想・レビュー・書評
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チャーチルが首相になる直前から、ドイツとの全面戦争へと向かう時代のイギリスとチャーチルを描いた作品。
個人的にはドイツとの戦争に勝利していく所までを読みたかった。
この部分だけを伝記として切り抜くことが、チャーチルの人柄が最も良く現れるということなのだろうか?これまでチャーチルについてイギリス首相ということしか知らなかったのでそれは分からない。
今作を読んだことで、希代の演説家・言葉で人の心を動かすリーダーというチャーチルの強みを知れた。
そしてまた、好戦家・戦争好きという側面も少なからずあり、ドイツという世界の脅威が存在していたあのタイミングだからこそ、歴史の偉人として現代まで語り継がれているのではないか。
平和な時代には、チャーチルと首相の座を争ったハリファックスの方こそ首相に相応しかったのかもしれない。
チャーチルの失敗が多いという所は親しみがもてるところ。
学生時代は劣等生。ガリポリの戦いでは七万人のイギリス人を死なせ、長い間表舞台から去ることになりながら、再び首相として権力に返り咲くところには不屈の魂の持ち主だと感じられた。
いくどもの失敗に挫けず、何度も立ち上がる不屈の心は人生の道標にしたい。 -
あえてチャーチルの人生を描くのではなく、政治家になるまでの半生の概略と首相になって直後の言動を追うことで、本格的戦争に向かうにあたっての思考を明らかにしようとした意欲作だと思える。映画の原作本とのことだが、よくあるノベライズ作品よりもずっと読み応えのある良著。きちんとした交渉の元に書かれているように思えた。
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日本の歴史の授業ではなかなか取り扱われない内容で、イギリスを中心としたヨーロッパに何が起こったのかが一人のウィンストン・チャーチルという人物を通して知ることができる一冊。
本の表現の仕方によって、当時のイギリス政府に走った緊張が伝わり、読み進めるたびに引き込まれていく本だった。 -
小説ではなく歴史記録、文献を元に時系列的に述べられている。個々人の話す内容は史実を元にした推測だろうが、話の筋は実際に起こったこと。歴史を学ぶにはちょうど良い。読むには辛いが。
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映画を観忘れたので読んだ。映画も観れば良かった。教科書くらいでしか名前を聞かない人物だし、実際この辺りの歴史は学校では詳しく習わない。演説が上手い政治家が日本にも出てきたら、コロっと乗せられそうだ
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映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』の原作です。
言葉が持つ力を確信していた政治家チャーチルの演説は、ヒトラーのそれに匹敵します。
イギリス国内だけでなく、亡国へ突き進むフランスまでも魅了する手腕には脱帽です。
多くの職歴を持つチャーチルですが、やはり戦時首相の顔が印象に残ります。
王道から外れた研究成果を文学的に纏めた一冊。 -
最後の一文が特に素晴らしかったです。
読書の醍醐味はここにあると思います。
内容についてですが、偉大な人物がどのように
過程を得ることで歴史に名を残したかを丹念に調べて
書かれた作品です。
彼が偉大な人物で人に愛され続けているのか、
その一つの考えを示されていました。