魔力の胎動

著者 : 東野圭吾
  • KADOKAWA (2018年3月23日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067390

作品紹介・あらすじ

自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。

魔力の胎動の感想・レビュー・書評

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  •  『ラプラスの魔女』から約2年。帯によると、東野圭吾さんの新刊は、『ラプラスの魔女』の前日譚だという。早速読み始めると、スピンオフ作品集のようである。極めて特異な能力を持つ少女が関わった、5編のエピソード。

     第一章「あの風に向かって翔べ」。平昌冬季五輪が終わったばかりなだけに、実にタイムリーだ。引退間際のベテランジャンパーが、最後の試合に臨む。まさに、彼女の能力に打ってつけ。彼女以上に最強のコーチはいないだろう。理論一辺倒かと思えば、なかなか粋な演出をして、泣かせてくれる。

     第二章「この手で魔球を」。その用語は、そのポジションにも当てはまるのか。女房役が限られる魔球の名手が、後継者問題に揺れる。彼女流のメッセージを、プロなら受け止めてみろ。この魔球の使い手だったある選手は、今何をしているだろう。

     第三章「その流れの行方は」。実際にもよく聞く、不幸な事故。これで正しかったのか。親はいつまでも自らを責める。無理もない。彼女の能力を使った実証が、少しでも救いになればいいが。あっちの方の続きは、今後描かれるのか?

     最も長い第四章「どの道で迷っていようとも」。理解が広まってきたとはいえ、デリケートなテーマに変わりはない。表明したことを悔い、意欲を失った作曲家に、彼女が示した真実とは。そこまでやるのか。できるのか。できるのだ。なぜなら…。レギュラーで登場していた鍼灸師の青年の事情も絡んでくる。十分に長編ネタではないか。

     最後に、表題作「魔力の胎動」。これは確かに前日譚というか、プロローグ的内容である。学者の彼が回想する、あまりにも不幸な事故。自分も行く機会があれば、気をつけねば。一方、新たな案件は、専門家の彼にも難題だった…。

     『ラプラスの魔女』を先に読んでいないと、何が何やらもやもやが残るだろうが、『ラプラスの魔女』の映画化に合わせた刊行と思われるので、本作を先に読んでから本編を読む、あるいは映画を観るのも、一興だろう。ガリレオと並ぶシリーズ化も可能だと思うが、さてどうなるか。

  • 「ラプラスの魔女」の前日譚連作集。

    第一章:あの風に向かって飛べ
    第二章:この手で魔球を
    第三章:その流れの行方は
    第四章:どの道で迷っていようとも
    第五章:魔力の胎動
    の5編収録。
    第一章から四章までは、鍼灸師ナユタが「ラプラスの魔女」主人公の円華の特殊能力と出会い、悩める人たちを希望に導く話でした。
    これはもっとシリーズ化できるほど面白いネタがありそうです。
    第五章は書下ろしで青江教授が硫化水素による中毒事故の真相解明した話でそのまま「ラプラスの魔女」に繋がります。
    特に第一章では、開明大学とかでてくるのですが北海道と勘違いしていました。
    第二章で長野とあったので思い出しましたが、「ラプラスの魔女」の直後に書かれた第一章では説明が省かれていたと思われます。

  • 師匠の顧客を引き継いだ鍼灸師の工藤ナユタ。調子の上がらないスキージャンプ選手坂屋の治療後、北稜大学で流体工学の研究をしている筒井利之と研究室へ行くと知り合いの娘だという羽原円華が同席しー

    ◆ラプラス前日譚!理系東野はやっぱり面白い!引退を考えたスキージャンプ選手。受けられる捕手のいないナックルボールの投手。川で子供が事故にあった教授の苦悩。パートナーを失った盲目のピアニスト。本名を封印してたナユタのトラウマ。全ての現象には理由があるのをきれいに種明かししてくれてスッキリする!そしてあの事件へ

  • とても読みやすい。ラプラスの魔女を読み返したくなります。ナユタがどんなつながりがあるのか分かったときは意外だった

  • 文庫化された「ラプラスの魔女」の前日譚で、全5章の連作短編。
    物理法則を読み解く力を持つ円華と鍼灸師のナユタがコンビでスキージャンプ、野球のピッチング、川の流れや山に吹く風の流れなどの謎解きをしていく話などだが、なんというか、映画化に間に合わせるための「やっつけ感」が感じられる作品。

  • 東野圭吾さんの作品、最近は読むたびに魅力が薄れてきます。「魔力の胎動」(2018.3)、羽原円華(うはら まどか)の「風」を読む(予測)する不思議な能力を描いた「ラプラスの魔女」(2015.5)の続編でしょうか。今回は、スキーのジャンパー、ナックルボール投手などがテーマの5話が収録されています。東野圭吾さんの作品だから面白くなるだろうとの期待もあり、なんとか6日かけて読み終えました。計算され尽くした話と思いますが、無理がありすぎます。私がひねくれ者だからか、感動とは程遠かったです。円華も可愛くないですね。

  • 「ラプラスの魔女」の映画公開に合わせた続編の発売かと思いきや、意外にも「ラプラスの魔女」の前に円華や青江が遭遇した事件を描いた前日譚の連作短編集。
    作者も「ラプラスの魔女」の発表時にコメントしているが、この作品は少し異色で、読んでいても、なかなか内容を受け入れることが難しい作品。それを映画化してしまうのも無謀だが、それの続編みたいな作品を書くのも、かなり勇気のいることだと思う。
    そんな訳で、「ラプラスの魔女」の内容をネットで振り返りながら、読むことに…相変わらず、円華のキャラクターは受け入れられないが、物語の展開はどこか「ガリレオ」シリーズを彷彿とさせる。長編じゃない分、前作より読みやすいし、この作品から読み出しても、充分理解出来る内容に仕上がっている分、今作の方がすんなり物語を楽しめる。

  • 『ラプラスの魔女』からの続けて、『魔力の胎動』さすが東野圭吾さん。ますますラプラスの世界が広がって繋がって円華ちゃんがどんな子なのか親しみが深まりました♪ラプラスの前にはこういうことも有ったのかと、物語の世界の時間がより深くなってったなぁ。最終章では青江先生も登場。映画も本当に楽しみだなぁ。

  • 『どの道で迷っていようとも』

    ラプラスの魔女の前日譚。
    5章からなる短編集、
    ナユタと円華が物理的見地で人助けをしていくのが面白い。

    羽原円華が広瀬すずちゃんに脳内変換されてしまうのはお約束。

  • 2018年43冊目。⌈ラプラスの魔女⌋の前日譚。前作の内容は大分忘れていたけれど、単体でも楽しめる仕様でありがたい。スキージャンプとかナックルとかうってつけの素材を持ってくるあたり流石です。ただ、軌道が読めてもナックルはそう簡単に捕れないと思いますよ。

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