- 本 ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041066690
作品紹介・あらすじ
山や里に現れるという”わらい女”の秘密、落ちている土塊を踏んではならない忌むべき理由、どこか歪んで見える羽化したてのヒグラシ……野山を歩きつくした”生き物屋”が遭遇する、奇妙でノスタルジックな物語。
感想・レビュー・書評
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里山は人以外の生きものや神が棲む山との境界に位置する。それは異界との境界でもあるのか。
境界線は曖昧で、人が異界に踏み込んでしまったり 異界のものが里山に降りてきたり。
街とは違う里山には、風習や神事、言い伝えが残っている。自然と密接に関わった暮らしがある。
神や自然に対する畏敬や畏怖の念を失ったら、不思議な物語も消えてしまうのだろうか。
里山が消えようとしている今、それらの話を編纂する意味があるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きだった話。
「夫婦玉虫」「先住者」「涸れない水」「峠の小さな店」「歩く人」「ちゃぼさん」でした。深く考えだしたら怖い話が好きだ。さりげなく獣や魂や死者や神様はそこら辺にいるかもとか、そんな風な。
「歩く人」がいちばん怖かった。人の形をした人ではないものってめっちゃ気になる。 -
下手くそで回りくどいだけの文章は変わらず。
エピソードが入ってこない。 -
角川書店怪談文芸専門誌の幽vol27(2017年6月刊)、vol28(2017年12月刊)から4編を収録し、42編を書下ろし、2018年6月角川書店から刊行。シリーズ2作目。始まりの部分から、そして特に「夫婦玉虫」辺りは、十分にありうる、ドキュメンタリー的な話で、納得しながら、読み進めていたら、進むほどに怪奇色豊かな話になってきて、なるほど、基本怪談系のお話だと言うのがわかってきました。怪談フォークロアというか、そういうノリです。
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短編集。ショート・ショート。
田舎の怪談。
前作はホラー味が強い印象でしたが、今作はそれほど怖くない。むしろ優しい。
生き物好きな人はより好きそう。 -
山道に迷った少年が見たヒガンバナの群生。花に導かれ家に辿り着いた少年は、再びそこを訪れようとするが…(「紅い花」)。“みつばね”の翅の数をかぞえないうちに捕まえると、悪いことが起きる―。どこか奇妙なヒグラシに出会った少年は、祖父から聞かされた話を思い出す(「みつばね、つけばね」)。蝗を追い畦の上を歩くうち、固まったように動かなくなった身体。声も出せない中、少女は必死に「南無妙法蓮華経」と唱えるが―(「蝗の日」)。必ず二人一組で現われる、弔事を告げて回る“告げ人”。親戚が突然亡くなり、青年は医者を呼びに闇の中に飛び出すが…(「たましいの報せ」)。“生き物屋”が蒐集する奇しき物語。
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発売日から出遅れて半ばあきらめていたけど書泉ブックセンターでサイン本を手に入れることができました。おばあちゃん、おじいちゃんに不思議な話を聞かせてもらえた人達に、イイ齢になって憧憬する。今作も素敵な本でした。
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里山奇談第2弾
怖い話というよりは、優しい話が多かったかな。
「夫婦玉虫」「雨とミヅチ」「峠の小さな店」「迎え犬」「長い腕」「はじまりの音」あたりがお気に入り。 -
生き物屋さんの体験した不思議な話シリーズ第2弾。
今回も表紙が美しい。
水に映るトンボが幻想的である。
「わらい女」の話はどうしようもなく悲しい。
著者プロフィール
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